梅雨入り前にめぐりたい!水に関する散歩道【那覇市】
沖縄の梅雨入りの平年日は5月10日ごろですが、23年は梅雨入りしそうもありません。今のうちの晴れ間に気持ちの良い湧き水めぐりをしませんか?
沖縄は四方を海に囲まれた島ですが、水をたくわえやすい琉球石灰岩が隆起してできた島なので島にしては真水を得られやすかったのです。
ですが沖縄には大きな川がありませんので、昔は湧き水に頼っていました。今日は首里の湧き水をめぐる散歩道を紹介します。
首里城・龍樋(りゅうひ)
首里城の無料区域の瑞泉門の手前にある龍樋です。
「瑞泉(ずいせん)」とは「立派な、めでたい泉」という意味です。
湧き水のことをカーまたはガーといい、樋(とい)をつけて引き込むと樋川(ヒージャー)と言います。
龍の彫刻から湧き水が流れ出るので龍樋という名前になりました。この龍の彫刻は1523年に中国から頂いたホンモノと言われています。
この水は王宮での飲料水として使われていたので国王様も飲んだことでしょう。枯れたことがなく、ずっと湧き出しています。
龍樋のまわりにある漢字の石碑は中国の皇帝の使者である冊封使(さっぽうし)が、この水の美しさを称えた題字や漢詩がもとになっています。
首里城公園住所:沖縄県那覇市首里金城町1-2
中城御殿(なかぐすくうどぅん)の井戸
首里城の外、龍潭の前の道路を挟んだところに中城御殿(なかぐすくうどぅん)の跡があります。
琉球王国世子(お世継ぎ)の邸宅でしたが、今は石垣と井戸の跡だけが残っています。
中城御殿も首里城正殿の完成に合わせて2026年の復元が予定されています。
中城御殿住所:那覇市首里真和志町2丁目
玉那覇味噌醤油(たまなはみそしょうゆ)
首里は水が豊富だったので、さまざまなものが発展に繋がっています。泡盛や空手などが知られています。
味噌もそのひとつで、玉那覇味噌醤油は170年以上伝統の天然醸造でつくる無添加味噌を作っています。敷地の中には今でも使われている現役の井戸があります。
以前紹介した「味噌めしやまるたま」では玉那覇味噌醤油の味噌を使った味噌づくしの料理が味わえます。
玉那覇味噌醤油住所:那覇市首里大中町1-41
安谷川(あだにがー)
中城御殿の脇を通って、坂道を下ると突然と言った感じで左手に階段があります。
その階段を下ると安谷川です。
屋根と囲いは後からつけられたものと考えられているそうで、地域の庶民の共同井戸として使われていました。井戸として水を得るだけでなく、排水もきちんと考えられて機能しています。
住宅地のまん中に湧き水がそのまま残っていて大切にされているのは素晴らしいですね。
安谷川住所:那覇市首里大中町1-61-2 付近
宝口樋川(たからぐちひーじゃー)
モノレール儀保駅から市立病院へ行く道の途中に道しるべがあるのをご存じでしょうか。
ここを曲がって
川沿いの石畳道を進むと
宝口樋川(たからぐちひーじゃー)があります。
飲料水と洗濯用水など目的別に分けて、それぞれに水槽が設置されています。きっとホントの井戸端会議があったのだろうなと、いにしえの人々の情景が目に浮かぶようです。
島にしては真水が得られやすいとは言っても、水が貴重なものだったのでほとんどの湧き水は信仰の対象となっていて香炉が置かれてあります。
そして、この宝口樋川のすぐそばには美しい滝があるのです。
儀保駅からも首里城からも歩けるところに、こんな美しい滝があるなんて。すぐそこに車が走っているのがウソのようです。
私は教えて貰ってこの滝を知りました。それ以降ここは私のパワースポットになっているので、マイナスイオンを補給しに折に触れて訪れています。
宝口樋川住所:那覇市首里儀保町4-80 付近
湧き水めぐりは階段が急だったり、滑りやすい坂道もありますので晴れた日に履きなれた靴で訪れることをオススメします。
以前紹介した壺屋やちむん通りや金城町石畳道でも湧き水を紹介しています。合わせて読んでいただけると嬉しいです。
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