「古臭い商店街」にチャンス到来! 遊び上手な外国人の長期滞在化
●今朝の100円ニュース:富裕外国人 長期滞在可能に(読売新聞)
5年ほど前、新宿のゴールデン街でお酒を飲んでいたら、観光客らしい外国人2人が店に入ってきた。僕は外国語が苦手なのだけど、いい気分で酔っていたのと「新宿はオレの縄張り」という勘違い意識が働いて、ちょっと不安そうな2人に片言の英語で話しかけた。
2人はスペイン人の男女で、男1女2で来日したという。今夜は男の彼女が疲れてホテル(パークハイアット?)で寝ているので、カップルでもない2人は「じゃ、近場の面白いところに行こうぜ」というノリで夜の新宿に繰り出した。聞けば、ヨーロッパの若者向けのガイドブックにゴールデン街が紹介されているらしい。
ゴールデン街は、昔の青線(非合法売春地帯)で、やたらに個性的な小さな店が密集している。昔ほどではないらしいけれど客あしらいはぞんざいで、「お客様は神様ではありません。店員こそ神様です」と掲げているような店もある。新宿は慣れ親しんでいるつもりの僕でも、知人の紹介ではない店には入りにくい地帯だ。
そのマニアックな場所にガイドブック片手に乗り込んで来た2人。都庁などのわかりやすい観光地やホテルでの食事、百貨店や家電量販店での買い物には飽きてしまい、人間臭い場所を求めたのかもしれない。恋人同士でもないのに外国のディープな店で2人きりでいる時間を楽しんでいるようだった。ゴールデン街の裏には日本有数のラブホテル街があることを教えてあげればよかった。
今朝の読売新聞によれば、政府は富裕外国人が日本に長期滞在できるように制度を改正する方針。富裕ってどれぐらい?と思っていたら、オーストラリアの制度例が紹介されていた。約7000万円以上の資産および約600万円以上の年収がある人らしい。「お金持ち」というより「遊ぶときはお金を気にせずに遊ぶ余裕がある人」を想定しているようだ。
ただし、オーストラリアは「55歳以上」という年齢制限をしている。若い世代の外国人に長期滞在を許すと不法に就労する恐れがあると考えているのだろうか。ケチっぽいなあ。7000万円も資産がある人が就労目的で不法滞在するとは思えないし、例え働いたとしてもいい意味で遊び半分だろう。地域経済にとってはむしろ活性剤になるかもしれない。
遊び上手な若い外国人が長期滞在することになったら、彼らはどこで暮らしてどんなことにお金を使うだろうか。僕は冒頭のスペイン人たちを思い出す。キレイで大きなだけの観光名所ではなく、生活者が集う商店街や食品スーパー、常連客が通う飲み屋街に入り込もうとする気がする。そこには大型商業施設では真似のできない美醜入り混じった個性があるからだ。人間的であるからこそ普遍性があり、長期滞在者は刺激と郷愁を同時に覚えるだろう。