ソフトバンク大隣が「黄色靭帯骨化症」を克服し、ついに1軍復帰を果たした!
408日ぶりの1軍マウンド
おかえり、トナリ!
ついにソフトバンクの大隣憲司投手が1軍マウンドに帰ってきた。7月13日の北海道日本ハム11回戦(札幌ドーム)、8回裏から登板して1イニングを投げた。国指定の難病「黄色靭帯骨化症」から1軍復帰を遂げた、2例目の投手となったのだ。
マウンド上の大隣は落ち着いた表情を見せていた。既定の投球練習を終えると、センター方向を向いて頭を垂れた。集中力を高めるいつもの儀式だ。
最初の対戦打者はこの日ホームランを放っている陽岱鋼。初球は外角直球でストライクを取った。スピードは141キロ。「キレにこだわり、球速は意識しない」と話していたが、以前と変わらぬ数字を叩きだした。簡単に追い込んだ後の3球目、勝負球はスライダーだ。詰まった当たりのショートゴロ。まずは最初のアウトを奪った。
その後も2つの内野ゴロで、わずか7球で三者凡退に仕留める好投で復帰マウンドを飾った(※投球詳細は下記のとおり)。ベンチに戻る際も特に表情は崩さなかった左腕に対し、周りのチームメイトの方が笑顔、笑顔で出迎えた。生年月日が全く同じの本多雄一は顔をくしゃくしゃにして背中をポンポンと叩いた。そして次々と差し出される手とハイタッチ。ようやくベンチに腰を下ろすと気持ちよく汗を拭った。
これは復帰。目指すは「復活」
100点満点の復帰戦だ。
だが、まだ完全復活ではない。大隣が目指すのは「以前と同じように先発ローテに入りチームに貢献すること」である。
大隣以前にも「黄色靭帯骨化症」と診断されて手術を受けた投手は、酒井勉(元オリックス)、宮本大輔(元オリックス)、越智大祐(巨人)の3人がいる。そのうち1軍復帰できたのは宮本だけ。かつて新人王にも輝いた酒井は術後3年で引退。巨人のセットアッパーとして活躍した越智は手術から2年が経過したが、まだ1軍復帰を果たせていない。そして、宮本にしても復帰後の1軍登板は2試合のみで、勝ち星を挙げることは出来ずにユニフォームを脱いだ。
「復帰」までのステージはクリアした。次は前人未到の境地への挑戦。1軍登録された際に、加藤伸一投手コーチは「一度中継ぎをして、先発」との方針を口にしており、今後の起用が注目されるところだ。
7月13日、大隣憲司復帰登板 全投球詳細
【打者 陽岱鋼】
141キロ 外角ストレート 見逃しストライク
126キロ 外角低めチェンジアップ 空振り(ハーフスイング)
131キロ 外角低めスライダー 遊ゴロ
【打者 西川遥輝】
141キロ 外角ストレート ボール
133キロ 中スライダー ストライク
131キロ 中スライダー 二ゴロ
【打者 村田和哉】
133キロ 外角スライダー 遊ゴロ