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1月に畑で七草探すのは難しい!2月にやるのが正解な理由

かーびーファームインタープリター/自然農YouTuber

正月休みも終わり、日常が始まりました。

季節のイベントとして正月の次にあるのが「七草粥」

一年の無病息災を願い、またお正月の豪華な料理で疲れた胃腸を労う意味もあり、春の七草と言われる野草や野菜を入れたお粥を食べるこの風習。

1月7日に行われるというのが一般的だと思うので、うちでも毎年この前後に自分で七草を採取して作って家族で食べています。

(以前は体験イベントとして行ってました。)

今年は1月5日に友人と畑でやりました。私の作る七草雑炊は美味しいらしくみんなどんどんと食べてくれました^ ^
今年は1月5日に友人と畑でやりました。私の作る七草雑炊は美味しいらしくみんなどんどんと食べてくれました^ ^

しかし、いざ採取しようとするとなかなか見つからないものや、いくら探しても見つからないものもあります。

それには理由があるんです。

今回は1月初めに畑や野原などで、七草コンプリートが難しい理由とその代案を書きます。

春の七草、わかりますか?

そもそも春の七草って皆さん言えますか?

ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、セリ、ナズナ

です。

ちなみに、これら↑って正式名称じゃなかったりするがまたややこしい笑

現在の一般的な植物の名前で言うと、

ハハコグサ、ハコベ、コオニタビラコ、カブ、ダイコン、セリ、ナズナ

です。

この名前にするとわかる通り、野菜であるカブとダイコンがあるのでこれは栽培していないと採取できません。

それ以外は自生している野草なので植えていなくても生えている場所を見つけたら採取できます。でも、畑や野原では見つけるのが難しい…ものがあります。

水田に生える草が2つ

いわゆる水田雑草とも言われる、湿った土や湿地に生える草が2つ含まれていてそれがホトケノザ(コオニタビラコ)とセリです。

特にセリに至っては湿地じゃないと生えないので畑では小川や未舗装の水路でもない限り生えてきません。

コオニタビラコは春の水を入れる前の田んぼに生えますが、花が咲いていないと他の草と見分けるのがとても難しいです。

なので、畑で採取する時はこの2つは同じ科の他の植物で代用しています。

ホトケノザ(コオニタビラコ)はキク科の草なので、同じキク科のヨモギやタンポポ、シュンギクなどで代用してます。

セリはセリ科なので、ニンジンやミツバで代用してます。他のセリ科の野菜で言えばパセリやセロリもそうなのでそれらを使うと香り高い七草粥が出来そうですね。洋風アレンジもいいかも。

そもそも時期じゃない

最初の方に1月7日が七草の日と書きましたが、実はこれ『旧暦』の話なんです。

旧暦は毎年少しずつ違うので、調べてみると

2025年は2月4日が旧暦の1月7日で『春七草』となっていました。

(興味ある方は『旧暦カレンダー』を検索してみて下さい。)

そう、本来の春の七草よりも1ヶ月早いんです。

そうすると、まだ生えていない草もあってそれが探しにくい。

地域差もあると思いますが、ウチではゴギョウ(ハハコグサ)がこの時期はまだほとんど生えておらず探すのに一苦労します。

2025年1月7日撮影。↑この白い毛が生えてるみたいな草がゴギョウ(ハハコグサ)…のはず。
2025年1月7日撮影。↑この白い毛が生えてるみたいな草がゴギョウ(ハハコグサ)…のはず。

↑今日探してなんとか見つけたゴギョウですが、花が咲いていないと近縁種のチチコグサと見分けるのが非常に難しい…

ちなみに花が咲くのは4〜5月です。

紛らわしいのが多い

また、外来種のオランダミミナグサも似ていてオランダミミナグサはよく生えているので余計見つけにくいです。

↑指さしてる右のがハハコグサで左のはオランダミミナグサ
↑指さしてる右のがハハコグサで左のはオランダミミナグサ

↑こうして並べると違いもわかりますが、慣れてない人が単体で見ると見分けがつかないようです。

また、ちょっと紛らわしいのがハコベとカラスノエンドウ

左の小さな蕾がついてるのがハコベで右はカラスノエンドウです。

ハコベは今の時期でも花が咲くので白くて小さな10枚(実際はV字になった5枚の花びら)の花びらがついてたらハコベです。

紛らわしいついでに、正式名称がホトケノザという植物もあり、畑にもよく生えているのですが全くの別種でこちらはシソ科で赤紫色の小さな花をつけるのが特徴です。

コオニタビラコはキク科でタンポポににた黄色い花を4〜5月に咲かせます。

楽しくやれば良いと思う

と、色々書きましたが季節のイベントなので楽しんでやれればそれでOKだと私は思います^ ^

本来の七草には選ばれている理由ももちろんあるとは思いますが、上記の理由から自力で探して揃えるのは現代ではかなり難しいので、私がやるような同じ科の植物で代用ルールでやってみてはいかがでしょうか。

ぶっちゃけ言ってしまえば、

ダイコンやカブ、セリ辺りはいいのですが、他の草は正直言ってそんなに美味しいものではないですし、どうしても土臭くなり私はあんまり好きじゃないです笑

でも、妻は友人はその土臭さが良いと言って美味しく食べてます。

体が必要としてる草は美味しい

これは雑草食の面白いところで、その人の体に必要な栄養素がある雑草を食べると美味しく感じるらしく、人によって美味しいと感じる草が違ったりします。

現代の品種改良された野菜はクセがなく食べやすくて美味しいですが、自然のまま生き抜いている雑草たちは生命力が強く、食物としたときに強すぎるため、食べすぎると毒になることもあります。

そういったことも、美味しいと感じるか美味しくないと感じるかに影響しているのかも知れませんね。

↑ダイコン、カブ、ニンジンをみじん切りにして煮てから他の草を刻んで入れて塩や出汁で味を整えたご飯を入れて一煮立ちさせると出来上がり。
↑ダイコン、カブ、ニンジンをみじん切りにして煮てから他の草を刻んで入れて塩や出汁で味を整えたご飯を入れて一煮立ちさせると出来上がり。

七草にまつわるお話は私のYouTubeチャンネルでも過去にしていますのでよかったらそちらもみてみて下さい^ ^

ファームインタープリター/自然農YouTuber

愛知県西尾市にて自然農を実践してます。 農を切り口にして自然の面白さや大切さを伝える情報発信や体験イベントも行い、 農の楽しさを伝える『ファームインタープリター』を自称してます。 『野菜を売らない百姓』でもあり、 売らなくても良いからこそ自然農にまつわる色々な実験や研究をやって その様子をYouTubeにて発信しています。

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