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第一印象は最悪。移籍直後の登板で、1アウトも取れずに3失点KO

宇根夏樹ベースボール・ライター
左手前がサム・ダイソン(ミネソタ・ツインズ)Aug 1, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 最悪のスタートを切った。

 8月1日、サム・ダイソン(ミネソタ・ツインズ)は、9回裏のマウンドに上がった。スコアは4対1。セーブを挙げ、ツインズ・デビューを飾るお膳立ては整っていた。前日のトレードで、ダイソンはサンフランシスコ・ジャイアンツから移籍した。

 けれども、そうはならなかった。最初の打者を四球で歩かせると、そこからヒットと二塁打で1点を失い、4人目の打者に四球を与えたところで、マウンドを降りた。さらに、代わったテイラー・ロジャースが、直後にヒットを打たれて同点とされた。ダイソンは1アウトも取れずに3失点。セーブ失敗はロジャースについたものの、これはダイソンが招いたものだ。試合は延長戦に入り、12回裏にサヨナラ本塁打でツインズが敗れた。

 もっとも、同情の余地もある。トレードが決まったのは、デッドラインの数分前。フィラデルフィアにいたダイソンは、翌日の飛行機でマイアミへ向かったが、午後12時10分の試合開始には間に合わず、球場に着いたのは1時過ぎだったという。登板間隔は中3日ながら、ツインズのユニフォームに袖を通してからマウンドに上がるまで、数時間しか経っていなかったということになる。ちなみに、7月31日の試合前、トレード成立の直前には、グラウンド・クルーが雨避けのシートでフィールドを覆うのを手伝っていた。この球場は、ダイソンにとってはアウェーだ。

 ジャイアンツではセットアッパーを務め、49登板で防御率2.47を記録した。ダイソンは、制球に優れたシンカーボーラーだ。移籍前の51.0イニングで与四球は7しかなく、1登板に与四球2は、昨年9月4日以来のことだった。クローザーの経験もあり、2016年はテキサス・レンジャーズで38セーブを挙げた。

 ゴールインしたカップルのように「第一印象は最悪でした、でも……」とする機会は、まだ十分にある。

 なお、今夏のトレード・デッドラインまでに、各球団が獲得した選手(メジャーリーガー)は、こちらの記事にリストを掲載した。

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 また、今夏のトレード・デッドラインに関する、他の記事はこちら。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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