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あす20日(金) 五輪の聖火は暴風の中の日本到着に

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
東京五輪の聖火をギリシャから日本へ運ぶ特別輸送機(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

先週ギリシャで採火された東京オリンピックの聖火が、あす20日にいよいよ日本にやってきます。

そして日本における到着地は宮城県の航空自衛隊松島基地。新型コロナウィルスの影響で大々的な式典は行われませんが、それでも宮城県民としては楽しみにしていらっしゃる方も多いかもしれません。

ただ、あすは聖火を吹き消さんとするが如く西風が強く吹き荒れそうです。

またしても低気圧発達

きょうは穏やか・麗らかな晴天だった宮城県ですが、この晴天をもたらした高気圧はあす東へ抜けていきます。

代わって、日本海や本州の南にあった低気圧が発達しながら北海道付近へと進む見込みです。

あす20日9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
あす20日9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)

これにより20日(金)の宮城県は朝から西寄りの風が強く吹く見込みです。特に昼前後のピークの時間帯には、最大瞬間風速25~30m/sと、風に向かって歩けない程の暴風になるおそれがありますので警戒をしてください。

あす日中の風の予想(提供:ウェザーマップ)
あす日中の風の予想(提供:ウェザーマップ)

松島航空基地も西風の通り道

しかもこの西風は、宮城県においては特に大崎平野から石巻にかけて強く吹く傾向があります。

東北地方の地形 中央の赤い丸が奥羽山脈の「切れ目」(国土地理院作成のものに著者加工)
東北地方の地形 中央の赤い丸が奥羽山脈の「切れ目」(国土地理院作成のものに著者加工)

これは地形が関係しています。

宮城県にとっての風上=西には奥羽山脈がそびえていますが、一様に高い山が並んでいるわけではありません。

大崎平野の西、鍋越峠や中山峠周辺は奥羽山脈の中では比較的標高が低くなっていて、これが言わば「切れ目」になっています。奥羽山脈を越えようとする西風にとっては、この切れ目が格好の通り道になるため、大崎平野~石巻は西風が強く吹く傾向にあります。

航空自衛隊松島基地のある東松島市も、この風の通り道の中にありますので暴風になるおそれがあります。

今月6日の実況天気図(ウェザーマップ提供のものに著者加工)
今月6日の実況天気図(ウェザーマップ提供のものに著者加工)
今月11日の実況天気図(ウェザーマップ提供のものに著者加工)
今月11日の実況天気図(ウェザーマップ提供のものに著者加工)

同じように低気圧が発達した3月6日や3月11日も、東松島のアメダスでは最大瞬間風速21.7m/sの強い西風を観測していて、今回もそうした暴風が吹くおそれがあります。

あすはブルーインパルスが歓迎の飛行をし、五輪のマークをスモークで描く予定ですが、せっかくのスモークもすぐに風に流されてしまうかもしれません。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

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