J1リーグ後半戦を熱くする衝撃のベスト11
J1リーグも残り10節を残すのみ。悪天候により未消化の試合もありますが、いよいよ優勝争い、ACLの出場権をめぐる争い、残留争いなどが佳境を迎えてきます。
今回は後半戦(第20節以降)に限定して、前半戦よりチームに勝利をもたらす活躍が目立つ、またインパクトを与えている新加入選手を筆者の目線で選び、衝撃のベスト11としました。
GKは飯倉大樹(横浜F・マリノス)をチョイス。ジョン・ハッチンソン新監督のもと、ハイラインをベースとしたスタイルで反攻を目指すマリノスを背後から鼓舞する存在感は絶大です。今年限りでの名古屋退団を表明しているミッチ・ランゲラックやガンバ大阪の堅守を支える一森純も目を引きましたが、彼らは前半戦から安定して良いので、今回のコンセプトを重視して飯倉選手にしました。
右サイドバックはその飯倉と同じく、マリノスの反撃を攻守に導く松原健((横浜F・マリノス)に。センターバックは6連勝のチームで奮闘する中野就斗(サンフレッチェ広島)と荒木隼人(サンフレッチェ広島)の二人。欧州組の実力者が多いポジションなので実現は難しいですが、シンプルな評価としては揃って日本代表に招集されてもおかしくないパフォーマンスを見せています。惜しくも選外でしたが、パリ五輪を経験した成長が見られる川崎の高井幸大、復帰してまだ2試合ですが、マリノスの畠中槙之輔も奮闘が目立っています。
左サイドバックには新加入選手から選手からパク・ミンギュ(北海道コンサドーレ札幌)を選びました。札幌は3バックですが、マンツーマンの強さをベースとしながら、状況に応じた幅広いカバーリングはインパクト大です。兵役から戻ってきた事情はあるようですが、ここから継続的に活躍していけば、町田の大型FWオ・セフンや湘南のGKソン・ボムグンとともに、韓国代表に招集される可能性も十分にあるのではないでしょうか。また今回は選べませんでしたが、町田に新加入した杉岡大暉もここまで、高評価に値するパフォーマンスを見せています。ポリヴァレントでもある中山雄太と良い競争をしながら、さらに継続していければ、代表復帰も見えてくるのではないでしょうか。
中盤は前半戦より活躍が目立つ選手が多く、正直かなり悩みましたが、大﨑玲央(北海道コンサドーレ札幌)は絶対外せないでしょう。最下位に低迷するチームにクオリティと勝負の厳しさを注入し、チームを大きく変えた立役者といえます。残留ラインまで勝ち点7と苦しい状況にありますが、攻撃マインドの強いチームにあって、怪我明けから復調してきたディフェンスリーダーの岡村大八と”Wリーダー”が奇跡的なJ1残留を果たすための後ざさえになることは間違いないでしょう。
大島僚太(川崎フロンターレ)は前半戦を完全に欠場していたところから、ちょうど折り返しの第20節に復帰し、徐々に出場時間を増やしながら、さすがのクオリティを見せてくれています。直接のアシストは記録していませんが、後半戦に川崎がゴールまでの道筋を線で見ると大島の効果がいかに大きいか分かります。
欧州帰りの川辺駿(サンフレッチェ広島)は6連勝中のチームにあって、中盤の稼働力とボールを奪える守備が際立っています。筆者の個人的な見解としては、まだまだ欧州でチャレンジできたと思いますが、働き盛りな年齢で広島に帰ってくるという選択はJリーグにとってもありがたいことです。出場時間の関係で選外としましたが、神戸の井出遥也も周りを生かした効果的なパスが目立っています。
前線は3試合2ゴールなど、新エース的な輝きが目立つ山田新(川崎フロンターレ)、そして新外国人FWラファエル・エリアス(京都サンガ)と原大智(京都サンガ)の二人を選びました。ラファエルはここまで、345分で6得点。つまり、57・5分に1点の割合で、ゴールを量産していることになります。原もカウンターからのスーパーゴールなど、後半戦だけで5得点を記録しており、右ウイングのマルコ・トゥーリオと合わせて、脅威的な3トップを形成しています。そのほか、鹿島戦で2得点を挙げ、東京ヴェルディを勝利に導いた山見大登も十分ベスト11に値しますが、次点と言うことで、引き続き注目したいと思います。