自民党総裁選、主要候補者の「防衛・安全保障」分野の考えや政策の違いはどこに? #専門家のまとめ
自民党総裁選が12日に告示され、本格的な論戦が始まった。中国の海洋進出や北朝鮮の核ミサイル開発、ロシアのウクライナ侵略など、日本を取り巻く安全保障環境が戦後最悪に陥っている中、主な候補者たちの防衛・安保分野での政策や考えの違いはどこにあるのか。全候補が日米同盟の堅持・強化など岸田政権の方針を踏襲し、違いが見えにくくなっているが、首相ともなれば、その国家観や信念が大きく問われる大事な分野でもある。まとめてみた。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
戦後日本の最も厳しい安保環境にどのように対処するのか。自民党総裁選の候補者はまず、その基本姿勢を示す必要がある。
防衛・安全保障の分野では、防衛庁長官や防衛相を歴任し、安保政策の論客として知られる石破茂氏が持論を展開し、活発な問題提起をしている。「国連が機能しない時代にアジアに集団安全保障の仕組みを作るのは喫緊の課題」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)アジア版の創設を訴えている。また、「日米同盟の対等性は常に希求されるべきもの」と述べ、在日米軍の地位を定めた日米地位協定の改定を目指す考えも示している。
高市早苗氏は、非核三原則のうち「持ち込ませず」について「見直しを議論しなければならない」と訴えた。
河野太郎氏は、2021年の自民党総裁選に続き、今回も海上自衛隊への原子力潜水艦配備について議論する必要があると述べた。
小泉進次郎氏は、中国の習近平国家主席や北朝鮮の金正恩国務委員長相手のトップ外交での自信や意欲をみせた。
防衛・安全保障は、総理大臣ともなれば、各国首脳と十分に渡り合える歴史観や知見、手腕が大いに必要な分野でもある。論戦を通じて、国民は各候補の安保政策に加え、器量や力量も見極めなくてはいけない。