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国連事務総長「キラーロボット防止のために国際社会での行動規範を」WebSummit 2018で

佐藤仁学術研究員・著述家
WebSummit 2018でのアントニオ・グテーレス国連事務総長(写真:ロイター/アフロ)

 2018年11月にポルトガルのリスボンで開催されている「WebSummit 2018」に国連事務総長でポルトガル出身のアントニオ・グテーレス氏も登壇。アントニオ・グテーレス国連事務総長は科学技術の発展によって、多くの病気や飢餓から人類が救われていると述べた。

 一方で、人工知能(AI)とロボットの発展によって、自律型殺傷兵器やキラーロボットの発展に懸念を示し、キラーロボットによる人類への攻撃を阻止すべきだと訴えた。

 アントニオ・グテーレス氏は、ロボットによる攻撃は必ず人間による操作と判断が必要であることを主張。キラーロボットや自律型殺傷兵器システム(LAWS:Lethal Autonomous Weapons Systems)などロボットが自らの判断で人類を攻撃してこないことが重要であり、そのようなロボットが開発されないように国際人道法などで禁止するべきだと主張。「国際人道法はサイバー分野にも適用されるべきであり、キラーロボットの防止は国際社会全体で考えるべき問題で、国連としてもサイバースペースでの行動規範を構築すべきだ」と語った。

 AIの発展によるキラーロボットの登場によって、キラーロボットが人間を攻撃してくるのではないかという問題は、国連事務総長だけでなく世界中の科学者や著名人なども懸念を示している。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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