高円寺のラーメン健太

JR‘高円寺駅からあづま通り商店街を歩けば、開店前から閉店のストップコールまで行列が絶えない人気店がある。〈12時～15時営業〉〈月曜定休〉〈両替無しの1000円のみ対応〉、そして〈無限替玉〉というワードといえば「ラーメン健太」。そのシンプルなワードに詰め込まれたインパクトと、豚骨臭が漂う懐かしくも斬新な博多豚骨が絶品の味わいを見せる、東京のみならず全国へも名を馳せる名店。この味を求め、日々、営業時間中には行列が絶えることなく、1日3時間の営業ながら凄まじい人気を誇っています。

大将の〈横尾健太さん〉がワンオペで営業している「ラーメン健太」。だからこそ、オペレーションを含め、それを楽しんでもらえるようなアイデアが随所に光る。おしぼりやお冷、さらに器の片付けもセルフで。これは来店するお客さんには暗黙のルールとなっています。さらに、お会計は入店時に両替無の1000円を支払うのもルールですが、2024年11月に、入口にオリジナル食券機を導入したのも話題となっています。下記Xのポストを見ていただければわかりますが、デザインやユニークさなど兼ね備えた食券機に、1000円を投入することから「ラーメン健太」は始まります。

さらに活躍の場は広がりを見せ、カップラーメンのコラボや、全国チェーンの「らぁめん 花月嵐」とのコラボなど、あるいはテレビの出演やYouTubeの取材も多々あるなど、話題も尽きません。（※現在は販売終了の商品もあります）

※らぁめん花月嵐のHPで公開中の動画

このシルエットも人気

店内はコの字型のカウンターのみ、9席ほどでしょうか。その内側でラーメンを作り続ける大将。奥の壁側に鍋があり、カウンターから背を向けスープや麺を仕上げる大将のシルエットがまたカッコいい。この職人のオーラ漂う背中が良いとも評判です。

ラーメン

メニューはラーメン（1000円）オンリー。これがまた潔い。1000円札を握りしめていただく一杯は、何回でも替玉OKな無限替玉。（※くれぐれもお釣りなどないようにご準備を） 店内には豚骨臭が漂い、シンプルで昔ながらの博多ラーメンのビジュアル。飾らない、この無駄のない仕上がりが逆に素晴らしい。

トッピングは、ネギとチャーシューに海苔が一枚。どこまでもシンプルな一杯。しかし、スープの奥深く広がりのある味わいは絶品。熱々で表面に脂感も漂うスープは、ひと口めはあっさりと優しく、そして、食べ進めるごとに豚骨の風味とカエシのバランスが絶妙に絡み合う。どんどんと深みある豚骨のコクと旨味に惹きこまれていきます。

麺は、福岡の100年以上続く「青木食産」の麺を使用。福岡出身でもある健太さんらしいこだわりの麺。低加水のコシのある食感ながら、小麦の味わいも良く歯切れ良い。これがまたスープによく合います。麺の硬さは〈おまかせ〉が一番です。

純豚骨から抽出されたスープは、旨味が何重にも広がりながら、脂っぽさなど一切ありません。胃もたれすることなく後味もスッキリとした味わいが最後まで楽しめるので、ついつい無限替玉を何度でも食べたくなってしまいます。ちなみに私は3回いただきました。

生ニンニクもテーブルに用意されています。クラッシャーで潰してスープに交え、ゴマをパラパラっとかけると、またスープの味が違う顔を見せて美味しい。

東京へ行ったときは必ず立ち寄りたい「ラーメン健太」。その本格博多豚骨ラーメンはもちろんなのですが、大将である健太さんのスープや麺に対するこだわり、そして、エンターテイナーのような立ち振る舞いや様々なアイデア。その人柄にも魅力があり惹きつけられてしまうのかもしれません。都内でも有数の人気店。ぜひ一度、その魅力を味わってみてはいかがでしょうか。

ラーメン健太