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元ヤクルト・ブキャナン「サムスンで引退しようかと…」 4年連続チーム勝ち頭、最も愛された助っ投が退団

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者
デービッド・ブキャナン(写真:サムスンライオンズ)

韓国KBOリーグのサムスンライオンズは4日、3人の外国人選手枠すべてが新加入の選手となることが決定。2020年から4シーズン在籍したデービッド・ブキャナン投手(34、元ヤクルト)の退団を発表した。

サムスン球団によるとメジャー復帰も視野に入れながら残留も検討していたブキャナンと、球団側の最終提示案との折り合いがつかず退団が決まったという。

ブキャナンのKBOリーグでの通算成績は113試合に登板し54勝28敗、防御率3.02。1年目に15勝、2年目の2021年には16勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得した。2年連続15勝以上は球団史上3人目、1980年代の新浦壽夫ら以来となった。

在籍した4シーズンすべてチームの勝ち頭となる2ケタ勝利を記録し、昨季も12勝。防御率2.54はリーグ3位だった。

ブキャナンは序盤に失点しても先発投手として長いイニングを投げることを信条とし、4年間で4完投(うち2完封)。100球を超えても6、7回まで必ず投げてくれるという安心感から、「ブキャナンが投げる日はリリーフ陣が休める」とチームから厚い信頼を得た。

走者を置いた場面では内野ゴロを打たせてピンチを切り抜け、2020年の併殺打35個は2位に10個差をつけてのトップだった。

また登板のない日は共に先発ローテーションを回すウォン・テイン(23)と一緒に、ベンチの最前列に陣取ってナインを鼓舞。感染症拡大の影響による観客の入場制限がなくなってからは、ファンを巻き込むパフォーマンスでスタジアムを沸かせた。

ちびっ子ファンが描いた球宴での打撃、コスプレ姿のイラストにサインをするブキャナン(写真:サムスンライオンズ)
ちびっ子ファンが描いた球宴での打撃、コスプレ姿のイラストにサインをするブキャナン(写真:サムスンライオンズ)

ブキャナンは5日、妻アシュリーさんのインスタグラムアカウントでファンに向けて動画メッセージを公開。韓国での日々について感謝の気持ちを伝えると共に、「サムスンで自分のキャリアを終えることも考えた」、「自分の体には(サムスン)ブルーの血が流れている」とのコメントを残した。

昨年のサムスンはブキャナンの他、アルバート・スアレス(元ヤクルト)、ホセ・ピレラ(元広島)のNPB経験者3人が在籍していたが、スアレスは8月に負傷で退団。3シーズン在籍したピレラも残留とはならなかった。

サムスンの今年の外国人選手はコナー・シーボルド(前ロッキーズ)、デニー・レイエス(前メッツ)の2投手と、昨季西武でプレーしたデビッド・マキノン内野手の3人が決まっている。

Thank You! No.4 David Buchanan(映像:LionsTV 球団公式チャンネル)

2023年 韓国プロ野球個人成績(ストライク・ゾーン)

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韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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