2024年ベストラーメンTOP10! 全国のラーメンを食べ歩くラーメンライターが厳選
今回は、2024年に私が食べたラーメンの中で、特に思い出に残った10店をご紹介したい。
ベスト10を決めるにあたって、何度か訪れているお店(リピート店)は除外させていただき、私が今年初めて訪れたお店に限定し、何とか10店に絞ってみた。ぜひ食べ歩きの参考にしていただきたい。
第10位.ラーメン 銀閣(伏見(京都))
1974年創業の京都の伏見エリアのレジェンド。
「ラーメン」を注文。豚骨と鶏ガラのスープだが、豚骨が熟成しておりいい香り。
豚骨のボディがしっかりながら鶏も強めでバランスが良く、とんでもなく旨い。ここにしなやかな麺と九条ネギが最高。途中でお酢を加えるのもオススメ。
ヤキメシはしっとりと油をまとった米に九条ネギのシャキッと感が良く、これぞ京都風。
ギョウザは大きめに切られたキャベツと生姜感が特徴で、これも素晴らしい仕上がり。
お客さんがみんなお腹いっぱいになるまでガーっと食べていて、これぞ地元に愛されるお店。最高。
第9位.藤味亭(東別院(名古屋))
名古屋のご当地ラーメン「好来系」のお店で総本山の「好来道場」の孫弟子にあたるお店。1999年創業。
「ラーメン 松」注文。
具はチャーシュー、メンマ、ネギ。
根菜をメインに魚や昆布、鶏、豚、ニンニクなどからダシを取り、滋養強壮にも効果があると言われるスープ「秘法和漢根菜汁」が好来系の特徴。好来系にしてはかなりダシが深く、動物系の厚みがしっかりあるのが新しい
バラチャーシューは分厚くて柔らかくてとんでもなく旨い。麺も中太で割としっかり主張がある。ラーメンらしいラーメン。自家製ラー油や高麗人参酢の味変も旨い。
好来系の良さを生かしながら独自の味を追求している名店だ。
第8位.家系ラーメン とらきち家 光(東白楽)
2024年6月に横浜家系ラーメンの名店「とらきち家」が閉店、それから程なくして継承店の「とらきち家 光」がオープン。
「ラーメン」お好み全部普通で注文。
具はチャーシュー、ほうれん草、ネギ、ノリ3枚。麺は太め平打ちの王道家製。威勢が良くて厨房がいい雰囲気。
豚骨の厚み、骨感、醤油感とのバランス全てが素晴らしい。高いレベルでバランスを取っていて、目が覚める旨さ。刻みショウガ、無限ニンニク、粗挽きトウガラシの味変もコクが倍増してこれまた旨い。
ラーメンもお店も家系の元来の魅力が詰まった感じで素晴らしかった!
第7位.博多ラーメン 和(赤坂)
2014年オープンの博多ラーメンのお店だが、味をリニューアルして10年目にして話題のお店に。
「特製和ラーメン」注文。
具はチャーシュー2枚、ワンタン2個、味玉、ノリ、キクラゲ、青ネギ。麺は極細ストレートのトリオ製麺製。
スープは呼び戻しと取り切りのハイブリッドで調整しながら作るガチ炊きド豚骨。
豚と水のみで仕上げていて、程よい熟成臭もあり、表面には泡もある。とんでもない悶絶の旨さ。
一口でその本気度が伝わる旨さで、これぞ博多豚骨の極みという一杯。
替玉が1玉無料。ニンニクへずり、辛モヤシ、紅生姜、辛子高菜で味変。これも美味しい。
行くたびに美味しくなっており、今後が本当に楽しみなお店。
第6位.しののめヌードル(亀戸)
2022年オープン。「Tsurumen Tokyo」の店長がそのまま跡地を引き継いで独立したお店。
このエリアは一気に大激戦区になっている。
「塩ラーメン」注文。麺は手もみ麺をチョイス。
具はチャーシュー2枚、メンマ、ネギ、ノリ。麺は極太縮れの手もみ麺で麺屋棣鄂製。
スープはトリプルスープだそうで、鶏や魚介の芳醇な旨味が広がる。塩ダレもまろやかで絶品中の絶品。
手もみ麺も相性がジャストでシンプルながら最高のバランス。
旨すぎてスープまで完飲。至福。
第5位.豚骨 蒼翔(東高円寺)
東高円寺に2024年5月にできた話題の新店。西国立にある家系「らーめん ぱったぱた」の2号店で、「つばさ家」出身。
「特製ラーメン」注文。家系なのでお好みを聞かれる。全て普通で注文。
具はチャーシュー3種(熟成モモ、肩ロースの炭火焼き、煮豚バラ)、ワンタン、ノリ5枚、味玉、青菜。麺は太めストレート。
豚骨醤油スープはとろんとまろやかで押しの強すぎない一杯。醤油や鶏油をきかせすぎない感じも最近の流行りとは違って、独自の落ち着き。これが非常に美味しい。
3種のチャーシューもしっとりしたモモ、スモーキーな肩ロース、柔らかなバラと三者三様。
「はやしまる」直伝というワンタンも素晴らしい本格派。家系にワンタンというのは珍しいがこれは美味しい。
全体のバランスを見てしっかり仕上げているので、非の打ち所がない。素晴らしいオリジナリティとクオリティにあっぱれ。最高!
第4位.奈つやの中華そば(下丸子)
2024年1月オープンで「TRYラーメン大賞」新人大賞を受賞。店主は「びぎ屋」出身。
店名は奥様の奈津子さんの名前から。寡黙な店主に神接客の奥さんで良い空気感。とんでもない人気で今東京で一番ホットなお店の一つ。
「もちもち雲呑中華そば」を注文。
具はチャーシュー2種類、ワンタン、メンマ、ネギ、ノリ。麺は全粒粉入り細め角切りストレートの菅野製麺所製。
煮干しと節系の魚介の旨みに動物系で厚みをつける。物凄いダシ感でかつ上品。素晴らしい仕上がり。
煮干しをしっかり感じるスープで、ここに麺もいい主張。もち姫を使ったモチモチのワンタンは、餡に生姜が入っていて肉たっぷりながらサッパリ食べられる。煮豚と窯焼きチャーシューも見事。
ハンパない美味しさと居心地の良さに今後がますます楽しみなお店。
第3位.支那そば あおば(西武柳沢)
1998年創業で、店主さんは「支那そばや」の鵠沼時代の出身のレジェンド。佐野実さんの愛弟子だ。
外観からは「支那そばや」出身なことは全然わからない。厨房奥にある麺箱に「支那そばや」の文字がある。
「ラーメン」注文。
具はチャーシュー2枚、メンマ、青ネギ、ノリ。麺は細めストレート。
動物系と昆布の旨味、野菜などがノスタルジックながら複合的な味わいで声が出るレベル。醤油もまろやかながら程よい酸味が気持ち良い。これは貫禄の旨さ。
大ぶりのチャーシューがデフォルトで2枚入るのも贅沢。メンマもたっぷりで嬉しい。
往年の一杯にひれ伏す。素晴らしい仕上がりだった。
第2位.白河手打ち中華 アサガキタ(阿佐ヶ谷)
2023年7月オープンの白河ラーメンのお店。白河出身で「やたべ」で修行した店主が開いたお店。
「チャーシュー入り中華」注文。
具はチャーシュー3種(モモ、肩ロース、かぶり)、青菜、ナルト、メンマ、ノリ、ネギ。麺は自家製手打ちの平打ち縮れ麺。
鶏の深い旨味の極上スープにキレのある醤油が最高マッチング。鶏油に頼りすぎない鶏の旨味の分厚さでハッキリ言って昇天レベル。麺も極上の旨さ。
3種のチャーシューも炭火焼きと窯焼き、醤油の染みたかぶりと三者三様で美味しい。
東京でこんな本格的な白河ラーメンが食べられるなんて夢のようだ。
第1位.塩そば 時空(高井戸)
今年『ミシュランガイド東京』のビブグルマンを獲得した話題店。2023年8月オープン。
「特製塩そば」注文。
具は豚肩ロースチャーシュー、チャーシュー細切れ、大山鶏チャーシュー、軟骨つくね、ネギ、カイワレ。麺は細めストレートの自家製麺。
煮干し、鯖節、貝柱など魚介の旨み溢れるスープは昇天レベル。ダシ感でここまでもってくるのは本当に凄い。乾物のじんわりとした香りと旨味が秀逸。
麺もしなやかながらしっかりと主張し、本当に美味しい。
お肉類も素晴らしい仕上がりで、特に鶏の低温調理の柔らかさは感動モノ。素晴らしい一杯。
これはミシュランも腰を抜かしたに違いない。文句なしの逸品だ。
なお、こちらのベスト10は私がパーソナリティを務めるYouTube「ラーメンミュージシャン井手隊長の 今3時?そうねだいたいね」でも12月31日に紹介するので、ぜひ動画でもチェックしてみてほしい。
※写真はすべて筆者による撮影