「フルトンがアイドル」。フィラデルフィア出身、ライトヘビー級の有望サウスポー
ペンシルバニア州フィラデルフィア出身で7戦全勝6KOのサウスポー、アティフ・オべルトン(8勝6KO)と12戦全勝11KOのロシア人ファイター、アルテム・ブルソフのライトヘビー級8回戦は、予想以上に差がついた。
オべルトンはスロースターターだがウォームアップ後は、より的確にパンチをヒット。手数でも、上下の打ち分けでもブルソフを凌駕していた。
リングの外では新進気鋭のファッションデザイナーとして活躍する24歳は、79-73、78-74、78-74のスコアで白星を挙げ、全勝をキープした。
勝者は言った。
「この試合は、自分のコンディションの良さを示すものだった。相手も連戦連勝中で、簡単にはいかないと思っていた。ブルソフはロシアからやって来た選手で、実力者だ。エンジンがかかるのに時間が掛ったが、プロはラウンド数が多いので、見せるべきものを披露することができる。今夜は自分を誇りに思うよ」
身長191cmのオべルトンは、同郷のWBC/WBOスーパーバンタム級チャンピオン、スティーブン・フルトン・ジュニアに憧れてボクシングを始めた。フルトンとは御存知のように井上尚弥との対戦が噂される2冠王者だ。
フルトンから直接アドバイスを受けたこともあるオベルトンは、122パウンドの2冠チャンプ同様、距離をコントロールし、ジャブでポイントを稼いだ。ボクシング界には数少ない女性トレーナーながら手腕を称えられる、シャロン・ベイカーの指示通り、アッパーと打ち下ろしの左でブルソフを寄せ付けなかった。
ジョー・フレージャーが時代を作り、マシュー・サード・モハマド、ティム・ウィザスプーン、ジェフ・チャンドラー、メルドリック・テイラー、バーナード・ホプキンス、そしてフルトンなど数々の名チャンピオンが誕生したフィラデルフィア。
アティフ・オべルトンも当地で、その存在を輝かせられるか。