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エンジェルスの捕手2人が相次いで離脱。代わって昇格した2人はどちらも親子選手

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・スタッシ(左)と大谷翔平 Apr 7, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月10日、マックス・スタッシ(ロサンゼルス・エンジェルス)は、故障者リストに入った。この3日前には、スタッシとスタメンマスクを分け合っていたカート・スズキが、故障者リスト入りしている。

 2人とも、故障したのではなく、新型コロナウイルスによるものらしい。離脱はそう長引かずに済むと思われる。ただ、大谷翔平の次の登板は、5月11日の予定だ。それには、間に合わないのではないだろうか。今シーズン、大谷は5登板とも、スタッシとバッテリーを組んでいる。

 スズキとスタッシに代わる捕手として昇格したのは、チャド・ウォラックオースティン・ローマインだ。ウォラックについては、先日、「親子ともエンジェルスでプレーは5組目」で書いた。ウォラックと同じく、ローマインもメジャーリーガーの父を持つ。外野手だったケビン・ローマインは、1985~1991年にボストン・レッドソックスで331試合に出場した。

 また、ローマインは、兄弟メジャーリーガーでもある。ユーティリティ・プレーヤーだった兄のアンドルー・ローマインは、2010~18年と2020~21年にメジャーリーグで609試合に出場した(「「1試合9ポジション出場」と「兄弟バッテリー」のユーティリティが引退」)。父はエンジェルスに在籍したことがなく――1980年のドラフトでエンジェルスに指名されたが、入団しなかった――オースティンがエンジェルスに在籍するのは今年が初めてだが、兄はプロ入りから2014年の開幕直前までエンジェルスにいた。

 こちらは、弟の出場により、どちらもエンジェルスでプレーした兄弟となるエンジェルスのゲーム・ノーツによれば、この兄弟は過去に2組。ウィーバー兄弟とモリーナ兄弟だ。

 ジェフ・ウィーバーは2016年にエンジェルス(とセントルイス・カーディナルス)で先発投手として投げ、ジェレッド・ウィーバーはこの年の5月にメジャーデビューし、エンジェルスのローテーションに加わった。ジェレッドがエンジェルスで挙げた150勝(他チームでは0勝)は、チャック・フィンリーの165勝(他チームで35勝)に次ぎ、球団2位に位置する。ジェフはエンジェルスで3勝、他チームで101勝だ。

 ベンジー・モリーナは1998年から2005年まで、ホゼ・モリーナは2001年から2007年まで、エンジェルスでマスクをかぶった。彼らの弟であるヤディアー・モリーナは、カーディナルス一筋にプレーしている。

 なお、スズキとスタッシと違い、デビッド・フレッチャーの離脱は長くなりそうだ。開幕前から左腰の具合が思わしくなく、4月12日~28日に続き、5月8日に再び故障者リストに入った。両内転筋の手術を受け、復帰まで数ヵ月を要する。

 ここまで、遊撃はアンドルー・ベラスケス、二塁はタイラー・ウェイドが、主に守っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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