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灯油高騰、約3年9か月ぶり いつから寒くなる? 

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
灯油小売価格は18リットルあたり1,700円(全国平均)を超えた。(ペイレスイメージズ/アフロ)

この冬は家計が苦しい?

灯油価格が約3年9か月ぶりに高くなっている。暖房目安は平均気温10度以下だが、例年に比べ秋の深まりは遅くなりそうだ。

灯油価格が高騰

 資源エネルギー庁が今月11日に発表した給油所小売価格調査によると、灯油18リットルあたりの小売価格は全国平均で1,751円と約3年9か月ぶりの高値となりました。2004年4月以降(消費税込)の灯油価格をみると、

灯油小売価格の推移グラフ(全国平均:18リットル,2004年4月-2018年10月,著者作成)
灯油小売価格の推移グラフ(全国平均:18リットル,2004年4月-2018年10月,著者作成)

 2008年に2,300円台まで高騰し、いったんは価格が下がったものの、2014年には再び、1,900円台まで値上がりしました。今回はこれ以来の高値です。今後、さらに価格が上昇すれば、家計に大きな負担となるでしょう。

暖房目安は平均気温10度以下

 どのくらい寒くなると暖房が欲しくなるのでしょう?

一般に、日平均気温が10度以下になると暖房が必要とされています。平均気温が10度というと、最高気温は15度くらい、最低気温は5度から6度くらいです。

 東京でいえば11月下旬頃の気温が暖房の目安です。つい先日まで、いつまで真夏日?と話題になっていたのに、もう暖房が気になるとは。秋の快適な時期は意外と短いものです。

秋の深まりは早い?遅い?

 12日(金)は西日本でこの秋一番の冷え込みとなり、鹿児島県の山間部でも朝の気温が10度を下回りました。また、北海道の山間部では来週16日(火)から17日(水)にかけて雪が降る予想もあります。

 こちらはこの先1か月(10月13日から11月9日まで)の平均気温が平年値を下回る確率をみたものです。

平均気温が平年値以下となる確率を主要都市でまとめた表(10月13日-11月9日,著者作成)
平均気温が平年値以下となる確率を主要都市でまとめた表(10月13日-11月9日,著者作成)

 札幌は暖房期間に入るものの、平年より寒くなる確率は27%です。そのほかの各地も40%から50%程度で、暦通りに秋が深まる可能性は今のところ、高くはないようです。

 そういえば、昨年は11月から急に寒くなり、西日本は32年ぶりの寒冬になりました。灯油高騰の折、今年の冬はマイルドな冬になってほしいものです。

【参考資料】

気象庁ホームページ:各種予測資料(1か月予報)

資源エネルギー庁ホームページ:給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油),2018年10月11日(木)結果詳細版

資源エネルギー庁ホームページ:給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油),調査結果一覧

札幌管区気象台:雪に関する北海道地方気象情報 第1号,2018年10月12日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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