オーストラリアで50.7度、国内および南半球の史上最高タイ
夏真っ盛りのオーストラリアで、国内の最高気温記録が出ました。
13日(木)午後2時26分、西オーストラリア州オンズロー(Onslow)で、気温が50.7度まで上がりました。これは1960年1月2日に南オーストラリア州で観測された50.7度と並び、記録がある中ではオーストラリアの史上最高気温です。
さらにこの気温は、南半球全体の高温記録でもあります。
豪州気象局の記録を見てみると、同日には同じく西オーストラリア州のローボーン空港やマーディーでも50.5度という、国内記録に並ぶほどの高温が観測されていました。
高温の理由は?
南半球で一番暑くなったオンズローは、西オーストラリア州にあります。私はどうしてもこの州の形が、カピバラの横顔に見えて仕方ないのですが、オンズローは、そのカピバラの鼻の先っぽに位置しています。
普通、海に面しているところは内陸よりも涼しいことが多いものです。一体なぜこの沿岸の町の方が、砂漠の広がる内陸よりも暑かったのでしょうか。
記録が出た当時、弱い低気圧の影響で、オンズローには南東風が吹いていました。南東側には砂漠が広がっていますから、つまり砂漠由来の熱風が流れ込んでいたことになります。
さらに周囲の海水温も影響を与えたようです。西オーストラリア州沖の海水温(下図)を見てみると、12日(水)は平年よりも2度ほど高く、30度近くになっていました。Weatherzoneによると、この海水温が高い影響で今週はずっと晴天や高温が続いていたようです。
アルゼンチンでも記録的熱波
一方、海を隔てた南米でも、過去に例を見ない高温が続いています。
11日(火)にはアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、41.1度まで気温が上がりました。これは1906年に観測が始まって以来、2番目に高い記録です。この暑さの中、70万世帯に停電が起こり、クーラーも使えない事態となりました。
また同日はサンフアン空港で44.9度、12日(水)はリバダビアで45.0度が観測され、ところどころで記録が更新されています。
暑さは週末にかけてさらに厳しさを増していくようです。1905年12月11日にアルゼンチン・リバダビアで出た48.9度を抜いて、南アメリカ大陸の高温気温を更新するおそれすら出ています。
北半球では、日本に限らず北米でも記録的な寒さとなっていますから、南半球とのギャップに驚くばかりです。