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興行収入400億円突破なるか:劇場版「鬼滅の刃」無限列車編、本日の興行成績発表に殊更注目が集まる訳

小新井涼アニメウォッチャー
(写真:西村尚己/アフロ)

昨年の公開以降、半年以上のロングラン上映が続く劇場版「鬼滅の刃」無限列車編。

先月からの米国公開とそこでの評判も相まって、国内外のメディアでも益々話題になっています。

そんな中、現在国内で改めて注目が集まっているのが、本作の国内興行成績の推移です。

中でも本日公表されるであろう週明けの興行成績発表は、本作のヒットに関心を寄せる多くの人々はもちろん、特に熱心な作品ファンにとっては殊更注目すべき出来事となっています。

■前人未踏の興行収入400億円への注目

本作のヒットに関心を寄せる多くの人々が現在特に注目しているのは、本作が日本映画史において前人未踏であった興行収入400億円をいつ突破するのか、についてでしょう。

本作は、昨年10月に公開されるやいなや、国内史上最速で興行収入100億円を突破。昨年末に324億円を記録し国内歴代興行収入ランキング1位となった後も、未だにその記録を伸ばし続けています。(グラフ1)

そんな本作の最新の興行収入記録は、先週5月6日に発表された398.8億円。

気づけば国内映画史上前人未踏の400億円に迫るこの数字に、緊急事態宣言下とはいえ、今月中にはその快挙も成し遂げられるだろうと、現在は毎週明けの興行収入発表に、より一層の注目が集まっているのです。

グラフ1.劇場版「鬼滅の刃」無限列車編興行成績推移https://www.oricon.co.jp/news/2192496/full/内データを基に筆者作成(y軸単位/億)
グラフ1.劇場版「鬼滅の刃」無限列車編興行成績推移https://www.oricon.co.jp/news/2192496/full/内データを基に筆者作成(y軸単位/億)

■本日400億を突破するかもしれないことの意味

そんな中でも、殊更“本日の”興行成績発表に熱視線が集まっているのには、そうした興行的な意味以外でも大きな理由があります。

それは本日5月10日が、本作無限列車編のキーパーソンである煉獄杏寿郎の誕生日であることです。

実際に本日0時を過ぎると同時に、多くの人が煉獄さんをお祝いしており、SNSでは早速「#煉獄杏寿郎誕生祭2021」や「煉獄さん」などがトレンド入りを果たしました。

そもそも煉獄さんや鬼滅キャラに限らず、アニメや漫画、ゲームのファンにとって、誕生日が公表されているキャラクターをお祝いすることは、大切な年中行事のひとつです。

たとえ架空であっても、好きなキャラクターがこの世に生まれてきてくれた日。そのことに感謝して、メッセージやイラスト、ケーキや祭壇などを用意してお祝いすることへの気合の入りようは、下手をするとリアルでの誕生日イベントへの情熱をも上回ります。

そんな作品ファン、煉獄さんファンにとってはただでさえ特別な日に、彼が最も鮮烈に描かれたエピソードが歴史的な記録を生み出すかもしれない…。それを同時にお祝いすることができるかもしれない…。ということは、400億といった数字や前人未踏といった世間的な評価やとはまた別に、特別な意味を持つ、狙っていたって出来ない奇跡的な事態でもあります。

そうした意味でも、本日の興行成績発表には、いつになく作品ファンや煉獄さんファンからも、熱い期待が集まっているのです。

(だからといって、その期待は『絶対に今日達成されなきゃ嫌だ』というよりは『今日達成されたらどんなにすごいことだろう…!』というものなので、たとえ本日400億円突破が達成できなかったとしても”がっかりして台無し”ということはなく、当たり前ですがファンにとって誕生日をお祝いする気持ちや今年の5月10日が特別な日であることに変わりはありません)

しかしこうした注目が集まる一方で、3度目の緊急事態宣言とその延長によって、現在本作のみならず国内の興行シーンは、再三の大きなダメージを受けています。

本来であれば本日より配布予定であった「煉獄杏寿郎 誕生日記念入場者プレゼント」も、情勢を鑑みて配布の延期が発表されました。

こうした状況もあり、もしかすると本日の発表では難しいのかもしれませんが、それでも、興行収入400億円突破自体がそう遠くないうちに達成されることはまず間違いないでしょう。

公開当初、『煉獄さんを200億の男に、300億の男に…』と言われたころでさえ出てこなかった400億という数字がみえてきた今、順次公開中の海外だけでなく、引き続き日本国内での本作の快進撃も、まだまだ続きそうです。

※映画をご覧の際は、引き続き感染対策と予防を十分に行ってご鑑賞ください

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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