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台風7号での飛行機欠航時、満席で振替便が取れない時にどうしたらいいか?ルート変更や鉄道への切り替えも

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
8月12日の羽田空港第2ターミナルANA国内線チェックインカウンター(筆者撮影)

 台風7号の接近に伴い、8月16日(金)は羽田空港・成田空港を発着する航空便にも大きな影響が出る。既にANA・JALでは多くの便で欠航を決めており、8月15日14時現在、ANAでは8月16日に羽田空港・成田空港を発着する国内線281便、国際線12便の欠航を決めているほか(15日も国内線4便、国際線8便が欠航)、JALでも国内線191便、国際線28便の欠航を決めている。台風の進路次第では更に欠航便・遅延便が増える可能性が高まっている。

8月16日(金)羽田・成田発着の便は運航に関わらず航空券の特別対応を実施

 また運航予定の便についても、ANA・JALでは8月16日(金)に羽田空港・成田空港を発着する全ての便の航空券の特別対応を実施しており(ANAでは羽田・成田に加えて、八丈島・静岡も対象)、無手数料でのキャンセル・予約変更が可能となっている。羽田空港発着のスカイマーク、ソラシドエア、AIRDO、スターフライヤーも同様の特別対応を実施している。成田空港発着のLCC(格安航空会社)については航空会社によって対応が異なることから、各航空会社のホームページから確認していただきたい。

欠航した便の振替便の手配が厳しい状況に

 このような状況のなか、欠航した場合にどうするべきなのか。変更希望便に空席があれば、ANAやJALでは予約便から30日以内の便への変更が可能となっている(変更手続き期限は航空会社によって異なる)。ただ今回は、Uターンラッシュと重なったこともあり、特に羽田空港へ向かう上り便の変更は非常に厳しく、17日(土)・18日(日)への変更は難しくなっている。 

 その中でも那覇から羽田への便については、ANA・JAL共に24日(土)まで全便満席になっていることで、欠航便からの振替も厳しい状況になっている。

 多く航空券の場合、各航空会社のホームページからの変更が可能となっているほか、予約センターでの電話手続きも可能だが、予約センターに繋がるまで1時間以上(中には数時間以上)要しており、ホームページでの手続きを各航空会社は呼びかけている。

まずはホームページで空席を頻繁にチェックする

 まずやれることとして、利用予定だった航空会社のホームページで空席を頻繁にチェックし、たまに空席が出ることがあり、それを狙うという方法だ。旅慣れている旅行者などは、ひたすらスマートフォンやパソコンを操作しながら空席が出るのを待つという人もいる。こればかりは運次第であるが、時々空席が出ることもあるので、諦めずにトライする方法もある。

 空席が確保できない場合は、運航再開後に各空港で空席待ちの手続きをすることになるが、最近では航空券によってはインターネットからの当日空席待ちもできるので、各航空会社のホームページより確認して欲しい。実際に搭乗できるまでにかなりの時間を要する可能性があるが、幹線路線を中心に臨時便が設定されることもあるので、やはり頻繁にホームページをチェックすることが望ましい。

鉄道移動が可能であれば、鉄道へ切り替えも

 もし、振替便が手配できない場合で新幹線など鉄道が走っている区間であれば、17日以降もしくは台風接近前の本日中(15日)に鉄道移動へ切り替える方法もある。その場合は航空券は無手数料で全額払い戻し、新たに新幹線などの切符を購入するということになる。

 特に東海道新幹線はお盆期間中の18日(日)までは「のぞみ」は全車指定席となっており、上りは17日・18日共に既に満席で、「のぞみ」の指定席券が確保できない場合は「のぞみ」で立席での利用のほか、「ひかり」「こだま」の指定席・自由席を利用することになる。インターネット予約サービス「スマートEX」や「エクスプレス予約」を頻繁にチェックすることで、空席が出ることもあるので、航空券同様に頻繁にチェックすることをおすすめする。

沖縄からの場合は、まずは沖縄から脱出することを考える方法も

 特に鉄道移動ができない沖縄から羽田へ向かう場合、運航再開後に羽田への直行便に変更したいところであるが、手配できない場合は、他空港への便もしくは乗継便の利用も検討してみるといいだろう。例えば、大阪や名古屋などへの便に空席があれば、目的地を変更する方法もある。

 筆者の経験からだと、ANAやJALでは空港カウンターで相談することで、目的地変更も認められるケースが多い。今回、影響を受けるのは羽田・成田が中心で、その他の目的地であれば、もちろん、Uターンラッシュで混雑はしているが、欠航便は出ていないことから羽田便よりは取りやすい状況になる。

 例えば那覇空港から伊丹空港への便に空席があり、更に伊丹空港から羽田空港への便にも空席があれば、那覇→伊丹→羽田という移動方法もある。仮に伊丹空港から羽田空港までの便が手配できない場合、伊丹までを振替してもらい、自己負担になってしまうが新幹線で新大阪から東京に戻るということもできる。名古屋についても同様である。お金はかかるが少しでも早く東京に戻りたいときの選択肢の1つとなっている。

(ただし、目的地変更の最終的な判断は航空会社側にあり、できない場合もあるので、まずは空港カウンターで相談してみるといいだろう)

台風など天候事由の場合の延泊ホテル代は自己負担

 飛行機の欠航に伴い、現地で新たにホテルなどを手配しなければいけないケースもあるが、宿泊費用は全て自己負担となる。機材故障や機材繰りなど航空会社責任の場合は航空会社負担になることが多いが、台風など天候事由の場合は全て自己負担となる。また飛行機が遅延して公共交通機関が利用できない場合のタクシー代なども自己負担となっている。

 最新の運航情報、空席情報を確認しながら、様々な選択肢のなかからベストな方法を考えていただきたい。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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