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「ウソだろ?あのユベントスが4点取られるなんて!」。長友佑都が衝撃のチャンピオンズリーグ決勝を語る。

河治良幸スポーツジャーナリスト
「ユベントスの選手でさえ、ちょっとメンタル的に落ちた」と2失点目を振り返る長友(写真:アフロ)

日本時間の早朝に行われたチャンピオンズリーグリーグ決勝はスペインのレアル・マドリーがイタリアのユベントスに4−1で勝利。大会連覇を果たした。

前日には自らの体験から「堅いというのか、隙が無いですよ。本当にユーベに勝つのは難しいですよ」と語っていたインテル・ミラノ所属の長友佑都だが、日本代表・欧州組合宿の最終日の練習後、その結果に衝撃を受けたことを明かした。

「2日続きの二部練習で起きられなかったです(笑)。ただ時差ぼけがまだあるので、6時ぐらいに起きたら終わってしまっていた。なのでハイライトとかで確認しましたけど、結果を見た時に”ウソだろ?あのユベントスが4点取られるなんて!”そう思いました。サッカーは何でも起こりうるんだなと。あとレアル・マドリーがやばいですね」

そう語る長友に勝負を分けたと見られるレアル・マドリーの2点目について質問した。1−1の同点で迎えた61分に、クリアボールを拾ったMFカゼミーロのゴール30メートル前からのシュートがディフェンスに当たり、方向を変えてゴール隅に突き刺さった。これには世界最高峰のGKブッフォンも反応するのが精一杯で、ボールを弾き返すことができなかった。

「(ボールがディフェンスに)当たって入るという場面ですけど、ユベントスの選手でさえ、ちょっとメンタル的に落ちたというか、ブレたのかなというのは感じますよね。まあ、チャンピオンズリーグ決勝。どんな世界なんでしょうね(笑)。ちょっと僕も想像が付かない」

そうした試合展開のあやにも言及しながら「あとレアル・マドリーがやばいですね」とイタリア王者を圧倒した欧州王者の強さに感嘆する。「そんなレベルなんだろう。僕自身はプレシーズンでしか対戦したことがないので。すごいレベルのチームなんだろうな」。そのレアル・マドリーはエースのクリスティアーノ・ロナウドやベンゼマ、組み立て役のモドリッチやクロースといった選手にスポットが当たりやすいが、長友は同じSBの2人のハイレベルなプレーが王者を支えていることを指摘する。

「両サイドバックのレベルが違う。両サイドバックが全然違うなと思うんですよ。世界(を取るチームは)は本当に両サイドともトップなので」

実際にこの決勝では右SBのカルバハルが正確なクロスで1点目をアシストし、左のマルセロも豊富な運動量と鋭い攻撃参加でユベントスの守備に多大なプレッシャーをかけていた。ユベントスは4バックにも可変できる3バック気味の布陣を敷いていたが、サイドの攻防でもレアル・マドリーに圧し切られてしまった。

ハリルホジッチ監督も”異次元の試合”と表現する欧州いや世界最高峰の戦いに「同じ人間ですけど、まあレベルは違いますよね」と語る長友も「逆に考えると僕らも強豪を相手に、可能性は低いかもしれないけどああいう試合ができる可能性も秘めてるなと。その可能性が1%でも多くなる様に努力するしかない」と前向きに捉える。しかし、結局はそうした舞台に立ってみないと分からないことを強調した。

「CL決勝の緊張感。1試合で全てが決まってしまうという中でのプレッシャーはあの舞台に立った選手しか分からないですよ。普通のリーグ戦とは緊張感が全然違うと思うので。なので僕は何にも言えないですけど。正直違ってると思いますよ」

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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