第一印象は最悪。移籍直後の登板で、1アウトも取れずに3失点KO
最悪のスタートを切った。
8月1日、サム・ダイソン(ミネソタ・ツインズ)は、9回裏のマウンドに上がった。スコアは4対1。セーブを挙げ、ツインズ・デビューを飾るお膳立ては整っていた。前日のトレードで、ダイソンはサンフランシスコ・ジャイアンツから移籍した。
けれども、そうはならなかった。最初の打者を四球で歩かせると、そこからヒットと二塁打で1点を失い、4人目の打者に四球を与えたところで、マウンドを降りた。さらに、代わったテイラー・ロジャースが、直後にヒットを打たれて同点とされた。ダイソンは1アウトも取れずに3失点。セーブ失敗はロジャースについたものの、これはダイソンが招いたものだ。試合は延長戦に入り、12回裏にサヨナラ本塁打でツインズが敗れた。
もっとも、同情の余地もある。トレードが決まったのは、デッドラインの数分前。フィラデルフィアにいたダイソンは、翌日の飛行機でマイアミへ向かったが、午後12時10分の試合開始には間に合わず、球場に着いたのは1時過ぎだったという。登板間隔は中3日ながら、ツインズのユニフォームに袖を通してからマウンドに上がるまで、数時間しか経っていなかったということになる。ちなみに、7月31日の試合前、トレード成立の直前には、グラウンド・クルーが雨避けのシートでフィールドを覆うのを手伝っていた。この球場は、ダイソンにとってはアウェーだ。
ジャイアンツではセットアッパーを務め、49登板で防御率2.47を記録した。ダイソンは、制球に優れたシンカーボーラーだ。移籍前の51.0イニングで与四球は7しかなく、1登板に与四球2は、昨年9月4日以来のことだった。クローザーの経験もあり、2016年はテキサス・レンジャーズで38セーブを挙げた。
ゴールインしたカップルのように「第一印象は最悪でした、でも……」とする機会は、まだ十分にある。
なお、今夏のトレード・デッドラインまでに、各球団が獲得した選手(メジャーリーガー)は、こちらの記事にリストを掲載した。
●トレード・デッドライン総括。グレインキーを獲得したアストロズが、ワールドチャンピオンの筆頭候補に!?
また、今夏のトレード・デッドラインに関する、他の記事はこちら。
●両リーグ最高の勝率でも、ワールドシリーズ優勝には疑問符。トレードであそこを補強するべきだったのでは…