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来年さらなる飛躍も。J3ブレイクイレブン2024

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

2024シーズンのJ3は初めてJ1、J2と同じ20チーム、38試合で行われて大宮アルディージャとFC今治がJ2に自動昇格。プレーオフを制したリーグ3位のカターレ富山が3つ目の昇格を勝ち取り、11年ぶりのJ2復帰を果たしました。

今回はこの1年で大きな成長が目立った選手を筆者の視点で、ブレイクイレブンとして選びました。なお今回は純粋なベストイレブンではなく、杉本健勇(大宮アルディージャ)など、もともとJ1やJ2での実績が豊富な選手は対象外にしています。

GKは大内一生(松本山雅)を選びました。横浜FCから期限付き移籍で複数のクラブを渡り歩いて、今年から松本に。開幕時はベンチ入りもしていませんでしたが、スタメンを掴み取ってからみるみる存在感を増して、終盤の猛チャージを支えました。田川知樹(カターレ富山)も攻守に渡る安定感が素晴らしかったと思います。

ディフェンスラインは下口稚葉(大宮アルディージャ)、市原亮太(FC今治)、市原吏音(大宮アルディージャ)、安光将作(カターレ富山)の4人。下口は人に強い大型サイドバックですが、今シーズンは攻撃面でも2得点7アシストと躍動。9月に右足の負傷で離脱してしまいましたが、最終盤に復帰を果たしています。

センターバックはW市原に。今治の躍進は市原亮太の力強くも安定した守備なしに語れません。そして市原吏音は19歳という年齢を忘れてしまう威圧感と統率力があり、来年のU−20代表でも、押しも押されぬキャプテンとして国際的な評価を高める準備を整えていると言えます。安光に関してはJ3のサイドバックとしては飛び抜けたものがありました。

右サイドはパスサッカーに連動しながらアタッキングサードで違いを見せて、16得点6アシストを記録した塩浜遼(福島ユナイテッド)をチョイス。ボランチは抜群のボール奪取と運動量で中盤を席巻した梶浦勇輝(ツエーゲン金沢)と川崎フロンターレからの育成型期限付き移籍ながら、正確な技術とタイミングの良い攻め上がりで異彩を放った大関友翔(福島ユナイテッド)のコンビに。左サイドは多くのタレントがいる中でも攻撃の起点、ラストパスなど、これまでのシーズン以上に幅広い活躍が目を引いた菊井悠介(松本山雅)を選びました。

FWは19得点の藤岡浩介(FC岐阜)に敬意を表しつつも、2年前に16得点をしていた実績を考慮して、ここでは対象外に。その藤岡とトップタイの得点を記録し、来日3年目でブレイクを果たしたマルクス・ヴィニシウス(FC今治)、そして前線で奮闘しながら12得点9アシストという数字を叩き出した橋本啓吾(テゲバジャーロ宮崎)を並べました。

このイレブンであれば、J2のステージでも十分に太刀打ちできそうですが、それぞれがどういうルートでさらなる飛躍を目指していくのか、とても楽しみです。あくまで筆者の視点で選んだものなので、これを参考にJ3好きのサッカーファンはじめ、皆さんでブレイクイレブンを作って見てください。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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