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今度は親子で完封勝ち!パワーアップしたサンティアゴに注目《6/4 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
約1ヶ月ぶりに鳴尾浜で登板したサンティアゴ投手。腕を振りきることがテーマでした。

梅雨とは思えぬ爽やかさだった、きのう4日の鳴尾浜。3日が中止になったため少し記憶は薄らぎましたが、2日の試合で9回に逆転満塁ホームランを浴びて負けた阪神ファームは、そのオリックスと対戦しています。きのうは先発のサンティアゴ投手をはじめ、4投手が散発6安打で無失点!打線は5回に4安打や相手エラーで4点を取って完封勝ちでした。すると、2日はファームと同じ9回に逆転満塁ホームランを打たれて負け、3日は8点のリードを一気に追いつかれた(何とかサヨナラで勝ったけど…)1軍も、スッキリと完封勝ちしていますね。ほんと仲のいいこと。

私は21時半に梅田を出発する夜行バスで新潟へ来たため、試合が終わった時は梅田へ向かう電車の中。岩貞投手と江越選手の、貴重なお立ち台を見られませんでした。残念!きっとまたありますよね。ある意味、小虎にも巡ってくるチャンスは多いシーズンだと思います。生き残った岩貞投手、1軍に戻ってすぐ結果が出た江越選手、続くのは誰でしょう?あす6日から新潟県三条市で行われる日本ハムとのファーム交流試合には、岩崎投手と島本投手が先発する模様で、岩本投手も登板予定です。

では、きのう4日に行われたオリックス戦の結果をご紹介します。

《ウエスタン公式戦》6月4日

阪神-オリックス 13回戦 (鳴尾浜)

オリ 000 000 000 = 0

阪神 000 040 00X = 4 

◆バッテリー

【阪神】○サンティアゴ(2勝2敗)-加藤-玉置-小嶋 / 梅野

【オリ】前田(2回)-森本(2回)-●中山(1回)-比嘉(2回)-柴田(1回) / 伏見-斎藤俊(8回)

◆三塁打 原口

◆二塁打 吉田雄

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田  (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .367

2]二:北條  (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .247

3]捕:梅野  (2-0-1 / 1-1 / 0 / 0) .367

4]三:新井  (2-1-0 / 0-1 / 0 / 1) .273

〃三:西田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .199

5]右:中谷  (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .299

6]指:原口  (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .235

〃打指:緒方 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .217

7]一:黒瀬  (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .178

8]左:一二三 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .129

〃左:田上  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .333

9]遊:植田  (3-2-0 / 0-0 / 1 / 0) .200

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

サン 6.1回 87球 (4-1-1 / 0-0 / 1.44) 145

加藤 0.2回 8球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 138

玉置  1回 16球 (1-3-0 / 0-0 / 5.30) 145

小嶋  1回 32球 (1-2-1 / 0-0 / 1.37) 145

試合経過

7回途中まで投げて散発4安打無失点のサンティアゴ投手。
7回途中まで投げて散発4安打無失点のサンティアゴ投手。
右足を着地する時に滑ってしまい体勢を崩したところ。問題はありませんでした。
右足を着地する時に滑ってしまい体勢を崩したところ。問題はありませんでした。

サンティアゴは1回、先頭の武田をサード新井のエラーで出し、犠打などで2死三塁としますが4番・伏見は中飛。2回は2死から岩崎の左前打と盗塁、3回も2死から吉田雄の左越え二塁打があったものの0点に抑え、4回は三者凡退でした。5回は先頭の岩崎に中前打、犠打で二塁へ進めながらも後続を断ちます。

その間、こちらの打線は1回に柴田と北條が続けて左前打を放ち、梅野は二ゴロ併殺打でしたが新井の四球で2死満塁。しかし中谷は三ゴロに倒れて得点なし。2回は三者凡退で、3回は2人目の森本から先頭の植田が右前打で出るもチャンスを広げられず。4回は2死から原口がレフトフェンスの最上部(黄色いラインの下にある金網?)を直撃する三塁打を放ちますが、やはり無得点。

ようやく5回裏に試合が動きました。1死から植田が左前打して盗塁成功。柴田はピッチャーへの内野安打(捕球した中山と競争して柴田の勝ち)で1死一、三塁となり、北條の打球にセカンド岩崎が捕球エラー。植田が先制のホームを踏みます。柴田も三塁を陥れて梅野の左犠飛で2点目。新井はショート内野安打で2死一、二塁。続く中谷が中前タイムリー!そしてセンター武田からの返球をサード奥浪が捕れず(記録はセンターのエラー)三塁に進んでいた新井も生還!この回4点を奪っています。6回以降は比嘉と柴田から2四死球による出塁のみでした。

最速145キロを出した玉置投手。本人も「久しぶり」だったそうです。
最速145キロを出した玉置投手。本人も「久しぶり」だったそうです。

サンティアゴは7回もマウンドに上がり、1死を取ったあと奥浪に四球を与えたところで交代。ついで加藤が、2つの暴投で奥浪を三塁へ進めながらも岩崎をスライダーで空振り三振に仕留めるなど無失点。8回は玉置が連続三振で2死を取ってから吉田雄に中前打されますが、宮崎も空振り三振。9回の小嶋は伏見をサード西田のエラー(トンネル…)で出し、続く小田に中前打を許しました。しかし奥浪と岩崎をフォークで連続三振!山本にストレートの四球を与えたあと斎藤俊を二ゴロに打ち取って試合終了です。

「149という数字は必ず出る」

ファームでは5月8日のオリックス戦以来の登板だったサンティアゴ投手。まず「よかったと思います」と笑顔でした。「しっかり腕を振りきるというテーマを持って投げて、それができたのは大きかった。しっかりやってきた成果が出始めた感じです」とのこと。暑さに関しては「全然気にならない。こういう暑さは嫌じゃないし、投げていても疲れない」と言っています。いやいやマリオさん、きのうは日差しが強烈だったけど空気が乾いていましたから。梅雨の蒸し暑さは半端じゃないですよ。覚悟しておいてくださいね。

「149キロ出る日は必ず来る」。ニヤリと笑うサンティアゴ投手。待っています!
「149キロ出る日は必ず来る」。ニヤリと笑うサンティアゴ投手。待っています!

これからスピードも上がっていく?「しっかり遠投をして肩を作って(体も)鍛えていけば、もっと上げられると思います」。149キロの表示が一度出たんですけど、あれは打球速度かなと思って尋ねてみたら、ニヤッと笑ったマリオさん。「きょうのは(打球か投球か)どっちかわかりませんが、149という数字を出せる日は必ず来ると思っています!」。かっこいいフレーズで締めくくってくれました。

久保投手コーチは、サンティアゴ投手について「力強くリリース、をテーマにしていた。“リリースしたあとリバース”を意識して取り組んでいます。つまり“強く叩いて戻る”ということ。ちょっと、大事にいこうとするのが鈍さにつながってしまっていたので、強さを出すためにね。そうすると腕が強く、速く振れるようになる」と話しています。この取り組みは順調に進んでいるようですね。

こちらはいつでも準備OK

加藤投手はもう準備万端ですので、いつでもどうぞ。
加藤投手はもう準備万端ですので、いつでもどうぞ。

そのサンティアゴ投手をリリーフした加藤投手。7回1死一塁という場面での登板で、これは「ランナーがいてもいなくても、岩崎のところで行くと言われていた」だそうです。「1軍でもランナーを背負って出ることも多いですからね。そういうところでの左バッターをいかに抑えるか、でしょう」。2つ暴投があったものの、2つ目は梅野選手がミットに当てていますし。当の岩崎選手を空振りに切って取るなど無失点で終えたことが大事でしょう。

5月31日の中日戦(蒲郡)では2イニングを投げてパーフェクト、その1週間前には連投もこなしました。そろそろ1軍で救援する加藤投手を見たいですねえ。「こちらは準備OKです。あとは必要とされるかどうか、というところですね」。スタンバイは完了しています。(というような記事を書くと、その選手が遠からず昇格している気がするので、あえて書きましょう)。いつでも呼んでください!

期待が大きい、うしろの2枚

力まずに出た145キロ。それがよかったと話す玉置投手です。
力まずに出た145キロ。それがよかったと話す玉置投手です。

玉置投手はアウト3つをすべて空振り三振で取っています。決め球は彼の代名詞であるチェンジアップかと思ったら、全部スライダーだったそうで。それと真っすぐの球速。2球で145キロが出ました!いや、ビックリマークをつけるって失礼かもしれませんけど…。すると「僕も久しぶり」と玉置投手。やっぱり(笑)。「スピードがすべてじゃないですけど、力んで投げたわけではないのに出たのはよかった」

東大阪でお会いした玉置投手のお兄さん夫妻。この日は結果が悪くて…今ごろに。
東大阪でお会いした玉置投手のお兄さん夫妻。この日は結果が悪くて…今ごろに。

5月10日のオリックス戦(東大阪)で2イニングを投げた時に、5安打3四球で5失点と打ち込まれた玉置投手はそのあと少し戦列を離れ、5月27日からゲームに戻っています。そのあとは、きのうまで4試合に投げて無死点。修正したのは「右足を使えていなかった。ちょっとしたことなんですけど」だとか。そして「レベルアップができました。もとに戻すだけでは意味がないので」と言っています。スライダーのキレもよくなった?「と思います」

「不満だらけ」と、全体的なレベルアップを誓う小嶋投手。
「不満だらけ」と、全体的なレベルアップを誓う小嶋投手。

次に「0点は0点ですが…不満だらけですねえ」という小嶋投手。味方のエラーからヒット、2死後に四球で満塁になってしまいましたしね。それでも無死点ですが「ボール、ボールから入ったり、全体的に納得できるボールがいっていない」と言います。「調子が良くないので、何とか上げていきたいんですけど。少し前に比べると真っすぐも変化球も、キレ、スピード、コントロールも落ちてきていると思う。全体的に上げていかないと」。新潟、福岡と続く遠征で上向いてくるよう祈っています。

公式戦4年ぶりの三塁打!

豪快な三塁打を放った原口選手は「打った瞬間」と言うので、入ったと思った?と聞こうとしたら「レフト定位置のフライだと思った!」と続けました。あら、そうなんだ。「風に乗ったんですよ」。風はサンタ―方向に吹いていたような。「スピンがかかって、うまく風に乗ったと思います。あ~練習しといてよかった!」。いつでも練習しているじゃないですか。でも新潟には今年もきっとご両親がいらっしゃるので、その前に打ててよかったということでしょう。

原口選手が「男前でしょう?」という、帝京の先輩・広島の松本高明マネージャーと。
原口選手が「男前でしょう?」という、帝京の先輩・広島の松本高明マネージャーと。

三塁打は珍しいかな?「フェニックスであった。ケガした日」。さらっと言いますが、嫌な記憶の中に残っているわけですね。昨年10月18日、みやざきフェニックスリーグの巨人戦で確かに三塁打を放った原口選手。そのあとのヒットで出て、執拗な牽制球に何度も帰塁したとき右肩を痛めたのでした。好調だっただけに残念でならなかった離脱です。三塁打のおかげであの悔しさまで思い出しちゃいましたね。

原口選手の三塁打は、ウエスタン公式戦で2011年に2本あるので4年ぶりということになります。今回の三塁打は余裕があったのか「スタンディングトリプル~」と笑っていました。そう言いながら「きょうは疲れたあ!一生懸命走ったから」と。お疲れ様です。

きつさに慣れてきた?植田

「新潟?初めてです。あっち方面は行ってない」と植田選手。福井までは行きましたね。
「新潟?初めてです。あっち方面は行ってない」と植田選手。福井までは行きましたね。

5月30日の中日戦(ナゴヤ)以来3試合ぶりのフル出場で、その試合と同じくマルチヒットだった植田選手は、打撃は好調かと聞かれ「めっちゃ調子いいってわけじゃないんですけど。なんでですかねえ。フォームとか変えたわけでもないし」と首をかしげるばかり。でも「ちょっと上がってきたかなという感じはあります」とのこと。慣れてきたからかな?「慣れて…うーん。確かにずっとやってきて5月は体がきつかったですね。それが、ちょっとマシになっていた感じ」。とはいえ今でもきついみたいで、マシになったと思えるのはきっと慣れたってことでしょう。

最後にオマケで北條選手です。5回の先制点は北條選手の打球がセカンドのエラーを誘って入ったものですが、公式記録員さんによれば「この場合は打点になります」とのこと。三塁ランナーの植田選手のスタートもよかったですしね。打点、と言いかけたら北條選手は「つかへんでしょ」と首を振るので事情説明。すると「エラーでもつくんすか?マジっすか?やったー!」と大喜び。さらに「それやったら、いっそヒットにしてくれてもいいのに」ですって(笑)。そこまでは無理です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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