有名な「春すぎて…」の句、菜の花、ハス、コスモスが美しい古代へ思いはせる場所 百人一首の旅(#2)
旅行歴500泊、関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
昨年の大河「光る君へ」やNHK「ブラタモリ」、TBSの「海に眠るダイヤモンド」に登場し、注目を集めているのが百人一首。このシリーズでは旅に結び付けて、わかりやすく解説します。
#2 春すぎて 夏来(き)にけらし 白妙(しろたへ)の
衣ほすてふ 天(あま)の香具山(かぐやま)
香具山(奈良県橿原市)
奈良駅から南へ、JR桜井線で約30分で香久山駅へ。駅から20分強の場所に香具山はあります。
尾根の先が風雨などによる浸食を経て、残った部分で丘の形状です。もとは天にあり、地上に降りてきたという伝説があり、信仰を集めてきました。
この和歌を詠んだ持統天皇が治めた、(平城京の1つ前の都)藤原宮跡(地図)は、菜の花やハス(写真)、コスモスなど季節の花が美しく、近くには歌碑があり、香具山の姿もよく見えます。
#2 春すぎて 夏来(き)にけらし 白妙(しろたへ)の 衣ほすてふ 天(あま)の香具山(かぐやま)
(意訳)いつの間にか春が過ぎて、夏がやってきたようだ。夏になると真っ白な服を干すという、香具山の姿よ。
(作)持統天皇
百人一首は、風景を差し出して心情を歌う、いわば写メール手法(写真に短文を添付)で歌われた和歌が多いです。
この第2首は、風景を差し出して、そのまま風景の解説をするような構成となっています。
覚えておくと自慢できるポイント
春と夏を対比したことで、時の経過が印象に残ります。当時の人は香具山の緑あふれる姿を知っていたため、白と緑の対比も鮮やかです。
和歌を知ることで、旅をより深めることができます。
(参考文献)原色 小倉百人一首/文英堂
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