ハリケーン・ホネがハワイ島に最接近
ハワイ語には「ハリケーン」を直接意味する言葉がないといいます。不思議なことに、ハリケーンはハワイにほとんどやってこないのです。「きっと火山が守ってくれているんだ」という言い伝えもあります。
その言い伝えが本当かどうかはさておき、24日(土)から25日(日)にかけて、ハリケーン・ホネがハワイに最接近しています。上は24日(土)夜の画像ですが、台風の中心がハワイ島のすぐ南にあり、活発な雨雲が広がっています。
ホネの詳細と進路
ホネとは、ハワイ語で「甘くて優しい」という意味だそうです。しかし、その名前とは裏腹に、ホネはハワイに接近するにつれてハリケーンに発達しました。
ハリケーンの強さは5段階に分けられますが、ホネはその中でもっとも弱いカテゴリー1の勢力です。
今後やや弱まり、25日(日)午後にはホノルルの南を通過する見込みです。中心はそれますが、ハリケーンの雲がかかると予想され、26日(月)にかけて強風や局地的な大雨が懸念されています。停電に備えるよう、注意も呼びかけられています。
ホネの後ろにギルマ
その後、ホネはハワイから離れていきますが、後続のハリケーンも接近しています。名前はギルマといい、昨日の予想に反して急速に発達しました。
24日(土)夜の勢力は、上から2番目に強いカテゴリー4で、中心気圧は949hPaまで低下しています。西へ進みますが、現時点の予測ではハワイに近づく前に温帯低気圧に変わり、ハワイの北を通過する見込みです。
ギルマの後ろにもう一つ
ギルマの後ろにももう1つの嵐が発生しており、現在は熱帯低気圧ですが、ハリケーンに発達する可能性もあります。
ギルマと同様に、その後弱まって、ハワイの北を通過すると予測するモデルもあります。ただ不確定要素も多いため、今後の進路に注意が必要です。
なぜハリケーンはハワイを避けるのか
そもそもハリケーンは、どれほどハワイを避けるのでしょうか。
1950年からのデータでは、ハワイを直撃するか、100キロ以内を通過したものは30例しかないようです。その意味でも、ホネは珍しいハリケーンということができます。
ハリケーンがあまりやってこない理由としては、周辺の海水が比較的低温であり、常に吹いている北東風が嵐を弱める働きをしていることなどがあります。
過去最強ハリケーン
とはいえ、過去には強力なハリケーンがハワイを直撃した例が複数あります。最強のものは、1992年に発生したイニキでした。
7名が死亡し、約100名が負傷、被害額は18億ドルと推定されています。これはアメリカ合衆国で記録された中でももっとも破壊的なハリケーンの1つとして記録されています。
(イニキの映像↓)
ハリケーンがほとんどやってこないハワイでは、当然ながら、強風に耐えられそうもない建物が多く存在します。ひとたび強い嵐が直撃すると、その被害は甚大なものになります。
ハリケーンがハワイを避けるという噂が、これからも真実であり続けることを願わずにはいられません。