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西武マキノンが韓国サムスンへ 日韓の「ライオンズ」でプレーする初の外国人選手に

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者
サムスンライオンズのマスコット、ブレオ(写真:サムスンライオンズ)

韓国KBOリーグのサムスンライオンズは15日、新外国人選手として、埼玉西武ライオンズで今季プレーしたデビッド・マキノン内野手(29)と契約したと発表した。契約内容は契約金10万ドル、年俸90万ドルの総額100万ドル(約1億4,100万円)。

KBOリーグはリーグ発足17年目の1998年に外国人選手制度を導入。サムスンにはこれまで67人の外国人選手が在籍したが、西武でプレーした選手の獲得はマキノンが初めてとなる。またサムスンに所属後、西武のユニフォームを着た選手もおらずマキノンは「日韓のライオンズでプレーする初の外国人選手」となる。

KBOとNPB間での外国人選手の往来は少なくなく、西武も例外ではない。これまでにボー・タカハシ(KIA-西武)、バーチ・スミス(西武-ハンファ)、ブライアン・オグレディ(西武-ハンファ)、アンディ・バンヘッケン(ネクセン-西武)、マイケル・ボウデン(西武-トゥサン)などがいる。今オフもディートリック・エンスのLG入りが決まった。

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サムスンとは不思議と縁がなかった西武の中で、駐米国際スカウトのケビン・ホッジスは2004年にサムスンに在籍したことがある。しかしホッジスは選手として西武でプレーしたことはない。

西武とKBO球団との間ではかつてハンファと人的交流があった。当時の国際部門担当者とキム・ソングン監督とのやり取りの中で、田辺徳雄、西口文也(臨時)のコーチ派遣が行われたことがある。

一方サムスンはここ数年外国人選手が活躍。この2年は外国人枠すべてがNPB経験者だった。デービッド・ブキャナン(元ヤクルト)とアルバート・スアレス(元ヤクルト)、ホセ・ピレラ(元広島)で元NPBの外国人3人が1チームに集まるのは初めてだった。

現在サムスンは4シーズンで54勝を挙げたブキャナンと来季の契約に向けて交渉中。スアレスは今季途中に解雇となり、ピレラは今回マキノンが加わったことで事実上退団となった。

試合で好投後、地元ファンとスタンドで写真を撮るブキャナン(写真:サムスンライオンズ)
試合で好投後、地元ファンとスタンドで写真を撮るブキャナン(写真:サムスンライオンズ)

サムスンはマキノンを「選球眼が良く、コンタクト能力が優れている中距離打者」と評価。「守備に安定感があり、ファーストとサードをこなせる点が長所」としている。また「誠実に練習に取り組み、日本での経験を生かしてKBOにすぐに順応するのではないか」と期待している。

マキノンは新たなライオンズでのスタートをサムスンが2005年以来使用している、沖縄県恩納村のONNA赤間ボール・パークでの春季キャンプで切る予定だ。

⇒ サムソンライオンズ紹介(ストライク・ゾーン)

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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