【河内長野市】天見川と南海電車が見える小さな神社にある珍しい形の道祖神は、なんと奈良時代由来の説
河内長野は観光地としても有名な寺院やだんじりが宮入りするような神社などがありますが、町歩きをしていると余り知られていない神社や地蔵菩薩などに出逢えることが多くあります。今回上田町で見つけたものは、アンコールワットなど大陸のアジア圏にあるリンガの形をした道祖神の存在です。
場所は三日市町駅から高野街道を河内長野方面に歩いた先で見つけました。高野街道は途中で左に曲がって国道を渡る陸橋がありますが、曲がらずにそのまままっすぐに歩きます。
右手に、歩行者か自転車しか通れそうにない細い路地があります。その奥に神社と珍しい道祖神があるとのこと。
こんな細い路地の先にと思いつつ路地を奥に歩いて行くと、鳥居らしき赤いものが見えてきました。
路地の奥は開けていて、すごく小さな神社の前に来ました。神社の背後が天見川で、さらにその後に南海電車の鉄橋が見えます。
鳥居の扁額(へんがく)に祀られている神様の名前が記載してあります。
金吹大明神、福丸大明神の文字が見えます。あまり聞きなれない名前の神様ですね。福丸大明神は京都の上賀茂神社の北側に同じ名前の神社がありました。その京都の福丸大明神のことを調べると、祭神はよくわからないものの狐の置物が左右に置かれているため、稲荷大神の可能性が高いとのこと。ただ京都から御霊を河内長野上田に勧請(かんじょう:神様を移すこと)したのかはわかりませんでした。
もうひとつの金吹大明神ですが、この場所の土に混じって金が出たために、地主神がいるということで神様を祀ったという伝承が出てきました。河内長野に金が出るという情報はさすがに出てきませんが、最近は金の価格が高騰しているために全国の川で砂金を採る人の情報がでてきます。関西地域でも例外ではなく、驚いたことに淀川で砂金を採ったという人の情報までありました。
神社の背後に天見川があります。山から流れた川の中に偶然金が混じっていたことがあっても不思議ではありませんね。
金吹、福丸の二柱の神様が祀られていますので、ここで参拝しましょう。
そして境内にはもうひとつ重要なものがあります。こちらは道祖神で、左がリンガ(男根)をかたどったものです。右側はヨーニ(女陰)を表しているとのこと。
説明書きによると、道祖神は奈良天平時代からの伝承があると書いてありました。開基の「金の森」というのは先ほどの金が出た伝承によるもので、この地域の古い地名のようです。
そしてこちらが片方の道祖神です。大陸のアジア圏でリンガといえば、ヒンドゥー教のシヴァ神になりますが、日本の場合は仏教系と神道系で見られる系統で、道祖神は神道系由来とのこと。また日本では農村部には、こういった形状の道祖神の痕跡が多くみられるという研究があるようです。
さて、道祖神には村の守り神の意味があり、集落の境や村の境界線、もしくは中心部に置かれていて、子孫繁栄や旅や交通安全の神とのこと。高野街道が近くを通っているので、そういった意味もありそうです。
道祖神を見ているとちょうど南海電車が神社の背後を通過していきました。口コミでは南海電車からも見えるそうです。私はまだ確認していませんが、今度河内長野駅から三日市町駅の間の区間で南海電車に乗る機会があれば、車窓から見られるか確認したいと思います。
金吹・福丸大明神と境内の珍しい道祖神
住所:大阪府河内長野市上田町22
アクセス:南海三日市町駅から徒歩10分
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