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【ビジネスの考え方】ほぼ日手帳とは何か(その3)公式ガイドブック解読。市井の人々の思いを受け止める器

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

 ほぼ日手帳とは何か。3回目の今回は、公式ガイドブックから読み解きたいと思います。
 まず本書は、その名の通り、製品のガイドとしての側面があります。

 すなわち、各製品のサイズや膨大な種類のカバー、またカバーなしのリフィルや、ハードカバー仕様の「HON」などについて、事細かに仕様を解説しています。

 そして、たとえばメインのモデルである「ほぼ日手帳オリジナル」をはじめとして、各手帳のページ内容の紹介もあります。
 一口に手帳と言っても、単に予定記入欄があるだけではありません。
 今はメーカーによっていろいろなコンテンツのページがあります。
 このガイドブックでは、製品タイプごとに主なページをアップにして掲載。紹介しています。

 つまり本書を見れば、だいたいの手帳のなかみがわかるわけです。

利用の事例も豊富に掲載

 この製品紹介とおなじか、またはそれ以上のウェイトがあるのが、利用の事例です。
 たとえば、歌人・俵万智や、まんが家・中川いさみの事例がそれです。
 それぞれの私生活の中で、創作に関連するエピソードを読むことができます。

 またそれ以外の事例も読み所がたくさん。
 たとえば、「みんなの目標達成」のページでは、手帳を使った目標達成の事例各種が。おなじように、「お金の管理」「美容・健康」をテーマとした記入例もあります。   

 これらは、ほぼ日手帳のユーザーはもちろん、それ以外の手帳のユーザーにも大いに参考になるでしょう。
 とくに全てカラーページなのでどんな色で何を書いているかが一目瞭然。雰囲気もつたわってきます。

日々の雑多な記録から目標達成・自己管理に至るまでの記録の受け皿

 これらの記入の事例からわかること。それは、ほぼ日手帳が、こういういろいろな人々の日々の生活の中で果たす役割です。

 今回ガイドブックを見てあらためてわかったのは、みなさん別にデコることが主体ではなく、日々の生活の中で手帳を使ってコツコツ自分の目標に向き合っているらしいことです。やり方はさまざまです。目的もバラバラですが、みなほぼ日手帳で何かしら記録をしている。目標を書いたり結果を書いたりしている。

 つまりほぼ日手帳はそういう市井の人々の日々の生活を受け止める入れ物のような役目を果たしていると思えるのです。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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