仕事始め 今年こそ「良い文章やプレゼン」を、6千万人に読まれた旅ライターが解説
旅行歴500泊、関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
年が変わり、新たな気持ちで仕事に臨もうという方も多い時期です。
今回は、仕事で文章や企画書、プレゼンなどに携わる方のために、これまで10年間にのべ6千万人に記事を読んで頂いた筆者が、僭越(せんえつ)ながら、文章を書くコツをいくつかご紹介します。
Q 文章を簡潔にまとめるのが難しいのですが?
文章がうまくまとまらないというご質問は、よく頂きます。筆者の場合は、文章を書くときに「準備できた材料」の約7割をカットするようにしています。
どのようなテーマでも、書き手はそのことに興味があり、詳しいものですが、読み手はそこまでの熱はないこともあります。
スマホが普及し情報過多となり、時間がない方が多いなか、少しでも早く読み終えて頂くことの優先順位は高いです。
編集力が高いと専門家から評判の高い、NHKの旅番組の「ブラタモリ」では、どの旅でもテーマは1つだけ。先日の特番では、3日間に渡り7か所の旅先を巡ったにも関わらず、「徳川家の思惑」というワンテーマに絞っていました。
文章やプレゼンの長さにもよりますが、まずはワンテーマを形(理屈、具体例、体験談、データなど)を変えてくり返すことがポイントです。
なお、冒頭に結論を書くべきという意見もありますが、時と場合によります。国語的に、冒頭に書くことになっているのは趣旨(文章の狙いであり、主旨とは少し異なる)となり、結論でも、結論の方向性でも、テーマの説明だけでも、構いません。
形を変えてくり返すとは?
例えば「京都はいいよ~」という理屈は、金閣寺の良さを説明したり(具体例)、旅行の感想を添えたり(体験談)、金閣寺の写真を示したりして説明できます。いずれにしても「京都はよい」という主張を、形を変えてくり返していることとなります。
Q 文章を興味を引き、印象に残るようにまとめるには、どうしたらよい?
興味を引き、印象に残る文章を書きたいという質問もよく頂きます。
文章を構成する要素には、前提となる基礎知識、理屈(主張)、具体例、体験談、データなどがあります。
このなかで多くの人が好むのは、具体例、体験談、そしてシンプルなデータです。また、使用してよい場合、写真やシンプルな図表も好まれます。
おおむね、頭の中に絵が作りやすい内容や、キリが良い数字が印象に残ると覚えておきます。
そこで理屈よりも、具体例、体験談、データ、写真、図表の面積を多くし、その準備(ネタ集め、作成など)に時間をかけるのがおすすめです。
データや図表は相手が専門家で詳細な数字を求めている場合を除き、なるべくシンプルにします。図表は、文字の数や色づかいをなるべく絞ります。
Q 難しい言葉を使ってしまったり、内容が難しいと言われたりします。
内容が難しいと指摘される。これもよく頂く質問です。
筆者は、関東圏の旅行記事を書くことが多いですが、実は出身が東京でないことが有利に働いています。
東京出身の記者の場合、細かな地名などを幼い頃から自然に覚えてしまっており、地名などの説明が薄い、万人向けでない文章になることがあります。筆者の場合は、「上京してきた時に自分が知っていたかどうか」を基準に、説明の強弱をつけています。
例えば、新宿、渋谷、上野といった地名なら注釈は入れませんが、自由が丘、代官山、北千住であれば、イメージしやすいように誘導をつけます。
会社員の方であれば、入社当時に時計を巻き戻してみるとよいです、ただし、顧客が詳しい場合は、その水準に合わせてゆきます。
良い文章のコツ
・なるべくワンテーマで。形を変えてくり返す。
・好まれる形は、具体例、体験談、写真。シンプルなデータや図表。
・扱う内容に関して、自分が詳しくなかった時点に時計を巻き戻す。
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