ANA、移動でマイル貯まる「ANA Pocket」1周年。検証したら月550円で1000マイル以上も
コロナ禍で非航空事業を強化しているANAにおいて、じわりじわり利用者を増やしているのが「ANA Pocket」。12月20日にサービス開始から1周年を迎えた。筆者自身、1年間にどれだけのメリットがあったのか検証すると共に、今後のサービスについてまとめてみる。
徒歩・電車・自転車・自動車・飛行機移動でポイント加算。月550円の会費でANAマイルに
「ANA Pocket」は、移動だけでマイルが貯められるサービスで、スマートフォン(iPhone、Androidに対応)にアプリをインストールすることで利用できる。航空会社といえば飛行機移動となる。しかし「ANA Pocket」は、徒歩・電車・自転車・自動車も含め、全ての移動においてポイントが積算でき、現在は1ヶ月550円(税込)の有料会員(ANA Pocket Pro)に入ることで「マイルガチャ」という仕組みでガチャを回すことでANAマイレージクラブのマイルが獲得できる。マイル以外にもクーポンやANA航空券購入時などに充当できる「SKYコイン」、ギフト券や金券などの商品と交換できる「Pocketガチャ」もあり、こちらは無料会員でも利用できるサービスとなっている。
マラソンやウォーキング、電車通勤、出張、旅行などでポイント加算
筆者は仕事柄、移動が多いことから「ANA Pocket」でのメリットが特に多いが、電車で毎日通勤している人も貯めやすいほか、マラソンやウォーキング、サイクリングなどを日常的に楽しんでいる人もポイントが貯めやすい傾向にある。また旅行が好きな人にもおすすめと言える。2021年12月20日にサービス開始して早い段階でアプリをダウンロードして、ANAマイレージクラブの会員番号との紐付けをした。最初はクーポンなどに交換していたが、すぐに550円の有料会員になり、少しでもマイルを貯める方針に切り替えた。
マイルガチャで最低3マイル、1000マイル・1万マイルが当たることも
年明けの2023年1月18日からは移動で貯まったポイントをマイルに交換できる「マイルガチャ」のサービス内容が一部変更となるが、現状では1回あたり(500ポイント)、最低3マイルが当たることになっており、約10回に1回の当選確率で10マイル以上が当たるとのことだ。この「マイルガチャ」では1万マイル・1000マイル・100マイルが当たることもある。SNS上で1万マイル・1000マイルが当たったという投稿も見ているが、筆者は残念ながら、この1年間で1回あたりのガチャでは100マイルが最大だった。
ガチャをする為に必要なポイントの獲得は移動によって付与されるが、移動手段によって異なる。徒歩での移動がポイントが最も多く貯まる仕組みになっている。2キロ歩けば100ポイントが加算、電車で100キロ移動すれば800ポイント、飛行機1500キロ(東京~沖縄)で1200ポイントが基本のポイント付与となる。
■1キロあたり
徒歩:50ポイント、自転車:20ポイント、電車:8ポイント、自動車:6ポイント、飛行機:0.8ポイント
毎日ログインし、「チャレンジ」を活用することでポイントは多く貯まる
ANAマイレージクラブ会員(無料会員のANA Pocketメンバー)は1.1倍、550円の有料会員(ANA Pocket Pro)は1.3倍貯まることになる。その他に毎日ログインをすることでもらえる「ログインボーナス」、そして沢山のポイントが貯まる「チャレンジ」(一定の距離を特定の移動手段で移動した場合や特定のスポットにチェックインをするなど)を活用するとより多くのポイントが貯められるので(500ポイント・1000ポイントが多いが1万ポイントのチャレンジもある)、多く貯めるコツとしては毎日ログインをして、「チャレンジ」を確認することに尽きる。
筆者は、毎日ログインしてからは1ヶ月1000マイル以上の月も多い
ポイント獲得の上限は過去30日間の累計で10万ポイントが上限となり、筆者自身は1ヶ月あたり8~10万ポイントを獲得している。途中からは全てのポイントを「マイルガチャ」にしているが、実際に貯まった直近のマイル数は以下となっている。
2022年11月分 774マイル
2022年10月分 1272マイル
2022年9月分 1178マイル
2022年8月分 1112マイル
2022年7月分 1612マイル
2022年6月分 1500マイル
2022年5月分 547マイル
2022年4月分 796マイル
2022年3月分 639マイル
2022年2月分 170マイル
2022年1月分 165マイル
2021年12月分 50マイル(12月20日~31日)
合計:9815マイル
効率的にマイルを貯めるなら最低マイル交換レートが上がる「マイルブースト」期間を活用する。平均は月に600~700マイル
マイル数の積算の違いとして、筆者が特に実感しているのが「マイルブースト」と呼ばれる、通常500ポイントで最低3マイルのところを期間限定のキャンペーンとして最低5マイルや6マイルになったり、500ポイント単位を250ポイント単位で最低3マイルがもらえるなどのキャンペーン次第で大きく変わる。
「ANA Pocket」を運営するANA X 株式会社の担当者に話しを聞くと、1ヶ月での平均獲得マイルは600~700マイル程度(9月時点)とのことだ。11月はこの「マイルブースト」が一度もなかったことで移動はそれなりにあったが774ポイントの獲得に留まった。毎月、月末にはほぼ全てのポイントを「マイルガチャ」している。
12月23日(金)正午~26日(月)午前11時59分まで「マイルブースト」を開催
今月は記事執筆時点の12月21日で7万5274ポイントがあり、150回のガチャが可能で最低でも450マイル(1回500ポイント=最低3マイル)は獲得できるが、既に1周年記念の「マイルブースト」キャンペーンを12月23日(金)正午~26日(月)午前11時59分まで実施することが発表されており、最低でも1回6マイルが当たることから「マイルガチャ」はキャンペーン期間に集中してすることで、12月は最低でも900マイル以上は獲得できることは確定的であり、1回10マイルや50マイル・100マイルが当たることも多いので、1000マイル以上は獲得することができそうだ。
貯まったマイルで旅行へ。国内線特典航空券では最安、片道3000マイルで特典交換
筆者自身、貯まったマイルの活用方法として、コロナ禍に入って特に活用しているのが、最安では片道3000マイルで特典航空券に交換できる「今週のトクたびマイル」の利用が多い。毎週火曜日の正午に同じ週の木曜日~翌週の水曜日まで、通常より少ないマイル数で特典航空券を利用できる対象路線が発表され、発表翌日の水曜日から特典予約が可能となるマイル割引制度となっている。例えば12月15日~21日搭乗分の場合、羽田からは大阪(伊丹)、八丈島、中部、女満別、釧路、山口宇部、萩・石見、松山、高知、大分、長崎が片道3000マイルで特典交換できた。年末年始期間は除外となるが、年始後は再開されることになる。最近の傾向としては羽田から大阪へ行きたい場合に、羽田~伊丹・関西・神戸のいずれかが入っており、大阪に急に出かけたい際に特に重宝している。
3000マイル獲得に最短3ヶ月
仮に3000マイルで特典交換ができると考えた場合、筆者の場合は3ヶ月程度で獲得できるが、1ヶ月平均の673マイルの場合は5ヶ月弱での到達となる。月会費が550円かかるが、3ヶ月で到達の場合は1650円、5ヶ月で到達の場合は2750円の会費を払ったことで(最初の2か月はキャンペーンで無料になる)、キャンペーン対象区間(3000マイル)であれば、移動がそれなりにあることが前提とはなるが、片道の特典航空券が3000円以下で獲得できる計算となる。
1月18日から1000ポイントで7マイルにアップ
「ANA Pocket」はサービス開始から1年で毎日アプリを利用しているデイリーアクティブユーザー数が約12万名で、ポイントからマイルへ交換した数は約7600万マイルとのことだ。1周年を迎え、サービスのリニューアルにも着手しており、2023年1月18日からはANAマイレージクラブ会員で無料登録している人も2000ポイント=1マイルの「プチマイルガチャ」がスタートするほか、月会費550円払っている「ANA Pocket Pro」メンバーは1回あたり1000ポイントで最低7マイルが当たる新ルールに移行する(現行は500ポイントで最低3マイル)。今後も「マイルブースト」は実施する予定とのことで、多くの登録者は1ヶ月1000マイルを目指すことになりそうだ。月間で1000マイル平均であれば、会費6600円(550円×12ヶ月)で年間1万2000マイルが貯まることになる。
今後の展開を担当者に聞いてみた
「ANA Pocket」の担当者に今後の展開について取材したところ、「コロナの影響が落ち着き、海外旅行が標準化していった際には、海外のチェックインスポットなども検討したい。日常と旅のおともとして使ってもらえるよう、時代に合わせて進化させていきます」と話した。またANA国内線のプレミアムクラス航空券が当たる抽選会などイベントも増やしていきたいとのことだ。
サービス開始直後は動作の不安定もあり、ポイント加算の不具合も見られたが、かなり解消されてきた感じはあるが、確実にポイントを加算する上で毎日もしくは数日に1回はアプリを開いて、ログインされていることを確認しながら、自分の行動履歴を確認するのもおすすめの使い方である。特に徒歩や自転車でどれだけ移動したかのデータは重宝する。まさに健康にもアシストするアプリといえる。