IWGP世界ヘビー級選手権試合とIWGP女子選手権試合、男女のシングルで頂点の証であるベルトを賭けた試合がダブルメインイベントして行われる『Battle in the Valley』が2月18日（日本時間19日）にシリコンバレーとして知られるカリフォルニア州サンノゼで開催される。

　この大会では男女の最高峰ベルトだけでなく、「STRONG無差別級」、「STRONG無差別級タッグ」、「NJPW WORLD認定TV」と5つのタイトルマッチが組まれ、新日本プロレスがこの大会に懸ける意気込みが伝わってくる。

タイトルマッチ以外にも見どころは満載

　トム・ローラー対ホミサイドの一戦は「フィルシールールズ・ファイト」形式で行われる。

　試合はノーロープのリングで行われ、反則裁定がないノーDQマッチとなり、ピンフォール、ギブアップ、もしくはKOでの決着となる。

　元UFC戦士のローラーは、総合格闘家として20試合を戦った後にプロレスラーに転向。MMA仕込みのテクニックを武器に、新日本プロレスでは初代STRONG無差別級王者に輝き、9度の防衛に成功。

　対するホミサイドは大日本プロレスの大会で、後楽園ホールの2階バルコニーからダイビングエルボーを炸裂させるなど、恐れ知らずなファイトスタイルでハードコアな戦いも得意とする。

　凶器の使い方を熟知しているホミサイドが、総合格闘技上がりのローラーとどう戦うのかが楽しみな一戦だ。

日本追放のジェイ・ホワイトの試合は新日本追放マッチに

　2・11大阪大会で行われた「ルーザー・リーブ・ジャパンマッチ」でヒクレオに敗れて、日本マットを追放となったジェイ・ホワイト。

　サンノゼでのエディ・キングストン戦は「ルーザー・リーブ・ニュージャパンマッチ（敗者、新日本プロレス追放マッチ）」になることが急遽決定した。

　プロレスラーとしてデビューしてすぐに新日本へ入団したホワイトは、「青い目のヤングライオン」として新日本に育てられたレスラー。新日本との契約はサンノゼ大会後に切れるとも噂されており、WWEやAEWへの参戦も囁かれている。

　世界のマット界でホワイトの評価は非常に高く、新日本プロレスの世界戦略に必要とする選手。日本国内で試合をすることはできないが、NJPW STRONGを中心にアメリカで戦えば、新日本に多くのものをもたらせる。

　ホワイトにとってはメリットのない試合形式で、AEWを主戦場とするキングストンにはそれほどのリスクはない。

　また、キングストンは2月11日に予定されていた米インディ団体での試合をケガで欠場。キングストンのケガの具合も気になるところだ。

全米が注目するメルセデス・モネの新日本デビュー戦

　1・4東京ドーム大会に突如現れ、IWGP女子のベルトを初防衛したばかりのKAIRIに挑戦を表明したメルセデス・モネ。

　WWEではサーシャ・バンクスのリングネームで活躍して、WWE女子王座やWWEロウ女子王座の主要タイトルを合わせて5回も獲得。紛れもないWWE女子部門の中心選手で、非常に高い人気と知名度を誇る実力者。

　KAIRIとはWWE時代に戦ったこともあり、新設されたばかりのIWGP女子の価値を高めるには最高の相手である。モネの新日本参戦で、「NJPW WORLD」の新規加入者増が期待される。モネのデビュー戦が発表されると瞬時にチケットが完売したほど、この試合は注目されている。

　「尊敬するモネ選手と戦えることをとても光栄に思っています」とKAIRIはWWEで女子部門グランドスラムを達成したモネに敬意を払いながらも、「これ（IWGP女子のベルト）は私の宝物。あなたに差し出すことは出来ません」とベルトを死守することを宣言。最強のチャレンジャーを前にして「絶対に負けない」と必勝を誓った。

オカダ対棚橋のIWGP戦がアメリカで実現

　オカダが棚橋弘至を挑戦者に指名したことで、アメリカ本土で実現したオカダ対棚橋のゴールデンカード。この二人のシングル戦は2019年にテキサス州ダラスで行われたG1クライマックス開幕戦でも行われたが、今回はIWGP世界ヘビー級のタイトルマッチとして両雄がリングに立つ。

　「オカダとは2012年の『レインメーカー・ショック』から何度も闘ってきましたけど、今回は俺が『ショック』を起こして、IWGP世界ヘビー級チャンピオンとして日本へ帰ります」と棚橋が言えば、オカダは「アメリカでベルトを懸けて棚橋さんと闘うことはもうないと思うので、しっかりと新日本プロレスを皆さんにお見せして、チャンピオンとして日本に帰りたい」と防衛を誓った。

　オカダは先週、2月11日に鷹木信悟と30分を超える死闘に勝利して、ベルトを防衛したばかり。この試合で棚橋を倒すと、今度は2月21日に東京ドームで、史上初となるIWGP世界ヘビー級王者とＧＨＣヘビー級王者の対決、清宮海斗戦が控えている。

注目のサンノゼ大会はPPVで視聴可能

　IWGP世界ヘビー級選手権とIWGP女子選手権という東京ドーム・クラスのカードが並んだサンノゼ大会は、日本時間2月19日午前11時20分からPPV（ペイパービュー）で生中継される。

　アップルやグーグル、Yahoo!など数多くのIT企業が本社を置き、全米で最も裕福なエリアであるシリコンバレーに、新日本プロレスは金の雨を降らせることはできるのか？