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“ニセ片岡鶴太郎”クラブハウスに登場 “なりすまし”は多発するか?

岡田有花フリーランス記者
太田プロの片岡鶴太郎さん紹介ページより

Clubhouseに"ニセの片岡鶴太郎"?

 「現在、音声SNS『Clubhouse」にて片岡鶴太郎を名乗ったアカウントが出てきております。本人、スタッフ含め無関係のものです。皆さまくれぐれもご注意ください」

 片岡鶴太郎さんが所属する太田プロダクションが2月10日、公式Twitterでこんな注意を呼び掛けた。

iOS用音声SNSアプリ「Clubhouse」(クラブハウス)を検索すると確かに、「片岡鶴太郎」と名乗るユーザーが1人いる。ただ、12日時点でアイコンは女性になっており、フォロー・フォロワーとも10人未満ときわめて少ない。なりすましを狙っているにしてはかなり稚拙で、本気でなりすますつもりはないのかもしれない。

Clubhouseに実在する「片岡鶴太郎」を名乗るアカウント
Clubhouseに実在する「片岡鶴太郎」を名乗るアカウント

なりすましはTwitterより困難?

 Clubhouseは、1月末ごろから日本でも話題を集めている、米国発の音声SNSだ。ユーザー同士で、ディスカッションの場「ルーム」を開いて話し合ったり、その音声を、他のユーザーに聞いてもらったりできる。

 著名人の利用も多く、例えば、秋本康さんや小室哲哉さん、市川海老蔵さん、池江璃花子さん、武井壮さんなどなど、多彩な面々が参加している。

 Clubhouseで今後、“なりすまし”が多発する可能性はあるだろうか? 筆者の推測では、「あり得るが、多発はしない」だ。

 Clubhouseは「実名」での登録が原則だが、ニックネームやハンドルネームで登録しているユーザーも多い。氏名は自分で自由に決められるため、芸能人の名前を名乗ることも可能ではある。

 ただ、「なりすます」のはそう簡単ではない。氏名を芸能人のものにして、本人の画像を拝借してプロフィール画面にしたとしても、Clubhouseでしゃべるときの「音声」を本人そっくりにするのは、ものまね芸人でもない限り、至難の業だろう

 Clubhouseのアカウントは電話番号ごとに1つしか持てず、名前を変更できるのは「一度きり」だ。Twitterのように電話番号1つで複数アカウントを操ったり、名前を何度も変えることはできないので、その分、なりすましはしづらいと言える。

 ただ、ここ最近は、スパムと思われるアカウントも増えているため、悪意のあるユーザーがいる可能性については、十分に注意する必要があるだろう。

本人かどうか、確認するには

 またClubhouseのアカウントは、Twitter・Instagramアカウントと連携できるのだが、連携するには、各サービスにログインする必要がある。公式アカウントを持っている芸能人は、Twitter・Instagramと連携させることで、本人だと示すことができる。

 逆に言うと、公式Twitter・Instagramを持っている芸能人を名乗るClubhouseアカウントに、それらが連携されていなければ、偽物の可能性もある、と判断できる

 また、著名人によるフォローも判断材料になるだろう。本人だと確認できている芸能人からフォローされている芸能人は、おそらく本人だろう――などと判断できる

声マネ王国Clubhouse、「アナゴさん」も大量に

 一方で、ものまね芸人や、ものまねの上手な一般の人が、声まねを披露しあうトークルームも、Clubhouseには多い。

 最も知名度が高いのは「アナゴハウス」だろう。サザエさんの「アナゴさん」の声まねが上手い人が、タラちゃん、カツオなど他のサザエさんキャラの声まね上手と一緒に、“アニメではありえない”サザエさんワールドを展開する場だ

 アナゴハウスには、サザエさんキャラだけではなく、クレヨンしんちゃんやピカチュウ、iOSの「Siri」など、タイミングに応じてさまざまなキャラが参加し、カオスな場になっている。

 ちなみに、声まねで参加している人は、本名やニックネームなどで登録した上で、アイコンだけをそのキャラクターにしているケースが多い。その使い方には、声まねを楽しみつつも、本人になりすますつもりはない――という意思が見える。

フリーランス記者

1978年生まれ。京都大学卒。IT系ニュースサイト記者、Webベンチャーを経て、IT・Web分野を軸に幅広く取材、執筆するフリーランス記者。著書に「ネットで人生、変わりましたか」(ソフトバンククリエイティブ)。

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