教職員の悩み ~過労死ライン超え~
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、「教職員の悩み」というタイトルでお話したいと思います。
私は、小学校と中学校と適応指導教室の3か所で、6年半、スクールカウンセラーとして勤務したことがあります。正直、スクールカウンセラーになる前は、教職員という連中は、社会常識のないふざけた連中だと思っていました。
というのは、私は、スクールカウンセラーになる前に、講演会講師として、いろんな学校へ講演会に行ったことがあるのですが、そのとき、教職員の方々は、本当によく居眠りをこいていたからです。
私が一生懸命に喋っているのに、私の目の前でグウグウ寝ている教職員が本当に多く、私は正直、呆れ返っていました。私の話がつまらなくて、つい寝てしまうのなら、まだわかるのですが、保護者や生徒が誰も寝ていないのに、毎回、教職員ばかりが寝ているのです。
でも、その理由、教員が居眠りする理由は、私がスクールカウンセラーとして学校に赴任するようになってから、はじめて知ることとなります。
学校に入ってみて、1番驚いたことは、
先生方が非常に忙しく、当たり前のようにサービス残業をしているという事実でした。
厚生労働省が2018年10月30日に発表した「過労死等防止対策白書」より明らかになったのですが、教職員の平均実勤務時間は、1日11時間17分とのことです。ビックリですよね。
朝7時か7時半ぐらいに学校に行って、帰りは、大体8時か9時です。用事がある時は、夕方の6時頃に帰るので、それで平日の平均勤務時間が11時間17分になるという計算です。
さらに学校の先生は、部活動をやっていることが多いので、休日出勤は当たり前です。そう考えると、「1カ月、一体どのくらい働いているのか?」と思います。
ハッキリ言って、ほとんど教職員は、慢性的な睡眠不足に陥っていると言えます。
だから、私の講演会で、寝てしまうのも無理ないと思います。
私は、スクールカウンセラー時代、生徒の相談、保護者の相談、教職員の相談、本当に3分の1ずつ受けていたのですが、教職員の悩みは、主にふたつでした。
ひとつめ、長時間労働です。
もうひとつは、人間関係です。
学校の先生は、自分のプライベートがなくなるほど長時間労働をしているので、本当に大変だなあと思いました。そして、人間関係は、対生徒、対保護者、対教職員と3つあり、これまた本当に大変だなあと思いました。
しかも、学校の先生は、仕事をどれだけ頑張っても、給与面には全く反映されはしません。給料が増える訳でもボーナスが増える訳でもないのです。頑張っても頑張らなくても、貰えるお金は同じ。隣の机に座っている先輩がどれだけ仕事をサボっていたとしても、先に入った先輩のほうが給料が多い…、という状況はずっと変わりません。
当時の私は、「よくやってるなあ。私ならきっと。思い切りサボっちゃうだろうなあ」と思っていたのですが…、
私はスクールカウンセラー時代、幾人かの先生に、ズバリ聞いたことがあります。「どこから、仕事を頑張ろうとするモチベーションが沸きあがってくるのですか?」と…。
そうしたら、どの先生も、「やっぱり子どもが好きということと、教えることが好きということかなあ」と答えられました。なるほどです。
先生という職業は、子どもの成長に携わることができるので、それがきっと大いなる喜びなのでしょうね。「公務員で給料が安定しているので、先生という仕事を選んだ」とおっしゃる人には、とても務まらない仕事だと思います。「子どもが好き、教えることが好き」じゃないと、とてもやってられないと思います。
あとですね。私は、スクールカウンセラーとして学校に入る前は、「先生というのは、子どもに勉強を教えるのが仕事だ」と思っていたのですが、それはほんの一部で、先生方には、その他にたくさんの仕事があるのですね。それも大変に驚いた事実です。
私は、スクールカウンセラーという仕事をやってみて、しみじみ「これからは学校の先生に無理を言うのはやめよう。日本政府に、『学校の先生方にもっとたくさんのお給料と、もっとたくさんのプライベート時間をあげてください』と、働きかけよう」と思いました。
「学校の先生は世間知らずだ!」という声を聴くことがあるのですが、「学校の先生は、大変に忙しく、学校の外を見る暇などないので、ある意味、仕方がないです。どうぞ皆さんも、学校の先生に対して、寛容な目で見守り、温かく応援し続けてあげて下さいね」と私は言いたいです。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。