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台風14号は猛烈な台風へ発達、”台風特別警報級の勢力”で九州南部へ接近も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
鋭い眼を持つ台風14号の雲(ウェザーマップ)

猛烈な台風に発達、米軍発表ではスーパー台風へ発達

台風14号の予報円(ウェザーマップ)
台風14号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

タイトル画像をみると、台風14号に伴う雲の中心付近に鋭い眼がポツンとはっきり見えており、勢力が非常に強いことがうかがえます。(台風は中心の眼が見えるほど、その眼が小さいほど、勢力が強い)

台風14号は、きょう17日(土)午前3時現在、中心気圧910hPa、最大風速55メートル、最大瞬間風速75メートルの台風としては最も強い猛烈な勢力に発達し、北西へ進んでいます。

米軍合同台風警報センターの昨夜午後9時の発表でも、最大風速(1分平均)約65メートル、最大瞬間風速約80メートルのスーパー台風と解析されています。

台風14号は今後も猛烈な勢力を維持しながらあす18日(日)午前3時には奄美地方にかなり接近し、午後には九州南部へ接近、上陸するおそれもあります。気象庁の今後の検討にもよりますが、台風による特別警報も視野に入りそうな危険な勢力での九州南部接近となりそうです。

強い台風が襲来しやすい九州南部といえど、今回の台風14号は危険極まりなく、大型自動車が横転したり、ブロック塀が倒れたり、木造家屋が倒壊したりするような、過去に経験したことがないような猛烈な風に見舞われるおそれがあります。

台風等による特別警報の指標

気象庁発表
気象庁発表

上図は気象庁が台風による特別警報を発表する指標を示したもので、本州付近では中心気圧930hPa以下、または最大風速50メートル以上(最大瞬間風速70メートル程度以上に相当)が条件となっています。

今回の台風14号は九州南部接近時に、この指標を満たす可能性が十分にあります。

指標を満たす例

気象庁発表
気象庁発表

上図は本州付近での台風による特別警報の指標を満たす例です。昭和の時代に大災害をもたらした台風をはじめ、近年では1993年(平成5年)台風13号が挙げられています。

特別警報が検討された台風

鹿児島県で特別警報が検討された台風(速報値、ウェザーマップ)
鹿児島県で特別警報が検討された台風(速報値、ウェザーマップ)

特別警報の運用が開始された2013年以降、沖縄地方には2度、台風による特別警報が発表されていますが、九州南部(鹿児島県)でも発表が検討されたのが上図、2020年台風10号です。

この台風は南の海上で猛烈な勢力となり、特別警報の指標を満たす920hPa程度で九州南部へ接近することが予想され、接近の前日には特別警報が発表される見通しとなりましたが、当日には基準を下回ったとして、発表が見送られました。

今回の台風14号で、もし台風に伴う特別警報が発表されれば、沖縄地方以外では初めてのこととなります。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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