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コンドームは男と女のどちらが買うのか、データを調査してみた

坂口孝則コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家
真面目にコンドームの消費行動を分析しました(写真:アフロ)

私はさまざまな消費行動を分析しています。

あるとき、コンドームの消費について興味をもちました。というのも、有名な女性ブロガーが「コンドームは男性が買ってほしい。女性に買わせないでほしい」と書いていたからです。これは考えるに、消費の文化的な側面を考えるに示唆的ではないか。そう考えて、実際にPOSデータを分析してみることにしました。

調べた結果がこれです。2016年09月の全国ドラッグストアで、商品名に「コンドーム」とつくものを、男女どちらが購入したかを集計しました。なお、POSデータは一般公開されていません。

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データ提供元:カスタマー・コミュニケーションズ株式会社「TRUE DATA」

※2016年11月07日時点のデータに基づき、算出しています。

「TRUE DATA」は、全国のドラッグストア、スーパーマーケットなどの消費者購買情報を統計化した標準データベース。

全国延べ5,000万人規模の購買情報から構成され、性別、年代情報をカバーしています。

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性別が不明確な(?)方がいますので、合計で100%にはなりませんが、これを見ると、男性がやはり女性以上ですから、有名ブロガーはご安心ください。7割が男性という結果になりました。

これ以降の比率ですが、全体の購買比率100%にたいして、男性の購入比率と女性の購入比率をわけたものになっています。

これを見ると、「コンドームは男性が買って準備するもの」という常識が正しいように思います。男性がやはり購入しています。ドラッグストアは女性の来店が多いとはいえ、この商品については男性が「調達」しているのです。

しかし、興味深いのが、地域別のデータです。つまり、全国では男性が7割を占めているにしても、地域ごとに差があるのではないかと考え、調査したところ、あまりに面白い差が出ました。

まず男性別をご覧ください。

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それぞれの地域の購入率を100%として、そのうち男性がどれだけの購入率か、というものです。

これを見ると、保守的というべきか、九州(西日本)の男性はだいぶコンドームを買う比率が低く、女性に任せていることがわかります。さらに、北日本にいたっては、購買率が半分を切ります!

こんなのランキングにするのかよ、というツッコミはあるでしょうが、コンドームを購入しない男性ランキングです。

●地域・購入%

●北日本・48.44

●西日本・68.76

●近畿・75

●中部・76.09

●関東・77.12

これをご覧になって、いかが感じるでしょうか。私は九州出身で、いまは関東在住ですけれども、ふむー関東の男性は優しいのですね。ま、買うからって優しいとは限りませんが。でも、北日本と西日本がランキング上位というのは、なんとなく面白い気がします。

その逆数にすぎませんが、女性をご覧ください。

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おなじく、コンドームを購入しない女性ランキングです。

●地域・購入%

●関東・22.88

●中部・23.91

●近畿・25

●西日本・31.25

●北日本・51.56

男性が買わないから当たり前ですけれども、西日本と北日本では女性の購入する比率が高くなっています。

まとめるとこうなりました。

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繰り返し、私はさまざまな消費行動を真面目に分析しています。消費社会学的にきわめて興味深いと思うからです。それにしても、コンドームの消費でこれだけの差がつくのですね。

データは間違いありません。ただ、各地域の方々の実感としてどうでしょうか。

コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家

テレビ・ラジオコメンテーター(レギュラーは日テレ「スッキリ!!」等)。大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務、原価企画に従事。その後、コンサルタントとしてサプライチェーン革新や小売業改革などに携わる。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、サプライチェーン学講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書27作

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