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ロバート・ダウニー・Jr.が打ち明けた、ディズニーランドでの恥ずかしい出来事

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
ディズニーのレジェンズ・アワードを受賞したロバート・ダウニー・Jr.(写真:REX/アフロ)

“地上で最も幸せな場所”に初めて足を踏み入れた日は、ロバート・ダウニー・Jr.にとって、別の意味でずっと心に残るものになった。南カリフォルニアのアナハイムで現在開催されているディズニーのD23エキスポで、彼は、そのことについて懺悔の告白をしている。

 そのスピーチがなされたのは、ディズニー・レジェンズの授賞式。この賞は、クリエイティブ面でディズニーに最も大きな貢献をした人々に贈られるもので、今年はダウニー・Jr.のほか、ジョン・ファヴロー、ジェームズ・アール・ジョーンズ、ベット・ミドラー、クリスティーナ・アギレラ、ハンス・ジマー、ケニー・オルテガなど合計12人が受賞している。彼らはそれぞれに自身とディズニーの関係を振り返ったのだが、そんな中で、ダウニー・Jr.の話は、かなり異質だった。初めてディズニーランドを訪れた時、彼は警備員につかまり、どこかの部屋に連れて行かれたというのである。

「許可なしでマリファナを吸っていたということでね。とは言え、テーマパークのアトラクションでマリファナを吸っていい許可ってものがあるのかとも思うけど」と苦笑するダウニー・Jr.は、自分を拘束した人々が「驚くほど優しかった」と付け加えた。さらに、ずっと後悔してきたとも告白。「許可なしでマリファナを吸っていた僕をつかまえた人に、改心しましたとお伝えしたい」と語り、会場から笑いと拍手を受けている。

この授賞式の会場には、7,000人弱のファンとジャーナリストが出席した。12人の受賞者のうち、ダウニー・Jr.は最初に登壇している(筆者撮影)
この授賞式の会場には、7,000人弱のファンとジャーナリストが出席した。12人の受賞者のうち、ダウニー・Jr.は最初に登壇している(筆者撮影)

 彼の直後に登壇したテレビジャーナリストのダイアン・ソイヤーは、「私の思い出はそれよりずっとおとなしいわね」と、第二次大戦から帰ってきたばかりの父が買った家で、テレビに映るミッキーマウスを初めて見た時の感動を語った。「ハイスクール・ミュージカル」の監督兼コレオグラファーのオルテガも、ディズニーの番組「The Mickey Mouse Club」に強烈な影響を受けたそうだ。当時子供だった彼は、どうしてもあの仲間に入りたいと思い、テレビの裏に回って、後ろの板を外し、文字通り中に入ろうとしたとのことである。「今日、こうやって僕はようやく正式にこのクラブに入れてもらえたという気がするよ」という彼は、93歳の母を、明日、初めてディズニーランドに連れて行ってあげる予定だ。

 そんなオルテガが、ディズニーで作った映画「ホーカス ポーカス」が公開された年、彼がかつてあこがれた番組でテレビデビューを果たしたのが、現在38歳のアギレラである。彼女が出たのは、リバイバル版の「The All-New Mickey Mouse Club」。共演者はジャスティン・ティンバーレイク、ライアン・ゴズリング、ブリトニー・スピアーズらだった。スポーツに熱心な学校に馴染めないと感じていた彼女にとって、同世代の歌好きの共演者が集まるその現場は、とても居心地が良かったという。それからまもなく、アギレラは、ディズニーのアニメーション映画「ムーラン」で、「リフレクション」を歌うことになった。この授賞式で、アギレラは、その記念すべき曲をライブで歌っている。

 D23は、ディズニーがファンのために開く恒例のイベント。今年はフォックスを買収してから初めての回とあり、授賞式の冒頭の映像モンタージュには、ディズニーの作品に混じって、「デッドプール」「ボヘミアン・ラプソディ」「ザ・シンプソンズ」などフォックス作品の数々もお目見えした。現地時間明日24日には、公開を控える最新作のプレゼンテーションが行われる。ここでもまた、大スターや監督の登場が期待されている。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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