「ハマスタ似」の釜山の球場改築が決定。2031年に開場 韓国は前後10年で本拠地8カ所が「新球場」に
韓国のプサン(釜山)広域市は20日、パク・ヒョンジュン(朴亨埈)市長がサジク(社稷)野球場の改築と周辺一帯の総合運動場開発計画について発表した。
新球場は座席数2万1千人規模の屋外球場。プサン独特の熱狂的な応援を損なうことなく周辺に立ち並ぶ高層住宅への騒音の影響を抑えるため、グラウンドレベルを掘り下げる構造にするとした。
現在のサジク球場は1985年10月に開場。当時最新鋭だった日本の横浜スタジアム(1978年開場)を模して造られ、外野フェンスが高くすり鉢状なのが特長だ。内野スタンドが「可動式」で競技場としても使えるようにしたのも共通点となっている。
同球場は1982年にスタートした韓国プロ野球(KBOリーグ)のロッテジャイアンツが、1986年シーズンから本拠地として使用。完成から約40年を経て老朽化が進んでいることもあり改築が決まった。
建設にかかる予算は3262億ウォン(約359億円)とみられ、国費300億ウォン(約33億円)を引いた額をプサン市とロッテ側が7対3の割合で負担する。工事費や人件費の高騰による追加費用は市が負担するとしている。
工事は2028年から3年にわたって行われ、2031年シーズンからの使用を目標としている。工事期間中は隣接するプサンアジアード主競技場を野球仕様に改装し、ロッテのホーム球場として臨時使用する。
球場改築中に競技場を代替使用する方式は、今年7月に発表になったソウル・チャムシル(蚕室)球場でも実施される。チャムシル球場はLGツインズとトゥサン(斗山)ベアーズの本拠地。
(関連記事:ソウルの新ドーム球場建設期間の代替策が決まる サッカー、陸上競技場を野球場に転用。2027年から)
ソウル特別市は2026年シーズン終了後にチャムシル球場を解体撤去。2027年から5シーズン、チャムシル主競技場(サッカー、陸上競技場)を野球場に転用する。チャムシルの場合はドーム球場建設を予定している。
今回のプサンの球場改築によりKBOリーグの本拠地9球場のうち8つが、今年を挟んだ前後10年の間に完成の球場だ(☆が建設予定または建設中。名称は一部仮称)。
☆ソウル チャムシルドーム球場 2032年開場予定
ソウル コチョク(高尺)スカイドーム 2016年シーズンから使用
☆インチョン(仁川) スターフィールドチョンナ(青羅)ドーム 2028年開場予定
☆テジョン(大田) ベースボールドリームパーク 2025年開場予定
テグ(大邱) サムスンライオンズパーク 2016年開場
クァンジュ(光州) KIAチャンピオンズフィールド 2014年開場
☆プサン サジク新球場 2031年開場予定
チャンウォン(昌原) NCパーク 2019年開場
今季のKBOリーグの総観客数は過去最多となる初の1000万人を突破。週末だけではなく平日でも大入り満員となる球場もあった。
しかし1試合平均は1万5122人で、最も多いLGでも1万9144人。今後開場予定の新球場の大半が収容2万人台で、チャムシルドームだけが3万人台だが日本に比べると規模が小さい。
韓国の多くの球界関係者が「日本の大きい球場はうらやましい」と話し、今回発表のサジク新球場の座席数について「これではチケット入手が難しいのは変わらない」というファンの声もある。
一方で韓国で球場を維持、運営するには「2万人台が妥当」という考えも球団内部には少なくない。