横山がチームトップの5勝目、ペレスも第10号ホームラン!《8/27 阪神ファーム》
きのう27日の鳴尾浜も、相変わらず強烈な日差しでした。朝早く来て、スタンドにファンの方々が張ってくださる日除けネットのおかげで、だいぶ楽に過ごせます。なかったらキツイでしょうねえ。いつもありがとうございます!
そんな残暑にめげず、むしろ「暑くなかったですよ~」と爽やかに言ってのけたのは、先発して8回を投げた横山投手です。本来なら26日の1軍ナイターで先発予定だったのに、台風で25日の広島戦(マツダ)が中止になり能見投手がスライドして26日へ。横山投手はすぐ鳴尾浜へ帰ってきて、27日の先発となったわけです。それさえも「めぐり合わせ」とさらり。オトコマエでした。
1回と8回に1点ずつ取られたものの他はしっかり抑えた横山投手を、北條選手が2点タイムリー二塁打で援護。続いてペレス選手が2ラン!阪神に来て2ヶ月あまりで、もう10本です。この1週間だけを見ても4本打っていますからねえ。8月のファーム月間MVP、獲っちゃうんじゃないでしょうか。
《ウエスタン公式戦》8月27日
阪神-オリックス 26回戦 (鳴尾浜)
オリ 100 000 010 = 2
阪神 004 000 00X = 4
◆バッテリー
【阪神】○横山(5勝4敗)-S歳内(1勝1敗1S) / 清水
【オリ】●バリントン(3敗)(7回)-大山(1/3回)-高木(2/3回) / 伏見-若月(8回裏)
◆本塁打 ペレス10号2ラン(バリントン)
◆二塁打 ペレス、柴田、北條
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]指:柴田 (3-2-0 / 0-1 / 0 / 0) .336
2]左:緒方 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .235
3]遊:北條 (4-1-2 / 2-0 / 0 / 0) .257
4]一:ペレス (4-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .351
〃二:森越 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .299
5]中:中谷 (4-1-0 / 3-0 / 0 / 0) .302
6]三:陽川 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .213
7]二一:荒木 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .170
8]捕:清水 (3-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .283
9]右:横田 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .214
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
横山 8回 130球 (6-9-1 / 2-2 / 2.32) 146
歳内 1回 13球 (0-1-0 / 0-0 / 8.38) 144
試合経過
横山は1回、宮崎に中前打されて伏見のサード内野安打(捕ったのはショート)で無死一、三塁となり、3番・T-岡田の二ゴロで宮崎を還しました。あっという間に先取点を奪われたわけですが、そこからはスイスイ!この後続を断って、2回は三者凡退、3回は1死から宮崎に左前打されますが問題なし。4回と5回も三者凡退、6回は先頭・宮崎への四球のみ、7回は三者凡退。
そして8回は先頭の8番・山本に左前打され、堤の投ゴロと代打・武田の右前打で1死一、三塁となって2番・伏見に中前タイムリーを許しました。なおも1死一、二塁で続くT-岡田は空振り三振、吉田雄は三ゴロで最少失点にとどめた横山。失点した1回に2安打、8回に3安打を許したものの、他は3回の1安打と6回の1四球(ともに宮崎)で走者を出しただけ。またカラバイヨの3三振など、計9奪三振でした。
一方の打線は、バリントンに対して1回が三者凡退。2回はペレスの右中間二塁打と中谷のショート内野安打で無死一、三塁としますが、陽川は一邪飛、荒木は二ゴロ併殺打で無得点。でも3回に先頭の清水が左前打、横田は遊ゴロで走者が入れ替わり、柴田の左中間二塁打で1死二、三塁とチャンスを迎えました。続く緒方は三振で2死となるも、3番・北條の打球は左中間へ。鉄平が追って、これは捕られるか…と思ったら失速。届かずに二塁打となって2人が生還!
どうやら落下地点へ行く途中で足を痛めたらしく、鉄平は阪口と交代です。2対1と逆転に成功した阪神は、北條を二塁に置いて4番・ペレスがフルカウントからの7球目、変化球を打って左中間への2ラン!これで4対1となりました。ただし以降は4回2死から清水が中前打、5回は先頭の柴田が右前打、7回は2死から柴田の四球と緒方の中前打と走者を出しながら追加点なく、8回は大山と高木の継投で三者凡退に斬って取られます。
9回は歳内が登板し、まずカラバイヨを空振り三振(4打数4三振)。阪口は三ゴロ、小嶋を左飛に打ち取って三者凡退締め!歳内のプロ初セーブで試合終了です。
横山「結果を出して次へいくだけ」
チームトップ、リーグ6位タイの5勝目を挙げた横山投手。きのうは8回を投げて、チームでただひとり規定投球回数を超え、防御率2.32でウエスタン・リーグの5位に登場しました。ただし2試合後には再び足りなくなってべストテンから名前が消えますけど、この日9つ奪った三振数70個でチーム最多、リーグ5位です。また7月26日のオリックス戦(富田林)で5回5四球だったあと、今月の3試合は無四球(9日に1死球)が続いていたため、久々の与四球でした。
厳しい残暑の中でも「全然!暑く感じなかったですよ~」と爽やかに笑います。とはいえ130球はプロ最多でしょう?8月9日に地元・山形でプロ初完封勝利を挙げた時でも9回104球だったので。「8回にちょっと“もたついた”(32球)ので、その分多くなった。でも問題ないです」とのこと。9奪三振のうち7回の小嶋選手だけが真っすぐ、他はすべて変化球で「三振はフォーク、スライダー。変化球もストライクが入ったので、ワンバウンドでもいいからと思って。清水さんのリード通りにいったボールが多かったですね」
登板前に、普段はないミーティングがあって吉田バッテリコーチから助言をもらったそうです。「『オリックスには(チームが)ずっと点を取られているので、しっかり気持ちを出していこう。ムダな1球をなくして。力むのと、気持ちを込めるのとは違う』という言葉です。それで気持ちを込めた球を投げられた。キャッチャーのリード通りにいけたボールが多かった」と振り返りました。
26日の1軍先発が流れてしまったものの「天候や巡り合わせなので仕方ないと思いますし、ここでどうするかってのが大事なので。結果を出して次へいくだけ。きょうはいつも通り、というか力は入っていましたね。初回に打たれたけどズルズルいかなかったのもよかった。状況が変わっても、うまく対応できたかなと思い」と納得の表情。そして「チャンスがあるなら、準備はしっかりしてゲームを作るピッチングでアピールしていきたい」と締めくくっています。
意地をみせた横山を絶賛
久保投手コーチは「取り組んでいるフォークやスライダーが、非常によく決まっていた。やっと出ていますね、成果が。いかに感じさせて、自分の真っすぐを守っていくか。そのためのボールが2つ増えたってこと。前に比べ、ガツンガツンいっていた力が抜けてきたかな。力を入れたり、曲げたり、落としたり。もちろんファームのレベルだから、これが常時いければ。涼しくなると、もっと期待ですね。1軍の戦力になるんじゃないかと思っています」と横山投手を評価。
1軍の先発が流れて翌日の、しかもファームでの登板に変わったことについても「それを理由にしたらダメやで。意地を見せなあかんでと言ったら応えてくれた。ファームに来て即、意地を見せた。そういう気概が嬉しいね」とうなずく久保コーチです。
また清水選手は、横山投手が「清水さんのリード通りに投げられた」と話していたことを告げると「低めにしっかり投げていたと思いますよ。真っすぐはもともと強いピッチャーだし、高低しっかり投げられていたからよかったですね」という返事。続けて「1回にいきなりピンチを迎えて、あそこを1点でしのいだのが大きい。スタートでつまずかずにいけた。それと何度もファーストに飛んだけど、ベースカバーなどの集中力があった。投げることもよかったけど、それ以外もきっちりできていた」と褒めています。ちなみに、自身のマルチヒットにはコメントなしでした。
歳内はプロ初セーブ
久しぶりに生で見たなあと思ったら、ファームでは6月13日の広島戦(マツダ)以来の登板だった歳内投手。しかも昇格前は遠征が続いていたので、鳴尾浜の試合では5月28日のソフトバンク戦で先発して以来、3ヶ月ぶりということになります。やっぱり真夏の約2ヶ月間、1軍にいたせいか顔や腕が少し白い。そのあたりが“ステータス”と言えるでしょうか。逆に1軍で真っ黒な顔をしている選手には、一生懸命やってきた自信と誇りが見えます。あ、少し話が逸れましたね。
「きょうは、ほとんどがシュートですよ」と歳内投手が言うのは、140キロ台の速い球。真っすぐかと思ったら「真っすぐは2、3球」だったそうです。「いいバッターだし様子を見ながら。ストライクやファウルを取れた」と言っていました。4対2の2点差で迎えた9回に登板し「競っている時に投げられるのは、いい経験になっています」とのこと。2ヶ月前に比べて、力感も落ち着きも(もともと落ち着いていますけど)違う気がしました。1軍のマウンドが歳内投手を大きくしたのでしょう。
ともに2打点のペレスと北條
ペレス選手は2試合連続のホームラン。6月20日に初めて出場して、7月5日に第1号を放ちました。そこから7月が4本、8月はきのうで6本、計10本。もちろんチーム最多ホームランで、中谷選手、北條選手、横田選手が8本で続いています。ウエスタン・リーグではソフトバンクのカニザレス選手が14本、広島の下水流選手が12本。ついでペレス選手、ソフトバンクの江川選手と猪本選手の3人が10本です。
コメントは帰りのタクシーに乗り込む際のやり取りのみ。2戦連発には「グッド。続けていきたい」。2ケタに乗りましたよ。「グッド」。コンディションは?「パーフェクト。グッド。ベリーグッド」。以上です。質問者は私ではありません。スポニチの久林記者、ありがとうございました!
ペレスの2ランの前に逆転タイムリー二塁打を放った北條選手は「普通なら捕れていましたね、センター」と苦笑い。「ちょっと弱かった。インコースを狙っていて真ん中に来たので、ちょっと力は抜けた感じやけど、ポイントがよかったと思います」。8月15日から10試合連続で3番を打っている北條選手。「3番を任されているので、気合いを入れて打ちました」。その気合いで、あそこまで飛んだんですね。