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負ければA級陥落の羽生善治九段(51)残留を争う永瀬拓矢王座(29)との直接対決はじまる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月4日10時。東京・将棋会館、大阪・関西将棋会館において第80期A級順位戦8回戦、一斉対局が始まりました。対戦カードは以下の通りです。

【東京】

△永瀬 拓矢王座(3勝4敗)-▲羽生 善治九段(2勝5敗)

【大阪】

▲斎藤慎太郎八段(7勝0敗)-△豊島 将之九段(4勝3敗)

△糸谷 哲郎八段(5勝2敗)-▲佐藤 天彦九段(4勝3敗)

▲菅井 竜也八段(3勝4敗)-△佐藤 康光九段(3勝4敗)

△広瀬 章人八段(3勝4敗)-▲山崎 隆之八段(1勝6敗)

 名人挑戦権を争う斎藤八段、糸谷八段はともに大阪での対局です。

 ▲斎藤八段-△豊島九段戦は角換わり腰掛銀。後手の豊島九段から動いて、中段に桂が進みました。

 ▲佐藤天彦九段-△糸谷八段戦は相居飛車の力戦形。糸谷八段が横歩を取って、乱戦の気配が漂っています。

 残留を争う大一番、▲羽生九段-△永瀬王座戦は東京での対局です。

 羽生九段は本日負けると、A級陥落が決定します。しかし立場は自力。本日永瀬王座に勝てば3勝5敗で並び、順位わずか1枚の差で永瀬王座の上に立ちます。そして最終戦で広瀬八段に勝てば、他の結果に関係なく残留を決めることができます。

 羽生九段先手で戦型は相掛かり。後手の永瀬は横歩を取りました。激しい変化に飛び込む可能性もありそうです。

 A級順位戦は持ち時間各6時間(チェスクロック方式)。通例では、終局は深夜となります。

 昨日はB級1組12回戦がおこなわれました。激闘の結果、藤井聡太竜王、稲葉陽八段、千田翔太七段の3人にA級昇級の可能性が残されています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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