ツイン台風、発生中
今日(土)、台風15号と16号が同時に発生しました。
15号は、現在(15日夜)グアムやサイパンに最接近しており、海や空の便に影響を及ぼしています。洪水も起きているとのことです。サイパンは先々週の日曜日にも台風13号が直撃し、甚大な被害が起きました。今もなお、復旧作業が続いています。
ツイン台風のゆくえ
この双子の台風は、この後どこへ向かうのでしょうか。
気象庁によると15号は、20日(木)にかけて、フィリピンや台湾に向かう見込みです。一方、16号はゆっくりとしたペースで、小笠原諸島に進むようです。
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参考までに、ヨーローパ中期予報センターの発表する予想天気図を見てみましょう。この画像によると、15号はフィリピン・台湾・中国へと進み、一方で16号は、日本の南に北上してくる予想です。
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また、15・16号の予想進路の海域の水温は、台風が発達するのに必要とされている27度以上となっています。二つの台風は、来週から再来週にかけて勢力を強めながら、陸地に影響を及ぼしそうです。
活発な太平洋
今年は、台風の発生ペースが早いことに加え、これまでにさまざまな記録を持った台風が発生しています。
- 去年の6月から、毎月台風が発生。これは1964ー65年ぶり。
- 台風2号は、2月台風として、観測史上最も強い台風。
- 台風4号は、3月台風として、観測史上最も強い台風。
- 台風7号は、観測史上最も早い時期に、グアムを直撃した台風(5月)。
- 台風12号は、日付変更線を越境した後、熱帯低気圧に弱まったものの再び台風へと復活し、その後日本に上陸した史上初の台風。また越境した後、史上最も西に進んだ台風。(下:経路)
つまり、今年は例年よりも早いうちから、勢力の強い台風が発生し、また、前例がないほどに、長距離を移動してきた台風があったのです。
今年後半の台風シーズンはどうなるか
すでにハイペースで台風が発生していますが、今後はどうなるのでしょうか。
懸念されるのは、秋台風と、エルニーニョです。
下図は、1991年以降に900hPa以下まで下がった台風のリストです。これを見ると、すべての台風が9月以降、つまり秋にできていたことがわかります。例えば、2013年に、フィリピンに壊滅的な被害をもたらした30号(国際名:ハイエン)も、11月に発生しています。
秋というと、日本では涼しくなるので意外だと思われるかもしれませんが、台風が発生する熱帯の海域では、秋分頃に太陽が真上に来ます。日射が強いなどから、海水温が一年で最も上がるのです。
さらに、気象庁や、アメリカ海洋大気庁によると、エルニーニョは、今後ますます加速する可能性があります。史上最強のエルニーニョ年とされた1997年に匹敵する恐れすらあるのです。今年後半の台風の動向にも注目です。