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サンウルブズ3年目のシーズンへ。立川理道、2019年への旅。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真は実質的な副将としてプレーした1年目。(写真:アフロスポーツ)

 国際リーグのスーパーラグビーへ日本から参戦するサンウルブズは、2018年、発足3シーズン目を迎える。1月15、16日は一部選手がメディカルチェックのため都内に集合。日本代表でもある立川理道が展望を語った。

 4年に1度あるワールドカップ自国開催を2年後に控えるなか、日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは今季からサンウルブズの指揮官も兼任。サンウルブズの日本代表強化機関としての機能をより強めたいとする。

 立川は2015年のワールドカップイングランド大会で活躍するなど、長らく日本代表の主軸として活躍。サンウルブズでも中心選手としての活躍が期待される。今度のメディカルチェックの機会は共同取材に応じ、その胸中を明かした。

 以下、共同取材機会の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今季は。

「ジェイミーがヘッドコーチをすることで日本代表との連携もより強くなると思いますし、(両者が)同じようなことをすることで、代表のセレクションの面でもいままでとは違ったいい流れになってくると思います。いいコミュニケーションを取りながら、結果を出していきたい。

(チームには)日本代表に選ばれている選手や、これから選ばれる選手が入っていると思います。それらの選手の強化に繋がるシーズンにしたいです。日本代表として集まれる時間は短いと思うので、(サンウルブズとして)毎週、毎週、試合をしていくことを強化に繋げないと、ワールドカップで結果を出すのも難しいと思います」

――サンウルブズは海外出身選手の多い多国籍軍。特に今季は新加入勢も多い。

「コミュニケーションの部分で、チームになるのに時間がかかるかもしれないので、その部分のことを初日からやっていきたい。外国人選手は英語が堪能で、他の国の選手ともすぐに打ち解けられる。日本人がそこへ入ることで、あまり(誰かが)孤立しないようなチームになっていけばいいと思います」

――チームの公式目標は「5位以上」。

「高い目標ですが、それに応じたメンバーが選ばれていると思います。開幕までの時間でいい準備をして、勝ち切れるように。僅差になってゆく試合を勝てるようにしていきたいですし、強いチームにもしっかりとチャレンジしていきたい。順位も、そういうところで変わってゆく」

――開幕でぶつかるブランビーズは、2014年に留学していたチームです。

「個人的にも行かせてもらっていて、一緒に(練習を)やったことのある選手もいるので楽しみです。テビタ・クリンドラニ、ヘンリー・スパイトは仲良くもしてもらいましたし、2年前にオーストラリアで(サンウルブズとして)試合をした時も、『今度は日本で…』というような話をしました」

――2019年のワールドカップを戦う日本代表の強化に向けて、今季のサンウルブズでのシーズンをどういうものにしていきたいか。

「ジェイミーがやるラグビーを皆が理解して、日本代表がこれで戦うという武器を確立させていかないと、2019年はいい結果を残せないと思います。

 11月のツアーはすごくよかった。個人的には怪我(2017年2月)から復帰してパフォーマンスも上がってきましたし、チームもひとつになってきている感じもあって、リーチ マイケルさんをはじめリーダー陣を確立してきました。コアな選手がリードできるよう、チームが動き出した。

 若手の選手が意見を出すようになりましたし、ひとりひとりがやろうとしているラグビーを理解してきて、それが形になったのがトンガ代表戦(39―6で勝利)、フランス代表戦(23-23で引き分け)でした。6月はまだ不安が残ったままプレーしていた部分が選手間でもあったかもしれないですが、そういうものが少しずつ取れていって、自信を持ってプレーしているかと思います。

 それが(今季の)サンウルブズのシーズンで人が離れたりして、イチからチームを作り直すとなったら、時間が本当にもったいないと思う。リーダー陣が連携を取っていきたい。やるラグビーの戦術に応じてどんなスキルが必要かも、個人個人で考えていく必要があると思います」

――秋の日本代表では、ジョン・プラムツリー新ディフェンスコーチが鋭く前に出る防御システムを落とし込みました。もっとも今季のサンウルブズでは契約の都合上、プラムツリーは合流できません。サンウルブズにはスコット・ハンセンディフェンスコーチが帯同しますが…。

「代表とまた違うことをするのは考えにくい。変えてゆく必要性もない。(実際にどうなるかは)わからないですが、教え方が違うだけで同じようなシステムをやると思います。しっかりとコーチと連携を取りながら、選手間でも自立してシステムを構築していきたいです」

――日本代表のキャプテンであるリーチ マイケルもサンウルブズに参画。

「サンウルブズにとってはありがたいことですが、リーチさんが1人になって負担がかからないよう、しっかりとサポートしていきたいです」

――サンウルブズのキャプテンは誰が。

「これだけ外国人が多いので、個人的には外国人がやってもいいのかなとも思います。ジェイミーは共同キャプテンを敷くことも多い。外国人と日本人の若手(という組み合わせ)にすると、若手のリーダーが育つ感じにもなる」

――オーストラリア勢にはここまで未勝利。

「歴史を刻むにはそこを勝っていかなくてはいけないと思いますし、特にホームゲームではしっかりと勝っていきたいです。オーストラリアのなかでもチームのカラーも違うので、それぞれに合わせていけたら」

 昨秋の日本代表メンバーには、まだ今季のサンウルブズへの参加を発表していない選手もいる。もっとも立川は、「NDS(ナショナル・デベロップメントスコッド。ジョセフ肝いりの強化機関)も使って強化は図っていくと思う。そんなに心配はしていない」と体制側の仕事を信じる。自分に矢印を向ける。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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