Yahoo!ニュース

お茶のプロが選ぶ和菓子の名店「田園調布 あけぼの菓子舗」!ここでしか手に入らない絶品和菓子をご紹介

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター
抹茶にぴったり!田園調布「あけぼの菓子舗」の和菓子

わざわざ和菓子を買うためだけに足しげく通うお店が田園調布にあります。

行くたびにその季節の和菓子に巡り合えるお店。

抹茶のために作られている和菓子であることがわかる、ほどよい甘さと大きさ。

都内で一番のお気に入りのお店「あけぼの菓子舗」をご紹介します。

田園調布の和菓子の名店「あけぼの菓子舗」

東急東横線・東急目黒線の田園調布駅の改札を出て右に曲がり、駅から徒歩1分。

商店街を下るとすぐ左にそのお店はあります。

田園調布の駅のすぐ近くにある「あけぼの菓子舗」の外観。
田園調布の駅のすぐ近くにある「あけぼの菓子舗」の外観。

偶然通りかかり、和菓子を買って食べたところ「これは!」とそのクオリティに驚いたのが数年前。

それからずっと足しげく通っています。

店内のショーケースには和菓子がずらり!上生菓子、半生菓子、普段使いの和菓子まで幅広く揃う。(10月下旬に訪れた際に撮影)
店内のショーケースには和菓子がずらり!上生菓子、半生菓子、普段使いの和菓子まで幅広く揃う。(10月下旬に訪れた際に撮影)

コの字型のショーケースには上生菓子、半生菓子、大福やお団子など、茶道のお稽古やお茶会にも使えるフォーマルなものから、普段のおやつの時間にカジュアルに楽しめるものまで幅広く、種類も豊富。

焼き菓子のコーナーには贈答用の箱入りのものも種類が豊富。
焼き菓子のコーナーには贈答用の箱入りのものも種類が豊富。

贈答用にぴったりの日持ちする焼き菓子やお煎餅(お煎餅は市販のもの)、特別な日のお祝いの和菓子(予約が必要)まで揃っています。

壁際のショーケースにはお煎餅や羊羹などが並んでいて、予約が必要なお祝い菓子のサンプルも見ることができる。
壁際のショーケースにはお煎餅や羊羹などが並んでいて、予約が必要なお祝い菓子のサンプルも見ることができる。

平日も休日も、どの時間帯に行っても、お客さんはひっきりなしに訪れていて、地元で愛される名店であることがわかります。

茶道の先生と思しき人が上生菓子を選んでいたり、贈答用に箱入りのセットを注文する人、おやつにとあんみつやお団子を買う人、皆それぞれ楽しそうに和菓子を選んでいる姿が見られます。

奥には数は少ないですが喫茶スペースもあり、抹茶や煎茶と上生菓子のセットやあんみつ、夏はかき氷もあります。

このような和菓子屋さんはなかなか稀有な存在です。

近くなくても電車を乗り継いで通うくらいのイチオシの和菓子屋さん。

どうしてそこまで魅力的なのか?

私が思う「あけぼの菓子舗」さんのここがすごい!と感じる点をいくつかあげてみます。

「あけぼの菓子舗」のここがすごい!

餡は自家製で丁寧に作られている

餡が自家製って当たり前では?と思う方もいるかもしれません。

でも実は和菓子屋さんで餡を一から丁寧に、つぶあん、こしあん、白あん、と全て自家製で作っているところは意外と少ないと聞いたことがあります。

餡は製餡会社に任せて、練り切りなど上生菓子の成形やどら焼きの皮を焼くなどを主にお店でするという和菓子屋さんの方がもしかしたら多いのかもしれません。

職人を多く抱える大きなお店は全て店内で可能かもしれませんが、小規模なお店ではなかなか大変。

それだけ、原料の豆から用意して餡を自家製で作るのは手間も時間も労力もかかる仕事なのです。

この札がショーケースにある時は餡を購入することが可能。お汁粉やぜんざいにしたり、白玉にトッピングしたりしてお家で楽しめる。
この札がショーケースにある時は餡を購入することが可能。お汁粉やぜんざいにしたり、白玉にトッピングしたりしてお家で楽しめる。

和菓子作りを製菓学校で学んだ友人の話では、餡はとにかく力仕事で、鍋に入れたら常に混ぜていなければならず、できあがりの感覚も職人の勘で見極めるため目も手も離せない、と聞いたことがあります。

その年収穫された最も出来の良い北海道産小豆を厳選して納得できるものだけを使用」とある通り、本当に餡がおいしい!

10月から11月半ばまでの菊の練り切り(上生菓子は1個400円)。中はこしあんで練り切りの生地も柔らかく品の良い甘さ。抹茶にとてもよく合います。
10月から11月半ばまでの菊の練り切り(上生菓子は1個400円)。中はこしあんで練り切りの生地も柔らかく品の良い甘さ。抹茶にとてもよく合います。

餡がおいしいから、全ての和菓子にその餡が活かされて、さらにおいしい!

和菓子の味を決める一番重要な餡から丁寧さがしっかりと感じられるのです。

上生菓子のデザインが品よくかわいい

茶道や抹茶に合わせる上生菓子を置いてあるお店は、実は都内のデパートで探してもそれほど多くありません。

賞味期限は短く、1つ1つが細かい手作業で手間がかかるからだと思われます。

しかし、あけぼの菓子舗では行くたびに豊富な種類の上生菓子に出会えます

10月下旬の上生菓子。左上の「栗」は中に自家製の栗餡が入っていて、この時期だけの特別な味わいが楽しめます。
10月下旬の上生菓子。左上の「栗」は中に自家製の栗餡が入っていて、この時期だけの特別な味わいが楽しめます。

デザインはかわいすぎず、ちょうどいい絶妙な上品さ。

お茶席のために抹茶に合うように作られているのがわかります。

ショーケースの上段には上生菓子が。「はさみ菊」は和菓子用の小さいハサミを使って形を作る職人技の光るもの。ショーケースの下の段には栗きんとんや栗蒸し羊羹などカジュアルな和菓子が並ぶ(11月中旬に撮影)。
ショーケースの上段には上生菓子が。「はさみ菊」は和菓子用の小さいハサミを使って形を作る職人技の光るもの。ショーケースの下の段には栗きんとんや栗蒸し羊羹などカジュアルな和菓子が並ぶ(11月中旬に撮影)。

求肥を使った上生菓子もとろけるようなやわらかさで、中の白餡も甘さ控えめでとてもおいしいです。

白餡を求肥(ぎゅうひ)で包んだ「白菊」。求肥はとても柔らかくとろけるよう(卵白を含む「雪平(せっぺい)」生地かと思われる)。求肥を使った和菓子もおすすめです。
白餡を求肥(ぎゅうひ)で包んだ「白菊」。求肥はとても柔らかくとろけるよう(卵白を含む「雪平(せっぺい)」生地かと思われる)。求肥を使った和菓子もおすすめです。

季節の花や果実、風景を模したデザインで、和菓子から季節を感じます

柿の実を模した「木守り」は外は羊羹生地で中はこしあん。
柿の実を模した「木守り」は外は羊羹生地で中はこしあん。

10月末のハロウィンにはかわいい練り切りのお化けやかぼちゃも登場していました!

ベレー帽をかぶったかわいいお化けの練り切り。食べるのがもったいないくらいかわいい!
ベレー帽をかぶったかわいいお化けの練り切り。食べるのがもったいないくらいかわいい!

こんなかわいいお化け、食べられない~!と言いながら、おいしくいただきました。

なんだかお洒落なかぼちゃ。かぼちゃに付いているのはリボンではなくコウモリ!こういう遊び心がたまりません!
なんだかお洒落なかぼちゃ。かぼちゃに付いているのはリボンではなくコウモリ!こういう遊び心がたまりません!

遊び心溢れるかわいい和菓子なら、小さいお子様も見て楽しめますね。

もちろん大人も笑顔になります!

カジュアルな和菓子もおいしい

カジュアルな大福やお団子も丁寧に作られていて素材の良さを感じます。

ショーケースの下の段にはカジュアルな栗蒸し羊羹や芋きんつばなどが並ぶ。蒸し饅頭である利休饅頭や薯蕷饅頭は茶道のお茶席にも使われる。写真にはないがお団子もある。(11月中旬撮影)
ショーケースの下の段にはカジュアルな栗蒸し羊羹や芋きんつばなどが並ぶ。蒸し饅頭である利休饅頭や薯蕷饅頭は茶道のお茶席にも使われる。写真にはないがお団子もある。(11月中旬撮影)

薯蕷饅頭は皮はしっとりとして中のこしあんもなめらかでおいしく、お気に入りの一つです。

あんみつも季節を問わず人気の定番商品。茶道では11月の「炉開き」に「亥の子餅」をいただく風習がある。
あんみつも季節を問わず人気の定番商品。茶道では11月の「炉開き」に「亥の子餅」をいただく風習がある。

他にも、葛で固めた抹茶プリンもあり、毎回どれにしようか迷ってしまう品ぞろえです。

茶道では11月の「炉開き」でいただく「亥の子餅」も、あけぼの菓子舗さんではちょっとかわいく紅葉の葉っぱ付き。

イノシシの子、瓜坊が野山を駆け回って背中に紅葉が付いているのかな?などと想像すると自然と笑顔に。

11月の茶席菓子「亥の子餅」。中に栗が入っていて秋を感じる餅菓子です。この時期だけの和菓子なので毎年楽しみにしています。
11月の茶席菓子「亥の子餅」。中に栗が入っていて秋を感じる餅菓子です。この時期だけの和菓子なので毎年楽しみにしています。

「粒あんを練り込んだ求肥で一粒栗と白餡を包みました」とあり、中に栗が入っている亥の子餅は珍しく、これもまた絶品

この時期だけのお楽しみ!です。

どれも、素材の良さ、質の高さを感じる味です。

珍しい「半生菓子」も自家製

珍しい「半生菓子」も季節のものが店頭に並んでいます。

和菓子屋さんで半生菓子を置いているお店は多くなく、自家製でこれだけのラインナップがあるのはすごいことです。

上段にあるのが「半生菓子」。こちらも茶道のお茶席に使われる。贈答用は箱入り。(11月中旬に撮影)
上段にあるのが「半生菓子」。こちらも茶道のお茶席に使われる。贈答用は箱入り。(11月中旬に撮影)

ハロウィンにはハロウィンデザインの半生菓子もありました。

半生菓子2個入もあり、少しだけ欲しい時はこちらを購入(10月末に撮影)。半生菓子もおいしい。
半生菓子2個入もあり、少しだけ欲しい時はこちらを購入(10月末に撮影)。半生菓子もおいしい。

こちらの半生菓子も抹茶によく合います。

ハロウィンの半生菓子もかわいいです。

半生菓子は琥珀糖など寒天を使ったものや、餅粉を使ったもの、マシュマロ生地のようなもの、餡子を使ったものなど、様々です。

1つ1つがしっかり甘さがあるので、抹茶によく合います。

これだけの種類を作るのは大変ではと思いますが、いつ訪れても店頭に並んでいるのは素晴らしいこと。

どのジャンルの和菓子も選ぶ楽しみがあるお店です。

田園調布に立ち寄ったらぜひ「あけぼの菓子舗」へ

このように、自家製の餡や質の高い素材を使い、クオリティが高いのにリーズナブルな和菓子のあるお店は本当に貴重な存在です。

ハレ(お祝いなど特別な日)とケ(日常)の両方の和菓子が豊富にそろい、何を食べてもおいしい!

接客も丁寧で、訪れるたびに笑顔になる、また買いに来たくなる、街の名店です。

田園調布に立ち寄る機会があったら、ぜひ「あけぼの菓子舗」さんへ行ってみてくださいね。

【あけぼの菓子舗】

所在地:〒145-0071
東京都大田区田園調布2-51-8

東急東横線・東急目黒線「田園調布駅」より徒歩1分

TEL: 03-3721-8886

FAX: 03-3721-3433

営業時間: 9:00~18:30

定休日: 日曜

あけぼの菓子舗ホームページ(外部サイト)

あけぼの菓子舗インスタグラム(外部サイト)

インスタグラムには和菓子を作っている動画や製造工程が投稿されていたりと、見ているだけでも興味深いです。

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。 美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。 日本茶の商品開発、カフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導も行う。 NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。 日本語教師(外国人対象)。

日本茶ナビゲーター Tomokoの最近の記事