還暦を過ぎた博多の伝説。時を重ねるごとに深みを増す熟成豚骨ラーメンは、国内のみならず世界も魅了する。
還暦を過ぎた名店
博多ラーメンを代表する老舗、もはや伝説ともいえる名店は「博多だるま」。2024年の12月に創業61周年、還暦を過ぎてもなお圧倒的な存在感を放つお店。その歴史は割愛するとして、渡辺通から路地を入って春吉公園の前にある「総本店」には、地元民のみならず、博多を訪れる全国の方、さらには海外からも多くの人が訪れます。当然ながら、行列必至の人気店です。
この総本店は、二代目であり現会長の〈河原 秀登さん〉が創業店の閉店に伴い2000年にオープン。赤いカウンターテーブルは昔ながらのラーメン店を彷彿させる雰囲気。その中でも丸太椅子をオシャレにあわせるのが、またセンスが光ります。他にテーブル席も用意されていて、常時お客さんで賑わい、厨房から香る豚骨臭がたまりません。
2024年12月18日に行われた周年イベント。この日は来店プレゼントにスペシャルゲストや抽選会など、日頃のお客様への感謝を込めた楽しい企画が目白押しでした。「だるま」の人気は、自店舗だけでなくお土産ラーメンの販売、そして日本全国の様々なイベント出店、さらには世界各国でもイベントでも出店したりと、その発信力も凄い。その味は、国内のみならず世界も魅了しています。
還暦麺(限定麺)
創業1963年(昭和38年)なので、正確にいうと2023年12月が60周年なのですが、会長の〈秀さん〉が各種イベントや映画「すうぷ」の監修などで多忙の為ズレたのだとか。ラーメンのみならず幅広く活躍されているからこその今回の60周年(還暦)イベントとなったようです。その際に10杯限定で提供されたのがこの「還暦麺」です。
真っ赤なスープは特製麻辣豚骨、真ん中には鮮やかに卵黄が浮かびます。別皿でチャーシューとネギが提供されました。インパクト大ながらとっても美味しそう。
深みある豚骨に麻辣の辛さがよく合います。むせずに完食したら60周年記念Tシャツプレゼントというお楽しみもありましたが、これはむせずに食べるのは難しい辛さでした。しかし美味い、というのが「だるま」の魅力です。
ラーメン
こちらはノーマルのラーメン。「だるま」の熟成された豚骨の味わいが一番伝わる一杯。泡立つスープは濃厚で、豚骨の旨味がグッとパンチが効きながらも、だんだんと深みある味わいの良さに惹きこまれていきます。
熱々で並々のスープは豚骨とカエシのバランスも絶妙。ついつい飲み進めてしまう旨さ。
この絶妙な豚骨の熟成感が美味いスープを見事に絡める細麺。小麦の味わいも良く、低加水の歯切れ良いコシのある食感がスープとの相性もバッチリ。
月見ラーメン
個人的にお気に入りの、卵黄が浮かぶ月見ラーメン。まさに月見のようなビジュアル。ただ、最初から卵黄を混ぜるのはおススメしません。まずはスープそのものの味わいを楽しみながら。
着丼と共に香る豚骨の香りもまた素晴らしい。
まずはスープをひと口味わいながら、そして麺を啜る。このひと口目のインパクトと旨味が絶妙です。濃厚でコク深い豚骨ですが、臭みや重さなど全くありません。不思議と最後までスッキリといただけるんです。
ある程度、麺とスープを楽しんだなら、レンゲで卵黄を溶きます。そこに麺をちょいちょいと浸しながら、味がまろやかになるのを楽しむ。この卵黄は、箸休めのように楽しむのがオレ流です。
タレがしっかりと染みて、肉質もよくさっぱりといただけるチャーシュー。
最初のパンチの効いた味わいから、食べ進めるごとにどんどん旨味や奥深さに惹きこまれていく旨さは、もちろん完食。ついつい飲み干してしまうんです。この丼のデザインも、伝統の「博多だるま」ですね。
チャーハン
サイドメニューも豊富です。ラーメンとあわせていただきたいのはチャーハン。お米全体に火が通り香ばしく、具材の旨味が加わる味わい。これは焼き上げる技が光ります。
餃子
パリッと仕上がった餃子もまた美味い。ジュワっと肉汁溢れる餡も最高です。
おでん5点セット
優しい出汁のおでん。単品でもいただけますよ。
唐揚げ
唐揚げが熱々でジューシーで、カリッと揚がってまた美味しい。
チャーシュー炙り焼き
チャーシューを炙って、タレの旨味に香ばしさを加えています。もやしとネギも盛り付けられていて、これはおつまみに最高です。
ちょい飲みもできちゃいます。サイドメニューも豊富なのでラーメンだけでなく、おつまみメニューも楽しみながらハイボールも最高です。
卓上にはゴマにテーブルコショーにラーメンのタレ。そしてニンニクは生。これをクラッシャーで潰していただくと、おろしニンニクとは風味が全く違い美味しい。細かいところへのこだわりも凄い。
2025年を迎え、還暦を過ぎても衰えるどころか、さらに勢いを増す「博多だるま」。その伝統の味は、時を重ねるごとに深みを増していきます。この博多名物ともいえる熟成豚骨ラーメンは、まだまだ進化を続け人々を魅了しています。今年もまた活躍が期待される、名店中の名店です。