水がない!楽園パラオで非常事態宣言発令中
(駐日パラオ大使館のHPより)
'''パラオ政府非常事態宣言:
現在、パラオでは深刻な水不足が発生しております。
これに伴い、パラオ政府は3月22日非常事態宣言を発令しました。
また、計画断水が行われております。'''
南国の楽園・パラオが、記録的な水不足に見舞われています。
水が出るのは毎日3時間だけという、極端な節水制限が行われており、休業を迫られるホテルも出ています。今後2、3週間のうちに、水は完全に枯渇するとまで言われているのです。
歴史的少雨
海に囲まれ、熱帯雨林気候に属し、およそ水不足とは縁がなさそうに見えるこの国に、一体何が起きているのでしょうか。
今年初めから4月4日までに降った雨量はおよそ200mmで、例年のたった3割しか降っていません。アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、1951年以来の最悪の干ばつとしています。すでにダムなどの水は使い果たし、唯一の水源である川の水量は、通常の2割もない状態で、今月中にこれらの水もなくなってしまうと懸念されています。
これを受けて、先月パラオ政府は、日本、台湾、アメリカに、海水を真水にする装置や水などの支援を求めました。外務省は国際協力機構(JICA)を通じて、緊急支援物資の供与を決定しています。
グアムでは山火事も
パラオだけではなく、その周辺のマーシャル諸島、ミクロネシア、マリアナ諸島などでも記録的な雨不足が起きています。グアムでは山火事も発生しています。
原因はエルニーニョ
なぜ干ばつが起きているのでしょうか。
現在も引き続き発生しているエルニーニョがその原因と言われています。
エルニーニョが起きると、東部太平洋の海水温が上昇することで、対流活動が活発となり、雨が増えます。パラオやグアムが位置する西部太平洋はその反対で、海水温が平年よりも低くなり、雨が少なくなります。実際、1997/1998年のエルニーニョの時も、記録的な雨不足が発生しました。
今後の見通し
パラオの乾季は2~4月で、その後5~10月は雨季にあたります。しかし、NOAAによるとエルニーニョ現象はまだ数カ月続く見込みで、今後も少雨の傾向が続くと見られています。
旅行者への注意
現地では飲料水が店頭から消えているところもあるようです。パラオに旅行される方は、十分な飲み水を日本から持って行くようになさってください。