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体重オーバーでIBFスーパーフェザー級タイトルを失ったジョセフ・ディアズ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
試合のポスターより。左が王者ディアズ、右が挑戦者のラヒモフであった筈だが。

 本日行われる予定だったIBFスーパーフェザー級王者のジョセフ・ディアズvs.挑戦者シャフカッツ・ラヒモフ戦だが、王者が体重オーバーでタイトルを剥奪された。130パウンドに落とさねばならないところを、133.6パウンドの身体しか作れなかったのだ。

 31勝(15KO)1敗のディアズ(28)は、2018年5月19日にゲーリー・ラッセル・ジュニアの持つWBCフェザー級タイトルに挑んだが判定負け。これがキャリア唯一の黒星である。その3カ月後、彼にはWBA同級タイトル挑戦の舞台が用意されたが、フェザー級の体を作れず、0.6パウンドオーバーしてしまう。つまり今回が、世界戦における2度目のウエイトオーバーなのだ。

 2018年のWBA フェザー級タイトル戦も試合自体は行われたが、王座の移動無しという条件での珍ファイトとなりディアズは自らの商品価値を著しく下げた。

 とはいえ、ディアズは2012年ロンドン五輪の代表選手である。救いの手を差し伸べる関係者が幾人もいた。昨年1月30日にIBFスーパーフェザー級タイトルを獲得し、今回が初防衛戦となる筈だった。

 その王者と対峙するタジキスタン生まれの26歳、ラヒモフは15戦全勝12KO。ロシアでキャリアを積んできた挑戦者は、数時間後の米国デビューを心待にしていた。フットワークと左ストレートが武器だ。

 4年弱前にディアズを下し、現在もWBCフェザー級タイトルを保持するゲーリー・ラッセル・ジュニアは言っていた。

 「俺はディアズが防衛すると見る。アマチュアで積んだヤツの経験、メンタルの強さがアドバンテージになるよ。ディアズは130パウンドなら誰にだって勝てると思う」

 試合はラヒモフが勝った場合は王座に就くルールで決行される。しかし、今後のディアズにチャンスを与える人間はいるのか?

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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