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関東でダウンバースト、北海道で川の氾濫、沖縄で台風の暴風…いつ何に気をつけるべき?気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
25日夕方の発雷確率(気象庁データより)。関東内陸で特に確率が高くなっている。

関東でダウンバースト(後述)などの突風被害や激しい雷雨、そして北海道では川の氾濫など気象災害が相次いだ24日に続いて、25日も大気の状態が不安定になる地域が多く、沖縄では台風3号の影響も続きそうです。
台風周辺の暖湿気と上空の寒気の影響を受け続ける中、いつ・どこで・何に気をつけるべきか、地域ごとに解説します。

25日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
25日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

発雷確率がダントツで高い【関東】

25日9時の予想天気図(気象庁HPより)。台風周辺の暖かく湿った空気が、台風の反時計回りの風と東側の高気圧の時計回りの風によって本州付近へ運ばれる。
25日9時の予想天気図(気象庁HPより)。台風周辺の暖かく湿った空気が、台風の反時計回りの風と東側の高気圧の時計回りの風によって本州付近へ運ばれる。

25日は24日に引き続き関東で雷の発生確率が高くなっていて、積乱雲が急速に発達しやすい環境となっています(トップ画像参照)。
積乱雲が極端に発達すると、突然の大雨や落雷、竜巻も発生しやすくなります。
さらに、24日は埼玉県の複数の場所で、積乱雲から強い風が地面にたたきつけるように下降して周りに広がる「ダウンバースト」と呼ばれる突風が被害を引き起こしたと考えられ、この「ダウンバースト」は25日も発生するおそれがあります。

こういった積乱雲による現象は、「だいたいこのあたりで発生しやすい」という確率までしかわからないため、空が急に暗くなったり、暑かったはずなのに急に冷たい風が吹き始めたりと、前兆を感じたらすぐに丈夫な建物の中に入りましょう。

梅雨末期の豪雨!日本海側は26日まで警戒【北日本】

東北では25日も前線がかかり、広範囲で断続的に雷雨のおそれがあります。日本海側は26日(金)にかけて警戒が必要です。
特に秋田・山形はこれまでの雨の量がすでに多い上に、25日も断続的に雨が予想されているため、いったん雨がやんだり弱まったりしても、警戒をゆるめずに必ず最新の気象情報・防災情報を確認してください。
すでに25日未明に秋田県で石沢川が氾濫し、ほかにも危険度が上がっている川があります。気象庁の「キキクル」で紫色になった時点で身の安全を確保してください。
北海道は25日朝~日中にいったん天気が回復するものの、夜は再び雨が降るところがあるでしょう(冒頭の天気分布参照)。
24日に発生した大雨被害の後片付けをする人も多いと思いますが、再び降る雨に気をつけてください。

不安定が続く【東海・北陸】

東海・北陸では広い範囲で暖かく湿った空気が流れ込み、激しい雷雨のおそれがあります。
特に新潟県では25日夕方までに最大120ミリの雨が予想されているため、情報をこまめに確認するようにしてください。

台風による「警報級」の影響は26日まで【沖縄】

沖縄では25日も強風と猛烈なしけが続き、波浪警報は26日まで継続する見通しが気象庁から発表されています。
雨は1日あたり100ミリを超える状態が26日まで続きそうです。

猛暑と雷雨続く/北陸・東北の梅雨明けは来週後半以降か

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

このさき、28日(日)~29日(月)に東京や大阪で一時的に35度を下回るほかは、九州~関東の広い範囲で猛暑が続く見通し。沖縄でも台風による雨がやむと猛暑が戻ってきそうです。

東北や北陸の梅雨明けは来週後半以降となりそうで、平年より遅れる予想になってきました。梅雨のない北海道でも今シーズンは雨が降りやすくなっていて、今後も雨の情報には注意が必要です。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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