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他社とは別進化したお掃除ロボットFreo X Ultraの今後がさらに楽しみ

木村ヒデノリテックジャーナリスト/兼業主夫

 お掃除ロボットに新たな時代が来ました。仕事柄iRobot、ECOVACSなど様々なお掃除ロボットを使ってみる中で、Freoは他のどの会社もやっていない機能を新型に盛り盛りで搭載してきました。

 今のところ私が一番おすすめできるお掃除ロボットです。

 Freoは旧モデルからゴミをステーションに吸引する機能を持たないものの、 床を綺麗にする(ゴミの吸引と水拭き)能力と静音性がずば抜けています。もちろん私の家庭が乳児がいるなど静音性にメリットを感じる環境にあるのはわかっていますが、それでも週末の朝、スケジュールで動き始めても吸引音で起こされないというのはどの家庭でも快適なのでは?と思います。

私の記事ではYahoo!ニュースの規約に準ずる範囲で企業から製品の提供や貸し出しを受けて書いています。しかしながら、実際に使ってみて記事を書く基準に達していないと感じられた製品、また良いと思う点よりも大幅に悪い点が上回る製品に関しては全て返却して記事化を見送っています。企業からの報酬等も一切ありません。

毛が絡まらないからツールがなくなった

 この部分がまず他社にはない発想です。ダイソンなどで採用されている毛がブラシに絡まらない構造をいち早くお掃除ロボットに採用しました。旧モデルでは本体内に毛を切ったり綺麗にするツールが内蔵されていて便利でしたが、新モデルではそれさえなくなったことからかなりの自信が垣間見えます。

旧モデルには絡まった毛を切るツールが内蔵されていた
旧モデルには絡まった毛を切るツールが内蔵されていた

新モデルでは全体がゴミバックになっている
新モデルでは全体がゴミバックになっている

 ブラシが円錐形に変わったことで毛が絡まることなくゴミバックに吸引されるのでブラシのケアが不要になったほか、ゴミバックのスペースも大きくなりました。

 他社のお掃除ロボットがどれも横並びな中で、こうしたユーザー目線の「手間を省く工夫」を入れてきているのは非常に好感が持てました。

ブラシの形状を変えることで手入れの負担が大幅に軽減された
ブラシの形状を変えることで手入れの負担が大幅に軽減された

「ステーションに吸引する」以外の選択肢でゴミ捨てを軽減

 最近のお掃除ロボットでは、水拭きもできてゴミ捨てもステーションに吸引、という流れが主流でしたが、ここでもFreoは新しい選択肢を提示してくれました。

 ステーションに吸引する方式は便利な一方、吸引時にものすごく大きな音がするデメリットがありました。SwitchBotのロボットなどでは、この吸引時間を任意の時間に設定できるなど、清掃直後に大音量が鳴ってしまうのを防いでいましたが、Freoのアプローチは全く異なるものです。

 なんと、ゴミバッグ自体を圧縮できるものにし、7週間ゴミ捨てをしなくてもそのまま使い続けられるんです。さらに使い捨てバッグなのでそのままフィルターごと捨てられるという便利さ。ランニングコストは出るものの、フィルターを清掃する手間がなくなったので相対的に良くなったと感じます。

ゴミバッグがフィルターを一体型になり掃除ごとにゴミを圧縮、7週間使える形状に
ゴミバッグがフィルターを一体型になり掃除ごとにゴミを圧縮、7週間使える形状に

 私はフィルターを掃除しないと吸引力が落ちるのでこまめに手入れしていたのですが、そもそも「フィルターなんて一度も掃除しないよ?」というユーザーも多いのが現状。

 フィルター掃除の手間を省きつつ、交換時にフィルターまで新しくなるように設計し直したのは素晴らしい発想の転換だと感じました。

 さらにこのランニングコストが気になる方は今まで通りのゴミケースも使えます。痒い所に手が届く気配りに感動です。

これまで通りのゴミケースも付属するのでコストが気になる人はこちらを使えばOK
これまで通りのゴミケースも付属するのでコストが気になる人はこちらを使えばOK

底面全体が開いてゴミを捨てやすい。旧モデルより大容量になった点もGOOD
底面全体が開いてゴミを捨てやすい。旧モデルより大容量になった点もGOOD

レーダーやAIが大幅に進化、マッピングも優秀

 見た目がほぼ同じなのでわかりづらいが、機能で比較するとレーダーやAI機能が大幅に進化しています。

センサー類が追加され、掃除時間がさらに効率化された
センサー類が追加され、掃除時間がさらに効率化された

天気に合わせてモップの湿度を変えてくれるなどAI機能も進化
天気に合わせてモップの湿度を変えてくれるなどAI機能も進化

何かが置いてあって長期間掃除をしていない場所も把握して念入りに綺麗にしてくれる
何かが置いてあって長期間掃除をしていない場所も把握して念入りに綺麗にしてくれる

右が旧Freo、左が新型。ダストボックスの容量からセンサー、吸引力、モップ形状などかなりの進化を遂げている
右が旧Freo、左が新型。ダストボックスの容量からセンサー、吸引力、モップ形状などかなりの進化を遂げている

 使ってみてすぐに実感できたのは「掃除の効率が格段に良くなっている!」というところ。旧型も清掃に関しては不満を感じていませんでしたが、新型ではもう終わったの?と思うくらい早くなっています。早すぎて心配なほどなので確認しに行くと、ちゃんと綺麗になっている。モップが三角形なのもFreoの良いところで、拭き掃除後に中心線(拭き残し)が残ってしまうこともありません。

真ん中に拭き残しがなくなるようなモップ形状になっている
真ん中に拭き残しがなくなるようなモップ形状になっている

部屋を指定して綺麗にできるほか、ここだけ、という指定ができるのは以前のモデルからで優秀
部屋を指定して綺麗にできるほか、ここだけ、という指定ができるのは以前のモデルからで優秀

 さらに拭き掃除が7Nから12Nまで圧力を変えてできるようになったことで畳も拭き掃除できるようになりました。マップもメインだけでなくサブを4つ登録できるようになったので、一戸建てで2階を掃除したい時、玄関を掃除したい時、和室を掃除したい時など様々なケースに対応できるように。実用度MAXの印象です!

畳が掃除できる水拭きロボットというのには驚いた
畳が掃除できる水拭きロボットというのには驚いた

ほぼ完璧だが少しだけ改善してほしい点も

 お掃除ロボットとしては他社に類を見ない進化を遂げた新型Freo X Ultraですが、2点だけ改善してほしいなと思った点がありました。

 まず1点目はエッジ掃除。新型では本体を横にスライドさせながら家具の小さな隙間まで清掃できるのがメリットですが、実際やってみると家具に本体が当たらないように掃除していくため、隙間があまり綺麗になりませんでした。

家具の下の隙間まで綺麗にできる、という機能だが実際は家具とのスペースの関係であまり綺麗にならなかった
家具の下の隙間まで綺麗にできる、という機能だが実際は家具とのスペースの関係であまり綺麗にならなかった

 ここはファームウェアアップデートなどで対応できると思うので今後のアップデートでぜひ改善してほしいと思います。

 もう一つはステーションのディスプレイです。以前はこのディスプレイから自分でプリセットした掃除メニュー(例えばキッチンだけ吸引後に水拭きする、など)を選んで開始できました。

以前のディスプレイではプリセットを選んで掃除開始できた
以前のディスプレイではプリセットを選んで掃除開始できた

 しかし新型のステーションでは掃除開始はできるものの、プリセットを選ぶ機能などが省かれてしまいました。アプリからは操作できるので問題ないと言えばそうなのですが、他社の製品と違いアプリを介さずとも本体だけで自分が設定した掃除が開始できるのは大きなメリットだったので、ここは次世代モデルで元に戻してほしいなと感じました。

他社にない選択肢をふんだんに搭載した優秀なロボット

 前述した2点だけは気になりましたが、総合的に見ると他社にない選択肢をふんだんに搭載しており非常に優秀なお掃除ロボットです。

 実用性で選ぶなら、2024年6月時点でベストなお掃除ロボットでした。

公式サイト
Freo Japan
製品サイト
Freo X Ultra

テックジャーナリスト/兼業主夫

バークリー音楽大学映画音楽作曲科卒。家事育児をしながらレビュー記事や動画を作っています。ガジェット好きが高じて築50年団地をスマートハウスにリノベ、沸騰ワード10で紹介されました。家事時短できる製品から育児に役立つハイテクおもちゃまで幅広く紹介していけたらと思っています。

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