いよいよ台風3号周辺の暖湿気が梅雨前線へ、度重なる大雨に警戒を
今月すでに600ミリ以上の降水量の所も
今月に入り、先週末は台風2号や梅雨前線の影響で線状降水帯が相次いで発生するなど記録的な大雨となり、またおととい8日(木)からきのう9日(金)にかけては、再び活発化した梅雨前線の影響で大雨となりました。
今月はまだ上旬が終わろうとしている段階ですが、すでに九州から関東にかけて、黄色の200ミリ以上からオレンジ色の300ミリ以上の降水量となっている所が多く、紫色の600ミリ以上となっている所もあります。
最も多いのは静岡県天城山747.5ミリ、次いで神奈川県箱根651.5ミリとなっており、静岡県高根山631.5ミリ、静岡県熊618.0ミリでは、すでに6月の月間降水量の観測史上1位の記録を更新している状況です。(きょう10日午前9時現在)これから週明けにかけて、さらに降水量が上乗せされる所が多くなるでしょう。
台風3号は週明けに関東の南を通過へ
強い台風3号は、フィリピンの東海上をゆっくりと北へ進んでいます。今後は徐々に速度を上げながら、北から北東方向へ進み、あさって12日(月)から13日(火)にかけて、関東の南海上を離れて通過する見込みです。
伊豆諸島では台風の暴風域に入るおそれがわずかにあるものの、関東などが大荒れとなるようなおそれはかなり小さいとみられます。ところが厄介なのが日本の南に停滞している梅雨前線です。
いよいよ台風3号周辺の暖湿気が流入
上図は今夜10日(土)午後9時の雨雲の予想です。いよいよ台風3号周辺の暖湿気が梅雨前線付近へ流れ込み、九州南部から四国にかけての太平洋側で雨雲が発達する予想です。雷を伴った激しい雨が降るおそれがあり、警戒が必要です。
活発な雨雲が東進か
そして活発な雨雲は、あす11日(日)日中にかけて東進するでしょう。紀伊半島から東海周辺で激しい雨が降るおそれがあり、関東でも本降りの雨となりそうです。
台風3号周辺から梅雨前線付近へ流れ込む暖湿気の勢いは、先日の台風2号時のそれと比べてやや劣るため、線状降水帯が発生するような危険な場となる計算はあまりありませんが、ライン状の活発な雨雲が発生し、集中的に激しい雨をもたらす計算もあるため、雨の降り方に十分な警戒を要します。
太平洋側で度重なる大雨に警戒
上図はあくまでもコンピュータの計算で、あす11日(日)午後9時まで予想される36時間の降水量は、九州南部や四国の太平洋側で200ミリ~300ミリ、紀伊半島から静岡県にかけて100ミリ前後の大雨となっており、関東でも50ミリ前後のまとまった雨となっています。
度重なる大雨で、記録的な降水量となっている太平洋側では、少ない雨でも土砂災害の危険度が上昇する地域があると思われます。
最新の計算によると、太平洋側の雨はあす11日(日)にかけてピークとなる予想が多いものの、台風3号が関東の南海上を通り過ぎる13日(火)頃までは、雨雲が発達しやすい環境が続きますので、今後も最新の雨情報をご確認ください。