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リーグトップに並ぶ、横田慎太郎の7号ソロで引き分け《6/14 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
豪快なアーチを放つ横田選手ですが、実はとても几帳面。試合前のベンチもこのように。

14日、阪神ファームは広島県三原市の“やまみ三原市民球場”での広島戦でした。マツダスタジアムで連敗して貯金を使い果たしたのですが、この日は2対2の引き分け。なんとか借金はせずに3カード続いた遠征を終えられたわけです。それにしても3連戦でのスコアが2-6、2-7、2-2と、見事に2得点ずつ!何なのでしょうね、これは。今季公式戦初顔合わせの広島3連戦(3月27日~29日・由宇)が、0-2、2-0、2-2で1勝1敗1分けだったのをチラッと思い出しました。

前の記事でも書いたように、島本投手と歳内投手が1軍に呼ばれて13日の夜に帰阪。島本投手は14日ウエスタン・広島戦で先発するため、12日の夜に広島入りしたばかりでした。そこで急きょ14日の先発マウンドに上がったのは山本投手。2点を失ったものの自責は0で5回までと、役割を果たしています。なお広島の2点はエラーと内野ゴロで、こちらも最初が相手エラーによるものだったのですが、7回に横田選手の第7号ソロで追いついての引き分け。

教えてもらった試合経過と、山本投手と横田選手の短いコメント、そして前日との合わせ技で緒方選手の話をご紹介します。

《ウエスタン公式戦》6月14日

広島-阪神 15回戦 (やまみ三原)

阪神 000 001 100 = 2

広島 100 100 000 = 2 

※9回引き分け

◆バッテリー

【阪神】山本-二神-玉置 / 小宮山

【広島】小野(6回2/3)-河内(1/3回)-今村(1回)-永川(1回) / 磯村-白濱(9回表)

◆本塁打 横田7号ソロ(小野)

◆二塁打 緒方

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]右:緒方  (4-1-0 / 1-0 / 1 / 0) .230

2]左:田上  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .250

3]遊:北條  (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .238

4]一:中谷  (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .296

5]二:森越  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 1) .292

6]中:横田  (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .201

7]捕:小宮山 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .260

8]指:清水  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .200

〃打指:原口 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .220

9]三:西田  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .188

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

山本 5回 78球 (5-2-3 / 2-0 / 0.92)

二神 2回 28球 (2-1-0 / 0-0 / 2.50)

玉置 2回 26球 (0-2-0 / 0-0 / 4.37)

試合経過

阪神の先発・山本は1回、先頭の鈴木将に中前打され、続く安部のバント(記録は内野安打)で自身の送球エラー…。鈴木を還してしまい、あっという間に先取点を献上しました。そのあとロサリオへの四球があったものの1点で終了。2回は四球を与えた庄司の盗塁を小宮山が阻止するなど、3人で片づけています。3回は先頭の鈴木将に中前打、安部が送ってロサリオに四球と、1回と同じような展開でしたが無失点。

ところが4回も先頭の美間に右前打と、4イニング連続で先頭打者を出してしまった山本。ここは続く庄司の二ゴロを森越が捕球エラー、無死一、三塁となり、2死後にピッチャー・小野の三ゴロで1点を追加されました。5回は先頭を出していませんが、2死からロサリオにヒットを許しています。でも1回、3回に続いて5番の下水流を打ち取って0点に抑え、予定終了です。

その間の打線は、1回に先頭の緒方がライトへの二塁打を放ち、1死後に三盗を決めたものの後続を断たれて無得点。2回と3回は三者凡退、4回は北條の四球と森越の右前打で2死一三塁と攻めたんですが、横田は二ゴロで北條を還せず。5回は内野ゴロ3つの三者凡退と、小野を捉えられません。でもようやく6回、田上と北條に連打で1死一、三塁とし、続く中谷の三ゴロを捕った堂林が送球エラー。1点を返しました。

そして7回、ここまで小野に対して2打席連続で二ゴロだった先頭の横田が、ライトへ豪快な同点ホームラン!2死後に代わった河内から西田も右前打しますが、この回は1点止まり。8回は今村に対して、これまた2死から中谷が右前打。次に何球も何球もファウルで粘った森越だったけれど三振。9回は永川にわずか4球で三者凡退に斬って取られ、この時点で勝ちはなくなっています。

山本のあとは、まず二神が6回に1死から庄司と磯村の連打を許すも、小野の併殺打で無失点。7回は3人で片づけました。最後は玉置が8回と9回をパーフェクトに抑えて試合終了!9回1死からは天谷、岩本と続いた代打陣を連続三振に仕留める、見事な締めだったとか。9回引き分けとなり、3連戦3連敗と借金は阻止できたわけですね。

先発の山本、締めは玉置

急な先発だった'''山本投手''は、1軍に上がる前の2試合も先発をしていたので、そんなに戸惑いはなかったようです。5イニングを投げ5安打2三振3四球で、毎回ランナーを背負ってのピッチングながら失点は2。それも1回は自身のエラーで還したもの、4回は野手のエラーが絡んだもので自責点は0。急な先発だったけど、どうでしたか?と聞いたら「よかったです」という簡潔明瞭な答えが返ってきました。

また新たに「0」を積み重ねていく玉置投手。信頼を取り戻すために―
また新たに「0」を積み重ねていく玉置投手。信頼を取り戻すために―

玉置投手が2イニングを投げたのは、5点を失った5月10日以来のことですね。きのう14日は2奪三振などでピシャリ!これで、時間を置いて戻ってきた5月27日から7試合連続無失点となりました。7試合で7回2/3を投げて2安打11三振1四球。ずっと点を取られていなかった2011年から2012年にかけての頃が思い出されます。あの時は21試合連続無失点で、やはり三振奪取率がすごかったような記憶がありますね。どうでしょう?そろそろ。って誰に言っているんでしょ。

意外に?几帳面な横田

貴重な同点ホームランを放った横田選手は、いい当たりだった?の問いに「よかったですよ~!」という返事。打ったのは「ツーシーム、インコースでした」とのことです。これで北條選手とソフトバンクの猪本選手に並んで、ウエスタン・リーグトップの第7号!ルーキーイヤーだった昨年の6本を超えました。昨年は第1号が8月ですもんね。それでも、やっぱり「盗塁したいですねー!」と言っていましたよ。盗塁のリーグ1位はソフトバンクの釜元選手で10個、2位タイが横田選手とソフトバンク・牧原選手の7個。十分に射程圏内でしょう。

バッティング用手袋やリストバンドも整然と並べてあり、自分でも満足そうでした。
バッティング用手袋やリストバンドも整然と並べてあり、自分でも満足そうでした。
もちろんグラブもきちんと。横田選手の用具はどこかにピンクが入っていますね。
もちろんグラブもきちんと。横田選手の用具はどこかにピンクが入っていますね。
オマケで北條選手のグラブ。横田選手いわく「ファミリーマート」だそうで…
オマケで北條選手のグラブ。横田選手いわく「ファミリーマート」だそうで…

なおタイトル画像と、この本文中の写真は、13日のマツダスタジアムで試合前練習中に撮ったものです。鳴尾浜や他球場のベンチでは大きいテーブルもないし、椅子を広々と使えないので気づかなかったのですが、横田選手はユニホームや手袋などを見事に並べています。自分の部屋か~ってくらいでしょう?汗をぬぐったタオルも椅子の背にキチンとかけ、帽子やグラブの配置も絶妙。感心していたら「僕、几帳面なんですよ」と少しドヤ顔(笑)。いや~意外でしたねえ。

バットは2本ずつ2種類あって、色の薄い方が今まで使っていて今は練習用にしている、1つ前のタイプ。濃い方が新しく作ってもらって、今は試合で使っているものです。変えたのは最近で、変わったところは「重さとグリップの太さ」だとか。ただし「ちょっと軽くなって、ちょっと太くなった」としか教えてもらっていないので、詳しくはわかりません。見た目でのも判別は難しかったですね。もちろん本人には違いが分かっていましたけど。

真っすぐ勝負大好き!緒方

次に緒方選手で、まず13日のマツダスタジアムでの話からご紹介します。10日のソフトバンク・東浜投手に続いて、13日には同じく亜細亜大学出身の広島・薮田投手から初回に右前打して「亜細亜打ち!」と笑っていました。大学時代は緒方選手が3年、薮田投手が1年と重なっているものの対戦はなし。薮田投手は故障でほとんど登板していなかったんですね。初対戦は「高めにいい球が来ていましたよ。でも低めは148キロという感じはしなかった」と緒方選手。

また8回に、152キロや150キロの真っすぐばかりを投げてきたデヘスス投手から中前打しました。打ったのは153キロだったと言うと「そんなに?」と驚きつつ「でも真っすぐは好きなんで。あそこでフォークが頭に浮かんだけど、真っすぐで来てくれてよかったです。真っすぐで勝負してくれるの大好き」と先日と同じコメント。続けて「そのあと変化球が多くなって三振してしまったりしたので、そこが課題ですね」と言っています。

1番打者として「まずチームが乗っていける仕事がしたい」と話す緒方選手。
1番打者として「まずチームが乗っていける仕事がしたい」と話す緒方選手。

“1番で4試合連続の初回安打”

きのう14日の三原では、1番で初回に二塁打!1番で起用された最近の試合(9日と10日のソフトバンク戦、13日と14日の広島戦)で、緒方選手はすべて初回にヒットを放ちました。しかも14日以外は、そのまま先制のホームを踏んだわけで、素晴らしい1番の仕事ですよねえ。「先頭でチームの先陣を切っていくから、いい形を作っていけばチームも乗っていきやすくなると思うので。1番を打たせてもらう限りはチームの勢いをつけられるようにしたい」

真っすぐが好きな緒方選手としては「相手ピッチャーも最初は真っすぐで様子を見てくると思うので、いきやすいってところはラッキーです」と話すように、初回でヒットが出る確率も多少は高いかもしれませんね。「でも上に行ったら変化球でカウントも取られるし、真っすぐが速くて変化球もいいっていうのが1軍。それをどう打つか」。なるほど、一筋縄ではいかないってことでしょう。

ちなみに14日の小野投手から打った初回の二塁打も真っすぐ?と尋ねたら「もちろんです!」と即答でした。次の中日戦(16日~鳴尾浜)では変化球も打っときますか。山本昌投手も投げるみたいですしね。そして今季4つ目となった盗塁は納得の走りだったとか。交流戦明けの1軍昇格に向け「グラウンドに立っている以上、常にチャンスはあるのでしっかり頑張っておきます!」と決意を表す緒方選手でした。

背番号55が、ついに戻ってきます

先月末の楽天戦(甲子園)で元気な姿を見せていた陽川選手。いよいよですね!
先月末の楽天戦(甲子園)で元気な姿を見せていた陽川選手。いよいよですね!

最後に、16日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)から陽川選手が出場します!2月の沖縄キャンプで左肩を亜脱臼して4ヶ月、いよいよ実戦復帰となりました。どんな気持ちかなと聞いてみたところ「今は緊張とかはないですけど、試合になったら多少は緊張すると思います」と陽川選手。でも「楽しみですね!」とのことでした。どういう出方になるかは朝になってみないとわからないみたいですけど、とりあえずヒットが出たら早く楽になるでしょう。皆さんもぜひ、楽しみになさってください。

陽川選手の復帰が近づいてきた5月23日に書いた記事がありますので、よかったら参考にしていただければと思います。こちらからどうぞ。<期待の大砲が戻ってくる!復帰間近となった陽川尚将選手>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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