ついにギリシャ代表のW杯メンバーが発表。危険なジョーカーは?
ブラジルW杯の2試合目で日本代表と戦うギリシャ代表は候補の29人を発表。右肩を脱臼したシャルケDFのキリアコス・パパドプロスが残念ながらメンバーから外れたが、欧州予選を突破した主力が名を連ねた。ここから6月2日までに、23人に絞り込まれる。
■GK
カルネジス(グラナダ)
ツォルバス(アポロン・スミルニス)
シファキス(アトロミトス)
グリコス(PAOKサロニカ)
カピノス(パナシナイコス)
■DF
シオバス(オリンピアコス)
マノラス(オリンピアコス)
マニアティス(オリンピアコス)
アブラム・パパドプーロス(オリンピアコス)
トロシディス(ローマ)
ボレバス(オリンピアコス)
ソクラティス・パパスタソプーロス(ドルトムント)
ツァベラス(PAOKサロニカ)
ビントラ(レバンテ)
■MF
カラグニス(フラム)
ツィオリス(カイセリスポル)
サマリス(オリンピアコス)
カツラニス(PAOKサロニカ)
ニニス(PAOKサロニカ)
フェトファツィディス(ジェノア)
タフツィディス(トリノ)
フォルトゥニス(カイザースラウテルン)
クリストドゥロプロス(ボローニャ)
パナギオティス・コネ(ボローニャ)
■FW
サルピンギディス(PAOKサロニカ)
サマラス(セルティック)
ミトログル(フラム)
ゲカス(コンヤスポル)
ディミトリオス・パパドプーロス(アトロミトス)
昨年12月の抽選会で対戦相手になることが決まってから、エースのミトログルやキャプテンで精神的支柱のカラグニス、ドルトムントで急成長を遂げたパパスタソプーロス(通称“パパス”)の名前は多くのファンに認知されてきた印象だが、90分で勝ち点3を取るにはジョーカーに注意を払う必要がある。
自著『日本代表ベスト8 ブラジルW杯・対戦国シミュレーション分析』(サッカー小僧新書EX006)から、フェルナンド・サントス監督が勝負をかける時に投入する3人のジョーカーを解説する。
◆ゲカス 69試合/29得点
欧州予選の途中でミトログルにエースの座を譲ったが、フィニッシュのバリエーションが豊富で大舞台にも冷静さを失わない熟練のストライカーが、相手のDFにとって危険な存在であることは疑いない。プレーオフのルーマニア戦で試されたようにミトログルに代わって1トップに入る形がオーソドックスだが、得点が必要になれば中盤の選手を削り、ミトログルと2トップを組むプランも有力だ。
その場合、2人のセンターバックだけで抑えきるのは難しいため、中盤の1人が下がり目にポジションを取ってチェックしたい。センターバックを1人増やして3バックとし、3人で2トップを見る形にする決断も必要かもしれない。直前のテストマッチで見られるかもしれないが、ザッケローニ監督としては前例がなくても、ミトログルとゲカスという強力なFWが前線に並ぶ形を想定はしておきたい。
◆ニニス 31試合/3得点
ギリシャ代表の最年少得点記録を持ち、若くして将来を嘱望されながら、挑戦先のイタリアに馴染めないなど壁に当たっている(パルマからPAOKにレンタル移籍)。しかし、変幻自在のボールタッチと高精度のラストパスはチーム随一で、それらの質はカラグニスやサルピンギディスを上回る。
オフ・ザ・ボールの動きや守備で安定感を欠くため、サントス監督の完全なる信頼を得るにはいたっていないが、後半の途中に出てきたら日本にとってかなりの脅威だ。本職がMFである彼は中央でもプレーできるが、ギリシャ代表では右ウイングで起用されることが多い。
ただ、ワイドに開いてクロスを放つよりも、中に流れてチャンスを作る傾向にあるため、日本の左サイドバックはチェックに行くか、マークの受け渡しをするのかをはっきりしていきたい。
◆フェトファツィディス 16試合/3得点
小柄で守備に難点はあるものの、縦のスピードと左足のフィニッシュに定評がある。欧州予選では2試合の出場に止まったが、イタリアのジェノアでは危険なジョーカーとして存在感を高めており、サントス監督が流れを変えるオプションとしてこのスピードスターを組み込む可能性は高い。
最も危険なのは中盤を1人削り、セカンドトップに投入された時だ。アタッキングサードの浮いた位置でボールを持たれると、一気にトップスピードに乗られてしまうため、日本のボランチは彼が途中出場してきた場合は、早急な対応が必要だろう。山口を中盤の下がり目に配置すれば、Jリーグにもいる小兵タイプであるフェトファツィディスをほぼ完璧に封じてくれるはずだ。
フェトファツィディスが途中出場する時間帯に日本がどういう布陣に変更するのかも重要なポイントになる。