一度見たら忘れられないユーモアのある和菓子、博多銘菓の二〇加煎餅
博多銘菓の二〇加煎餅(にわかせんぺい)はご存じですか。二〇加煎餅は、にわかせんぺい本舗、東雲堂さんのつくるお煎餅。
サクサクとした軽い食感と、自然な風味が懐かしく、とても美味しいお煎餅です。
一度見たら忘れられないような特徴的なパッケージですが、これは博多仁和加(はかたにわか)から来ています。
にわかとは、俄狂言を略した言葉で、江戸中期、西日本を中心に全国に伝わったとされる芸能です。
博多仁和加はその中でも、お盆の夜に集まった人々が、提灯の両縁をとって目の部分を開けたものをかぶり、軽口や風刺あふれる言葉で人々を笑わせていたものが演劇に変わったもの。
今では博多弁で面白おかしく話しながら、最後に語呂合わせのオチをつけた即興のお笑い郷土演芸として親しまれ、福岡市の無形民俗文化財にも指定されています。
博多仁和加特有の半面をモチーフにした二〇加煎餅は、サイズが大、中、小の三種類あり、他にもコラボ商品などがあります。
まずは一番大きいタイプをご紹介。真っ赤な半面にとぼけた表情の箱が印象的です。
裏はよりレトロ感が増すデザインです。
箱を開けるとお煎餅と一緒に、オレンジ色の紙製の半面が入っていました。半面は、両端にゴムや紐を通して使います。
紙の半面を使わなくとも、大サイズのお煎餅を目のあたりで持つと、同じことができます。博多出身の方や縁のある方は、SNSのアイコンに使ってみると面白いかもしれませんね。
お煎餅自体は、サクサクとした食感と卵の風味豊かな味。とても軽いのであっという間に食べられてしまいます。瓦煎餅のように堅そうに見えますが、簡単に手で割ることができます。
続いてブラック二〇加煎餅。小さな黒いお煎餅が三枚入ったものが三箱入っていて、紙製の黒半面が入っています。
こちらは、黒糖と墨で色付けてありました。
最後にドラえもんバージョン。小さい箱の中に三枚のドラえもん煎餅が入っており、それが四箱と紙製のドラえもん半面が入っていました。
箱の裏には、ドラえもんが博多仁和加の半面をかぶっている絵が描かれていて、芸が細かいです。
ドラえもんの二〇加煎餅は、最初にご紹介した大サイズと同じ味のもの。サクサクしていて優しいお味なので、お子さんのいるご家庭への贈り物に喜ばれそうでした。
インパクトと遊び心のある二〇加煎餅ですが、今年一月に西日本新聞さんの記事で、コロナ禍で苦境になっているという事が報道されました。記事によると、福岡市和菓子組合の有志10社が、博多銘菓をなくすまいと立ち上がり、それぞれのお店の売り場を提供して、二〇加煎餅の販路開拓に協力しているのだそう。
地域を代表するような銘菓には、意外と地元の人が食べていないこともあるものです。理由は様々ですが、もし皆様の地元で、普段は食べないけれども、失くなったら寂しいと思うようなお菓子やお店がありましたら、たまには召し上がってみてくださいね。
二〇加煎餅は東雲堂さんの直営店、九州の販売店などと、公式ホームページからもお取り寄せが可能です。
今回ご紹介したお店
商品
二〇加煎餅 特大3枚入り 1620円(税込)
ブラック二〇加煎餅 518円(税込)
ドラえもん二〇加煎餅 648円(税込)
参考記事(西日本新聞)
二○加煎餅、業者有志が支援 コロナ禍で苦境 山笠仲間ら10社が販売