婚活前に参考にしたいのに、業者によって計算方法が違う! 結婚相談所の成婚率のカラクリとは
成婚率24.2%のパートナーエージェントが東証マザーズに上場
27日に東証マザーズに、「婚活」支援サービスのパートナーエージェントが新規株式公開(IPO)しました。
初日は値がつかず、上場2日目の28日午前、公開価格の1260円に対し約3.17倍の4000円が初値でついたそうです。
パートナーエージェントとは、結婚相談所を運営する結婚情報サービス業者です。
27日には佐藤茂社長らが東京証券取引所で上場会見を行い、自社の強みについて語られました。
なぜか2通りの計算方法がある、結婚相談業界の成婚率
さて、成婚率をもとに結婚相談所を検討なり検索したことなりある方の中には、「???」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうです。検索すると、50%を超える成婚率をうたっている結婚相談所や仲人は、たくさん存在するのです。
じゃ、なぜ佐藤社長は「成婚率が24.2%と高い」と断言したのでしょうか?
実は、結婚相談業界の成婚率には2通りの計算方法があるんです。
【1】多くの方がイメージする通りの計算方法
成婚者数÷登録会員数
佐藤社長が言う業界大手の10%程度や、パートナーエージェントの24.2%は、「在籍会員からの成婚率」というだけに、これにあたります。
在籍会員が100人いて、24人が成婚したら、成婚率24%になります。
【2】結婚相談所で多く使われる計算方法
成婚者数÷退会会員数
結婚相談所を辞める人の中で何%が成婚で辞めるのか、を算出しています。
10人が退会する中で5人が成婚で辞めたら、成婚率は50%です。
でも、もし同じ相談所で在籍会員が100人いたとして、10人が辞めてその中の5人が成婚退会なのだとしたら、【1】の考え方だと成婚率は5%になります。
極端に減りましたね。
分母の桁が違うのですから、結果が桁から違ってきて、当たり前です。
結婚相談所を比較検討する際には・・・
結婚相談業界では成婚率を把握できないシステムで運営しているところもあるので、厳密には成婚率の平均を算出することは不可能でしょう。
佐藤社長は業界大手の成婚率を「10%程度にとどまる」とおっしゃいましたが、実際には10%以下といわれていますし、結婚相談所以外の様々な婚活システムの成婚率も加味すると、成婚率は3~5%という説もあります。
さらに、成婚率に関する2つの計算方法が存在している・・・。
成婚率は消費者である結婚希望者が最も頼りにしたいデータであるにもかかわらず、現時点では、実に不鮮明で不明瞭なのです。
だからこそ今回、上場企業となったパートナーエージェントの佐藤社長が「在籍会員からの成婚率」と成婚率に関して一定の指針を示したことは、結婚相談業界にとって、とても大きい意味があると私は考えます。
【2】のように限られた少ない分母ではなく、【1】のように在籍会員を分母として計算する方法を業界のスタンダードにしていけば、相談所によって違い(差)も出やすいですし、消費者である結婚希望者も比較検討しやすくなるのではないでしょうか。
結婚を希望され、成婚率を参考に結婚相談所を検討される方は、成婚率には2通りの計算方法があることを、まずは知っておいてください。
そして、結婚相談所での婚活を検討される場合には、「この成婚率は退会会員が分母ですか? 在籍会員が分母ですか?」と聞くなど、成婚率の計算方法を確認されてから比較検討することをオススメします。